中国の支援団体「大愛ネットワーク」が声明を発表 国際的な協力を呼びかけ

本紙と提携関係にある香港最大のカルト問題専門メディア「CGNER」から中国発祥の邪教(カルト)で世界的に広がりを見せている全能神教会(略称=CAG)について新しい情報が寄せられた。CGNER(新興宗教関注事工)とは香港でキリスト教カルト問題に取り組む大学教授や牧師、専門家らで運営する研究機関。中国系、韓国系異端・カルトに関する書籍の販売やメディア運営、被害者支援にも積極的に取り組んでいる。CGNERは1月27日付けで発表された中国の全能神教会被害者家族支援団体「大愛ネットワーク」の声明をサイトに掲載。本紙にも協力の呼びかけを求めた。

カルト集団「全能神教会」から被害を受けた家族からの手紙

 私たち全能神教会被害者支援団体「大きな愛のネットワーク」は創設以来、全能神に入信して行方不明になった信者(家族・友人)の捜索を国際的な協力を得ながら続けてきました。そして救出などよい成果を得ることができました。海外でカルト問題を扱うメディアとキリスト教異端に詳しい専門家からも評価いただきました。今日まで国内外で十数の団体と関係を築き、全能神の問題を多くの方に知っていただくため広報活動にも取り組んでいます。

 本サイトに掲載される情報や被害者家族が寄せた手紙は必ず、どこかで暮らす信者の目に留まっていると信じています。私たちは被害者家族を励まし支え、入信した人の脱会とその後のケアにも力を注いでいます。皆さん、全能神教会は多くの家庭を崩壊させました。入信すると突然行方不明になってしまいます。家庭、社会から引き離し、彼らの思想と価値観の中で生活させようとします。また海外に渡り、偽の難民申請を行なってそれを理由に長期不法滞在を続けています。信者たちはアルバイトもできず、農場などで隠れて働いています。教会側が行動を厳しく制限しているのです。経済的にも苦しい状態です。韓国では新型コロナウイルスの蔓延防止の観点から防疫当局が全能神の施設に立ち入り検査を求めていますが頑なに拒否しています。安全上、多くの問題が懸念されます。非常事態の中、幹部信者らは信者の人権にはまったく無関心で絶対に脱会させまいと恐怖心を煽っています。入信して家出すると戻れなくなる恐ろしい宗教です。

「賢者と会えば偽りはなくなる」ということわざが中国にはあります。正しい情報を知る人に出会えれば本物か偽物かを見分けられるという意味です。引き裂かれた家族関係をなんとしても取り戻したいのです。諦めず、メッセージを発信し続け、温かい言葉、帰って来られる場所を用意して待っています。カルト宗教「全能神」から抜けてほしいと強く願います。

私たちのメールボックス [email protected]

本団体は被害状況を正確に知るために情報提供をお願いしています。また、家族、友人からの「被害報告」をメールで受けつけています。文字数は800文字以上、具体的に書いて下さい。希望される方は無料でそれをサイトに掲載します。すべての家庭にもう一度笑顔が戻ることを期待しています。

觉醒者联盟

大愛ネットワーク

2021年1月27日

 

全能神は中国発祥のキリスト教を模したカルト宗教

全能神教会(以下、全能神)は中国人の趙維山(チョウ・ウェンシャン)氏が設立し、楊向彬(ヤン・シャンビン)という女性を中国大陸に再臨したキリストと崇める宗教団体だ。教団設立者で事実上の指導者である趙氏は聖書の終末論を引用した「神の経営」という経典を通して、楊氏をキリストと信じる自分たちを「正義(真のクリスチャン)」とし、中国政府(共産党)をサタン(悪魔・龍)と教える。社会を敵だと信じさせ、特に貧困層を中心に急速に発展を遂げた。趙氏は社会の不満を利用して求心力を高めたと言われている。教えに支配された中国人信者らは入信を拒む地元住民を脅し、ときに暴行を加えたこともあるという。殺人事件も起こしているほどだ。

香港の研究家は「全能神は中国政府を批判し、自分たちが迫害され暴力を受けていると主張するが事実ではない。迫害という言葉を利用して同情を買い、悲劇的なキリスト教徒を装っている。全能神も信者同士で監視し、密告する厳しい環境の中で生活している。社会主義から生まれた宗教は、結局のところ同じ思想で相手を統制するのだ」と批判している。全能神の宗教的背景や活動については本紙が【特集】「終わりの日のキリストは中国に出現」中国発祥カルト教団 全能神教会、活動の実態(2019年12月21日号)で詳しく報じている。 https://cult110.info/zennoushin-kyoukai-chinese-cult/kyoukai-htm/

