前国連事務総長・潘基文氏5千万円受け取る。統一教会式「金で物を言わせる」戦略エスカレート

地上天国の完成を宣言したかと思いきや「完成は7年先」と新しい計画を発表した韓鶴子氏(統一教会専門チャンネル引用)

韓国で2月5日から行なわれていた統一教会「故・文鮮明生誕100周年」を祝うビッグイベントは9日に閉会した。

文鮮明氏が生前にあらかじめ預言していた「2020年地上天国完成」は、二代目再臨のメシア韓鶴子(ハン・ハクジャ)氏によって宣言された。「2020年、天一国安着を宣言します!」と統一教会専門チャンネルで字幕付きでその様子が報じられた。参加した関係者によると「これは約束通り地上天国が完成したという意味」だという。「とにかく、語られる専門用語がコロコロと変わるのでみなさん混乱しています。何がなんだか理解できていないと思う」とも述べた。

韓鶴子氏が宣言したと思いきや「7年路程」という新しい計画が発表され、さらに7年間地上天国完成が引き延ばされたのだ。「この繰り返しです。新しい摂理(計画)がいつも発表されます」と苦しい胸のうちを明かしてくれた。イベント中に二世信者の合同結婚式では天国で待つ文鮮明氏が天国の扉を開ける演出が行なわれた。この組織はこのように摂理という計画をイベントのたびに発表して「次へ、さらに次へ」と信者を煽るのだ。まだまだ統一教会は「金」が必要なのだろう。

潘基文前国連事務総長(中央)が賞を受けた後、統一教会の韓鶴子総裁(左)、ホン・イルシク平和委員長と一緒に写真撮影に臨んだ。(世界日報キャプチャより)

本紙と提携している韓国異端専門メディア「教会と信仰」の報道を紹介したい。「教会と信仰」(2月7日付)

「前国連事務総長・潘基文、統一教会の広報を務めるのか?」統一教会から「創始者特別賞」として50万ドルの賞金を受け取り

統一教会のイベントに潘基文(パン・ギムン)氏(75)が参加した。潘氏は前国連事務総長を務めた人物だ。彼が参加したことで「統一教会の広報を担っているではないか」と批判が湧き上がっている。統一教会は文鮮明生誕100周年行事を5日から韓国一山(イルサン)キンテックスで開催した。

イベントの中で世界平和思想実現に貢献した人物たちに「平和賞」が授与された。これは統一教会の対外宣言活動である。今年は前国連事務総長の潘基文氏が受賞した。彼には賞金50万ドル(約5千万円)が贈られたと報じられた。潘基文氏は統一教会を促進する働きに関わっていくのではないかと思われる。

この平和賞は2015年から始まったもので、次世代の平和と福祉に貢献した個人と団体を表彰するという名目のもと行なわれてきた。受賞者には100万ドル(約1億円)の賞金が贈られ、共同受賞者はそれぞれ50万ドルずつ、特別受賞者には50万ドルが贈られた。今年は統一教会の文鮮明氏生誕100周年になる年だ。平和賞委員会は2021年の授賞式を1年早めて2020年が重要な年であると印象付けようとした狙いがあるようだ。

今回、潘基文氏が賞を受けたことで統一教会の広報に利用されることは確実だ。彼がキリスト教系異端、カルトに招待されたことは今回が初めてではない。2017年、韓国大統領選有力候補として注目された時期には新天地と友好関係を示したことがある。つまり、彼は韓国において異端、カルト規定されている人物や団体と関わっていることを自覚しているわけである。

イ・ヨンソン牧師(統一教会対策協議会事務総長)は、「潘基文氏はこの賞を拒否しなければならない」と強調していた。「有名人を起用することで異端・カルト側は自分たちの正当性を内外に示す狙いがあります。カルト宗教への理解が不足している一般人たちは有名人が統一教会を推奨している姿を見て問題がない宗教(キリスト教)だと誤解して入信してしまう可能性があります」

統一教会は7日、京畿道加平清心平和ワールドで信者3万人が参加した合同結婚式を行なった。新型肺炎(コロナウィルス)の被害拡散が懸念される中、イベントを強行した。