90年代に日本の統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の総会長を務め、現在は元老牧師会副会長の金明大(キム・ミョンデ)氏が1127日、韓国・和順教会で行った講義で、韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁を「実体聖霊独生女」と教えた内容が、家庭連合と対立する分派の間で衝撃を与えている。

独り娘を意味する「独生女(トクセンニョ)」は、教祖・文鮮明の亡き後、総裁となった妻・韓鶴子氏を後継の「メシア」と権威づけるために使われてきた言葉だ。7男の文亨進(ムン・ヒョンジン)氏を「再臨主」「天一国二代王」と称し統一協会と対立するサンクチュアリ協会(世界平和統一聖殿)は、韓氏を「独生女」とすることに対し激しく批判してきた。

韓鶴子氏は文鮮明の死後、「お父様(文鮮明)には原罪があった」と言い、相対的に自らの権威を高めてきたが、今回の金明大氏の講義では韓鶴子氏を「実体聖霊」と呼び、さらに神格化を強めていることがうかがえる。やはり韓鶴子氏を「再臨主」とは認めず家庭連合を批判する3男・文顕進(ムン・ヒョンジン)派の「ONE TRUTH有志の会」ウェブサイトに121日、「【衝撃音声】金明大会長講義2022.11.27実体聖霊独生女韓鶴子総裁」と題し、金氏の講義の内容が「過去最大の衝撃」として日本語字幕付きYouTubeで公開された。

そのYouTube(音声)から金明大氏の講義の要旨を見てみると・・・

(以下、講義より)

お父様の原罪問題も重要な話です。

お母様のみ言葉の話も聞いたでしょう。

「どうしてお父様の兄弟たちは皆原罪があるのに、なぜお父様には原罪がないのか」

このみ言葉がどういう話か分かりますか。

数ヶ月前、お父様には原罪があると語られる前です。

だから近くにいる指導者たちは蜂の群れのように立ち上がって

お母様の口を塞いで、

そのように話したら、食口(シック:統一原理信者のこと)が皆離れる。

そのような話を取り消さなければならない。

天の秘密のみ言葉なのに取消しができるか?

それではどうやって今まで引っ張ってくることができたか。

お父様は救世主・メシヤ・再臨主として選ばれました。

生まれる前に選ばれました。

生まれる前に選ばれた人はお父様だけではありません。

お母様のみ言葉を聞いてみると

お父様だけが再臨主・救世主・メシヤに選ばれたのではなく、

その当時、周りにナ・ウンモン長老、パク・テソン長老、ヤン・ドチョン

このような人たちも多かったのです。

数十人が本当にお父様のような

そのような似た神霊(霊的)な人、

神霊な集団が多かったのです。

今から100年前です。

しかし、お母様のみ言葉は、

よく聞いてください。

多かった中で

「私が何人か見たところ、お父様を選ばなければならない」

お母様は真の父として選択できる対象が複数人いたと言われました。

その中からお父様を選びました。

なぜ選んだのか。

諸々、お父様の先祖、精誠も見て、

お父様は「私と結婚したら天の摂理を十分に成し遂げる」

簡単に言うと、

原理に野性のオリーブの木と真のオリーブの木がありますね。

アダムとエバが完成したら何になった?

真のオリーブの木になりましたね。

オモニ(お母様)が、原罪のない方が

原罪のあるお父様を選びました。

それで1960年天歴316日に聖婚式をしましたね。

聖婚式で接ぎ木しましたね。

接ぎ木したのでその日その時

お父様は原罪から解脱されました。

真のお母様は歴史上初めて

実体聖霊として

この地に初めて来られた

再臨独生女ではなく初臨だ。

お父様は初臨か、再臨か?

再臨じゃないですか。

イエスが二番目に来られましたから。

イエスが来たのではなく、

イエスを立て、成し遂げようとした世界を成すことが出来なかったので

代わりにお父様を立てたじゃないですか。

2千年ぶりに

お父様は再臨で、お母様は初臨だ。

イエスの夫人がいたら再臨ですが、

結婚できなかったじゃないですか。

ですからお母様は初臨、

これ絶対に忘れないでください。

お母様は初臨。初臨で、

原罪がないお母様です‼︎

お母様と聖婚すると

その日その時に

お父様の原罪を脱いで

原罪のないお父様と原罪のないオモニが誕生するので

原罪のない子女を懐胎し、

私たちも原罪解脱となりました。

ですから、お母様は

お父様は責任を果たせなかったと語られました。

何の責任を果たせなかったか。

存命中に子供たちを前において

お前のオモニは肉体のオモニではなく

お前のオモニは独生女だ。

聖霊様になられた独生女だ。

オモニに侍ろ。

一度もこんな表現をしたことないというのです。

お母様のみ言葉です。

(講義要旨、以上)

2020年、統一協会の聖地清平(チョンピョン)に完成した天勝殿の野外庭園に建立された石像は、中央に「再臨のメシア」「天一国(地上天国)の支配者」を象徴する王冠をかぶり、権威を表す天皇棒を手に持った「真のお母様」韓鶴子氏のひときわ大きな像が中央に据えられ、文鮮明の像はその脇に添えられている。

原理講論は一見、論理的な表現で書かれているように見えるが、随所に論理の飛躍、ご都合主義のこじつけが見られる。その原理講論によって「再臨主・メシヤ」「お父様」として権威づけていた教祖が死去した後、妻を「メシヤ」「お母様」と信じさせることによって、信者の忠誠心を維持する必要がある。そのために、「お父様」をメシヤとして選んだ「お母様」を、「実体聖霊」と呼んで格上げし、「お母様のみ言葉」を権威づけた・・・カルト組織を、幹部ぐるみの虚構によって存続させる構図が、この講義から見て取れる。

「真のお母様」の権威を高める演出が次々となされてきた(統一協会公式サイトより)

金明大会長の講義音声・日本語字幕付きはこちら▼
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