統一協会の分派で故文鮮明(ムン・ソンミョン)の7男・文亨進(ムン・ヒョンジン)氏を「再臨主」「二代王様」と崇めるサンクチュアリ協会(世界平和統一聖殿)は、文亨進氏を日本に迎え625日から全国を縦断する「文亨進天一国二代王帰還歓迎勝利報告日本大会」を開催していたが、713日に東京で予定していた「全日本歓迎特別集会」を中止することがわかった。

711日、世界統一平和聖殿日本大会事務局は、「安倍晋三元首相のご逝去、喪中に鑑み、『全日本特別集会・勝利祝勝会』は中止いたします」と発表した。10日の北海道大会まで、東京、九州、関西、中部の各大会は実施された。

7月6日の名古屋大会で語る文亨進「二代王」。サンクチュアリ日本本部がライブ配信した。

 

日本サンクチュアリ協会の江利川安栄会長は7月9日、「安倍晋三元首相狙撃事件に関する声明文」を発表し、協会のホームページに掲載した。山上徹也容疑者が世界統一家庭連合の分派に所属していたとの報道により、「当協会の教会長たちに多数のマスコミが質問をして参りましたし、甚だ迷惑な報道も拡散されていますので」として声明を出したもの。声明は次の通り。

①日本サンクチュアリ協会は、山上徹也容疑者と接点も関係も一切ありません。
また、同容疑者は過去にも当協会集会等への参加記録等も一切ございません。さらに、山上容疑者の世界平和統一家庭連合の分派への所属を当サンクチュアリ協会と決めつけていますが、一切根拠のある情報ではなく、マスコミやその他の推測記事や悪意ある印象操作によるものと断じ撤回を求めます。

②また、山上容疑者の母親が宗教団体に献金を捧げて来たとの報道ですが、当日本サンクチュアリ協会では、一円たりとも献金をいただいた事実はありません。

③安倍元首相との当協会の関係ですが、そもそも、私どもは自由と正義、平和を愛する日本国民として、安倍晋三元首相を尊敬し、多くの政策を支持し、応援をして参りましたのは事実ですが、2015年3月1日設立の歴史の浅い当協会が、安倍元首相から祝電をいただくとか、集会に来ていただくとか何かをして頂いたという事実は一切ございません。

山上容疑者の安倍元首相狙撃事件は、ショックであり、ただただ御冥福を祈るのみです。

④また、当協会の銃に対する考え方に対しても、マスコミは先入観をもって、多くの誤解を招く論議を拡大しておりますが、アメリカに本部を置く当協会においては、そのアメリカ合衆国憲法修正2条に認められた自由と安全を守るために銃を保持することは重大な権利となっていることを知っております。当協会は日本国憲法の下で法を遵守し、違法行為を行っているということは、一切ありません。

銃による山上容疑者の犯罪と当サンクチュアリ協会を結びつける悪なる意図をもった一切の行為に関して謝罪を求め、撤回を願います。

以上

日本サンクチュアリ協会

総会長 江利川 安栄                            2022年7月9日

文亨進氏は2008年、統一協会の後継者と発表されたが、2012年に文鮮明氏が死去後に妻の韓鶴子(ハン・ハクジャ)氏が亨進氏と対立し、「真のお母様(ご父母様)」を名乗って自らを「第二代再臨主」と自称し権力を掌握。このため亨進氏は自らを「再臨主」「二代王」とする「世界平和統一聖殿(略称:サンクチュアリ協会)」を設立。日本の統一協会も韓鶴子派と7男派に分裂し、7男派は2015年に「世界平和統一聖殿日本本部(略称:日本サンクチュアリ協会)」が発足させ、元日本統一協会会長の江利川安栄氏が会長に就任した。

家庭連合とサンクチュアリ協会はそれぞれのホームページで、自らを正統と主張し相手を批判している。双方の主な主張は以下の通り。

【家庭連合→サンクチュアリ協会】
亨進様はお父様(文鮮明)から王権継承されていない/サンクチュアリ協会はみ言(文鮮明の言葉)の改ざん・恣意的な抜粋が多い/“聖書にある「鉄の杖」は「み言」であると書いてある原理講論に反して、「鉄の杖」は「銃」であるとして、銃を携帯しての行事参加を求めている/“天国ができた後も、銃所有が必要であると主張し、天国ができた後も、悪が存在するという、原理講論とは全く異なる主張をする集団

【サンクチュアリ協会→家庭連合】
文亨進様は真のお父様が後継者・血統相続者として祝福されたが、家庭連合幹部と母親韓鶴子女史が、後継権を奪い、韓鶴子女史が自ら教主となり、相続権を奪われた/韓鶴子女史は、メシアである真のお父様の意志に背き、神様が立てた三大王権を完全に廃棄した後、「独生女神学」で自らの偶像化を進めている/韓鶴子女史の裏切りを強く非難する

*注:独生女(トクセンニョ)神学=「一人娘」の意味で、家庭連合では「真のお母様」韓鶴子氏の無原罪誕生の主張に使われる

世界平和統一家庭連合のホームページにはサンクチュアリ協会の詳細な批判が掲載されている

サンクチュアリ協会のホームページには文鮮明氏の「妻」として韓鶴子氏とは別の女性の写真が掲げられている。

それに対し家庭連合は「文亨進氏は、文鮮明師と韓鶴子女史を離婚させ、聖アウグスティヌスと霊界祝福を受けていた姜賢賓(カン・ヒョンヒン)氏を、アウグスチヌスと離婚させ、文鮮明師と結婚させた」と非難している。

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