全能神教会被害者支援団体「大愛ネットワーク」が伝えたいこと

今回、声明を発表した支援団体「大愛ネットワーク」は韓国や欧米のメディアと連携し、カルト問題に取り組む団体宛に「声明文」を配信し協力を呼びかけた。団体と協力関係にあるCGNERによれば「入信すると瞬く間に洗脳され、社会ばかりか自分の家族まで敵とみなし、行き先を告げずに家出してしまうケースが後を絶たない」という。信者は共同生活をしているが居場所を特定できないように隠れて暮らしている。学業放棄する若者も多く、家庭を捨てて失踪してしまう母親もいる。全能神は中国がサタンに支配されていると信じるため、その戦いに備えるという口実で信者は海外に渡り、現地で新しいコミュニティーを確立しようとしている。

韓国の異端問題専門誌「現代宗教」によれば、信者らは「観光目的」で入国するがその後、現地のブローカーや教会側に雇われた弁護士を利用して虚偽の難民申請を行ない、それを理由に不法滞在を続けているという。ここ数年、韓国に大量入国し、難民申請が認められないとわかると現地信者が購入したホテル跡地などに集団生活をして「人権侵害反対」「中国による宗教弾圧に反対する」などと抗議している。自治体は説得を続けているが抵抗されるため打つ手がない状態だ。信者は働くことができないため人権派の民間団体から支援を受けたり、違法にアルバイトをしたりして生活しているが衛生状態が悪く、さまざまな面で問題となっている。最近は中国から被害者家族が韓国を訪れ、信者の居住区前で「中国に戻り一緒に暮らそう」などと呼びかけている。

全能神は日本国内でも急速に信者を増やしている状態だ。本紙が取材したところ、信仰心の強い日本人信者がネットを使い勧誘後に教育を行なっている。日本ではまだ活動基盤を築く過程の段階と思われるが、去年よりも遙かに日本人信者が増えたことが確認できる。日本語版の公式サイトも配信され、アクセスすると自動的にチャット機能を介して信者とやり取りができる。また教理も自由に閲覧できるようになった。ただし、いつ、どこで誰が集会を開いているのか、その実態は謎のままだ。韓国では建物としての教会を運営しているが、日本では埼玉県東川口に本部を構えるのみ。地下組織として隠れて活動している。

教会に潜入してターゲットを絞り勧誘するパターン

全能神の布教先はほとんどが既成教会だ。手法は新天地によく似ているが新天地ほど長期間とどまらず、短期間で効率よく信者を引き抜いていくのが特徴だ。実際に被害に遭った教会からの相談が多く寄せられている。首都圏にかぎらず全国の教会に勧誘目的の信者が派遣されていると思われ、最近は中国人ばかりでなく日本人の信者も確認されている。入信すると人が変わったように気性が荒くなり、今まで言ったこともないような暴言を批判する相手に吐くことから入信した信者家族は対応に苦慮しているのが現状だ。

一般人に対しては人権というワードを利用して積極的に勧誘を続けている。中国の人権問題に高い関心を持つ人をメインにSNSで接点をもったり、カルト宗教を擁護する報道を続けるオンラインメディア「Bitter Winter」などの影響を受けた人物とオンライン上で交流し勉強会を開いている。韓国では女性信者によるハニートラップも確認されており、日本でも関与を疑う事例が報告されている。また出会い系サイトや異文化交流アプリにも全能神信者の中国籍の女性が登録していることから勧誘方法は多岐にわたると考えられる。手段を選ばないと言っても過言ではないだろう。留学生にも信者がいることから今後大学内での勧誘も活発になると思われる。

韓国系異端・カルトほど緻密で計画性はないものの、大胆な手口で確実にターゲットを入信まで誘導してしまう。ファーストコンタクトから入信までの期間が短く、教えに深入りすると人が変わったように暴言を吐いたり、悪態をつくことも多い。韓国ほど活動が表面的ではないにせよ、在日中国人ネットワークで勢いを増す全能神教会。過激な思想をもつだけに決して侮らないでほしい。