韓国のネットフリックスで３月３日から配信が開始された異端・カルト教祖の動画ドキュメンタリー番組「すべては神のために：裏切られた信仰」が大きな話題となっている。８話のシリーズが一斉配信され、１～３が摂理（キリスト教福音宣教会＝JMS）の鄭明析（チョン・ミョンソク）、４が五大洋事件の朴順子（パク・スンジャ）、５～６がアガドンサンのキム・ギスン、７～８が万民中央教会の李載禄（イ・ジェロク）。いずれも、自らを「再臨のメシア」「中心者」「聖霊」などと自称し、信者への性暴力事件や殺人事件、集団死事件などで社会を騒がせてきた。
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番組は、元信者らの戦慄の証言を元に各教祖による被害の実態を映し出し、カルトの闇を告発。韓国メディアはこの番組の衝撃を報じた。中央日報は３月６日、「女性1万人と性関係、天の命令」の見出しで、JMSの総裁・鄭明析による性被害を受けた香港の女性メープルさんが公開した録音ファイルの波紋などを伝えた。鄭明析は複数の女性信者への性暴力により2009年に懲役10年の有罪判決を受け服役。2018年に満期出所後にも準強姦容疑で再び逮捕、昨年10月に起訴されている。
中央日報は「『すべては神のために』の放送までも紆余曲折が多かった」として、JMS側が、現在裁判が進行中の内容をドキュメンタリーに入れるのは無罪推定の原則に反し宗教の自由を毀損する、として放送禁止の仮処分を申請したが棄却された経緯を伝えている。
韓国国民日報は、「国内の異端・カルト団体の弊害を赤裸々に告発したプログラムが高い関心を集め、異端・カルトに対する厳正な対処を促す声も高まっている」として、同番組が６日現在、ネットフリックスの国内人気番組の１位に上がったことを報じた。そして、視聴者からの「異端と規定する根拠は何か」という質問を受けて、「正統教会の教理と異端・カルトの教理の違いを明確に知らせる必要がある」と専門家たちが口をそろえて語ったというコメントも紹介している。
また同シリーズの公開をYouTubeで伝えた「パウロTV」の番組は、３日で2万回再生された。
「すべては神のために」１～８の番組紹介は以下のとおり。
- 摂理、神の花嫁（52分）
預言と治癒力を売り物に何千人もの信者を集めたチョン・ミョンソク。しかし、かつて教祖と親しかった女性たちの口から、闇に埋もれていた汚れた真実が暴露される。 - 国際指名手配犯の救世主（51分）
チョン・ミョンソクから暴行を受けた被害者たちが声を上げ始め、チョンは逃亡。教祖が海外で活動を続ける一方、彼を敵に回した者たちには凄惨な制裁が待ち受ける。 - 電子アンクレットを装着した救世主（52分）
中国で逮捕されたチョン・ミョンソクは、実刑判決を受けて服役。しかし、彼は出所後もおぞましい犯罪を繰り返していたという事実が元信者たちの口から語られる。 - 五大洋、神と32人の死体（71分）
工場の天井裏で会社社長パク・スンジャと31人の遺体が発見される。表面的には優良企業と見なされていた彼女の会社に疑惑の目が向けられ、事件の真相を突き止めるべく警察の捜査が入る。 - 天国への道（42分）
権力を掌握するチャンスをとらえ、新興宗教団体アガドンサンを立ち上げたキム・ギスン。元信者たちの証言から、教団内部で行われていたおぞましい蛮行の数々が明らかになる。 - 死の園（39分）
アガドンサンで複数の殺人事件があったという報告を受け、本格的な捜査が始まる。検察はキム・ギスンを起訴するものの、証人の供述に一貫性がないため裁判は難航する。 - 万民の神になった男（40分）
病やけがからの奇跡的な回復をもたらす治癒能力が話題になり、イ・ジェロク牧師率いる万民（マンミン）中央教会の信者数は急増。次第に海外でもその影響力は高まっていく。 - 刑務所行きとなった万民の神（45分）
教会が成長を続けるなか、イ・ジェロクは過激な献金と贈り物を信者に要求し始める。その後、性的暴行疑惑が浮上し、イ牧師は裁判にかけられることになる。
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摂理（キリスト教福音宣教会＝JMS）
五大洋関連（救援派＝クオンパ「キリスト教福音浸礼会」）
万民中央教会
