韓国キリスト教放送(CBS)2020年1月11日 ノーカットニュース

CBSノーカットニュース(動画・韓国語)

〔アナウンサー〕

昨年11月、インターコープ宣教会の研修施設「BTJヨルバンセンター」で法律に違反して関係者らが大規模集会を行なった問題でその後、参加者から相次いで新型コロナウイルスの感染が確認されました。防疫センターや自治体、地元警察は現在も調査を進めているがインターコープ側の非協力的な対応に苦慮しています。代表の崔パウロ氏と直接会い、異端性を含め調査を続けてきたキリスト教界の専門家たちは、フェイクニュースを発信し、聖書を歪曲してきた事実について改めて「宣教の働きを閉ざす人物」と強く非難しました。また、「インターコープについて教団として参加禁止など措置を取っている韓国教会は問題を整理して厳しく対応すべき」と主張しました。

ソン・ジュヨル記者がお伝えします。

2015年7月、崔パウロ氏(中央)がインドの仏教寺院で起こした「地清め」事件について記者に釈明する様子(画像:CBSノーカットニュース)

〔記者〕崔氏は昨年の7月、関連する教会の説教で「ビル・ゲイツら技術開発者は“ビッグヒストリープロジェクト”という名で世界中の教育と社会体制を変革させようと計画している」と主張、このプロジェクトにより人類は統制されると発言しました。

さらに「実は2015年、つまり5年前の3月にビル・ゲイツとその財団が世界的カンファレンスで“今後人類を脅かすのは核兵器ではなく、コロナウイルスだ。今、われわれが人類最大の脅威であるコロナに対抗する準備をしなければならない”と発言。DNA操作により人間はビル・ゲイツら新政府機関に絶対服従することになる」という陰謀論を語ったのです。

〔インターコープ宣教会代表崔パウロ氏本人の声〕2020年7月録音

「DNAを操作して絶対服従する恐怖さえ感じない、このようなワクチンを接種すれば世界は何がなんでも彼(ビル・ゲイツ氏)の奴隷になります」

〔記者〕2015年にビル・ゲイツ氏が講演して“人類が新型ウイルス出現に備え、新しいワクチンを開発する必要があると語ったことは事実です。しかし、それが新型コロナウイルスであるとは言及せず、このような(崔パウロ氏が主張したような)プロジェクトについても一言も触れていませんでした。

〔インタビュー〕チョウ・ミドゥム氏 異端カルト問題専門サイトパルンメディア代表

(崔パウロ氏の発言は)事実上、聖書の解釈も間違いで発言そのものが非科学的だと言えます。なによりフェイクニュースを根拠に語っているのでまったく信用できません。インターコープ宣教会というのは、10年も前からヨハネの黙示録に出てくる預言的シンボルを取上げて、世界を統治する国際的な計画があると主張してきました。666電子監視システム(*)についてもずっと同じ主張を繰り返しています」

*666電子管理システムとは=国際政府組織が秘密裏に人類の体内に埋め込む監視装置。十数年前から様々な宗教、団体が陰謀論の一環として取上げてきた。現在、これを事実とする証拠はない。

〔記者〕このように異端的な神学思想とBTJ、バック・トゥー・エルサレムを目指す攻撃的な宣教スタイルにより、大韓イエス教長老会合同、統合、高神、合神総会などから「交流禁止」、「参加禁止」、「鋭意注視」など総会決議による制裁を受けています。異端研究の専門家たちは崔パウロ氏の陰謀論はコロナウイルスにシフトされただけで今まで通りのやり方だと述べています。

〔インタビュー〕ソ・ヨングク牧師(大韓イエス教長老会高神異端研究所所長・韓国基督教異端相談所協会カンブク支部所長)

(BTJヨルバンセンター集会参加者が)去年の11月の集会でもヨハネの黙示録に出てくる666が電子監視システムだと主張していました。あれは医療器具の一つにすぎませんが、それにより人間が地獄に落ちるとか、獣になるとか、遠隔操作された機械人間になるとか、話す内容に合理性がないということです」

〔インタビュー〕チョウ・ミドゥム氏 異端カルト問題専門サイトパルンメディア代表

「陰謀論に基づいた極端なディスペンセーション神学(世代主義)の終末思想ですね。ヨハネの黙示録に登場する現象や比喩(ひゆ)を時代ごとに解釈する教えなのですが、陰謀論というものは常に情勢が不安定で個人が答えを見いだせない心理状況に陥った時、勢いを増すものなのです」

〔記者〕異端研究の専門家たちはインターコープが関連施設で起こしたコロナの集団感染について謝罪したことを、あれは本心ではないと疑っています。専門家らは、キリスト教界はもとより社会に対しても迷惑をかけているインターコープに関して明確な謝罪が必要な段階に来ていると強調しています。

韓国教会は7年前にインターコープの崔パウロ氏に対する公開討論会を開きました。当時、激しい議論が展開されたものの、最終的には崔氏の言葉に耳を傾けようと追及はそれ以上行なわれませんでした。温情的な措置が取られたのです。その結果が現在の混乱だと思います。反省すべき点です。

〔インタビュー〕 崔三卿牧師(教会と信仰編集長)

意図的にフェイクニュースを作ったのです。あの研修会では参会者に携帯の電源を切らせました。こんなやり方は結果的に新天地と何の違いがあるのかと批判を受けても仕方がないことです。崔パウロ氏は韓国教会の弁護を必要としていますが、彼は韓国教会を破壊する人物です。

〔記者〕今回の陰謀論を受け、インターコープ関係者はコロナウイルスとビル・ゲイツの関連性を主張する代表の発言について「よく知らない」と否定しました。また「崔代表はどこにいるのかわからない。PCR検査を受けたかどうかも知らない」と答えました。

CBSニュースのソン・ジュヨルでした。