福音派の教会から情報提供相次ぐ 練馬ナンバーで全国周回 牧師個人を取り込む「支持者固め」か
韓国主要教団から聖書の教えを逸脱した「異端」や指導者や団体の違法性を含め問題視があるとする「カルト集団」規定を受けているグッドニュース宣教会(代表・朴玉洙氏=パクオクス)について、「深刻な事態だ」と憂慮する諸教会からの情報提供や通報が相次いでいる。各教団や教区に入った情報を本紙がまとめてみた。
グッドニュース宣教会は「救援派」(クオンパ)と呼ばれる3グループのひとつで、独自神学を掲げる宗教団体だ。日本では宗教法人東京恩恵教会(東京都新宿区)を本部として構え、韓国人の鄭求澈(チョン・グチョル)氏をトップに傘下教会「グッドニュース宣教会」または「GOOD NEWS○○教会」の名で全国9教会を運営している。教会は牧師の住居を兼ねたものからビル、商業テナントをレンタルしたものまでさまざま。規模はそれほど大きくない。看板を掲げて活動している。韓国人信者が多いが、日本人、東南アジア系もみられる。
各教会は韓国人、及び在日韓国人の牧師らが担当している。宣教会と呼ぶ関連団体も多く存在し、イベントやセミナー、映画鑑賞会、青少年事業、オーケストラなど文化活動からキリスト教のリーダー育成プログラム、聖書セミナーまで幅広く運営している。互いが「グッドニュース宣教会」の宗教活動目的で連動していることは基本的に明かさない。「後援」、「賛同団体」として表記されるが、一体的な組織だ。関連団体についてはこちら
毎月、朴玉洙氏の聖書セミナーをYouTube配信しているが、その都度、全国各地の既成教会に案内を郵送かメールで送り続けている。最近は牧師宛に電話による勧誘や直接教会を訪問してDVDやテキストを置いて帰るケースも目立ち始めている。福音派の教会は、日本福音同盟(JEA)による注意喚起によりグッドニュース宣教会に対する警戒感が相当広まったと考えられる。日本基督教団宣教委員会「カルト問題連絡会」も全国の教区、教会宛に委員長名でグッドニュース宣教会に警戒するよう呼びかけている。
最近は、東京恩恵教会やGOODNEWS埼玉教会から周辺教会に自分たちの正統性を主張するビラが繰り返し配布されていることもわかった。その内容は、韓国主要教団の異端決議を無効化しようとする内容で、韓国異端が得意とする「捏造説」「利害関係による意図的な嫌がらせ説」が中心だ。クリスチャン新聞や本紙「異端・カルト110番」が虚偽報道を行なっていると抗議する内容も目立つ。韓国側の異端規定情報や現地報道が本紙から伝えられ、諸教会が警戒するようになったことで、グッドニュース宣教会の国内トップらが日本基督教団本部に抗議に訪れたり、周辺教会の礼拝に出席して閉会後に突然、自分たちの正統性をアナウンスするなど動きが活発化している。このような「訪問型」の抗議が今後も各地で確認されると思われる。彼らは、一貫して異端ではないと主張するものの、彼らが主張するような韓国主要教団における「異端規定の取り下げ」の事実は一切ない。「有名な牧師が協力している」とのうたい文句は正統性を示す根拠にならないことは、旧統一協会をはじめ、タラッパン運動などをみれば一目瞭然だ。有名人を味方につけて健全性を標榜する戦略にすぎない。
アポなし訪問が各地で報告 諸教会は毅然とした態度でNOを
九州地方の福音派に属する某教会から、「東京恩恵教会の鄭求澈氏」と通訳として同行したという伝道師「河野篤志氏」(カワノ・アツシ)があちこちの教会をアポなし訪問している、との情報提供を受けた。日本のトップと通訳などを務める伝道師(重役)が一般人を装って礼拝に出席し閉会後に牧師や役員に、自分たちの正統性を説明しているというものだ。渡された名刺を見てはじめて「グッドニュースミッション」(グッドニュース宣教会)と書かれていることから問題が発覚したという。関係者は「深刻な事態だ」と危機感をあらわにする。
彼らは今後、全九州地方を周回して中国地方に入ると思われる。情報提供者によると「練馬ナンバー」の車で移動を続けているという。何も知らない牧師たちは、彼らを歓迎したり、時間をとって好意的に交流したという報告もあがっている。韓国異端は、正しい情報を持たないまま「雰囲気のよさ」「一方的な説明」だけで問題がないと判断すると、自分たちの宣伝活動に使ったり、イベントにゲスト出演依頼をするなど「支持者」「擁護者」として利用されるケースが後を絶たない。一度隙を与えると、そこを中心に次々と関わってくる。日本を代表する福音派の牧師たちが異端に利用されるケースが後を絶たない。また同じ連鎖が起きかねない。警戒が必要だ。
また、某福音派の教会からは、グッドニュース宣教会の影響を受けた信徒による牧師批判やその過程で教会分裂が起きた事例についても情報が寄せられた。朴玉洙氏の説教は「クリスチャン」に呼びかけるものばかりで、引き抜きや分裂も十分に起こりうることだ。
朴玉洙氏は、既成教会の信仰を批判し、自分たちの独自神学に立ち返るよう強く訴えている。彼らの狙いは、一般人への布教ではなく、既成教会の転覆と信徒らの転向にあると言って過言ではない。冷静に毅然とした態度で牧師たちは教会を守らなければならない。