二代目再臨のメシア韓鶴子氏の権力を誇示か 新しい建物を次々に公開 今問われる読者の判断

自称再臨のメシアとして信仰される韓鶴子(ハン・ハクジャ)氏が率いる旧・統一協会(正式名称=天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合)。教団メディアとして有名な世界日報が本社を移転することを発表した。「再臨のメシア」とされていた文鮮明氏の死後、妻の鶴子氏に権力が移行されてから次々と新しい建物を建設している。この財源も多くが日本人信者から集めた献金(関係者談)だという。

2020年10月末に移転予定の世界日報新本社(画像:世界日報)

龍山(ヨンサン)地区にそびえ立つ34階建てのセントラルパークタワーは22階から33階まで統一協会が所有し、31階から33階を世界日報がオフィスとして利用する。残りは一般に貸し出す模様だ。

内部事情に詳しい人物によれば「1988年に韓国のある高校が移転することになって大手のロッテと統一系の財団が土地購入を巡り争った結果、統一が購入した」という。現在、ビル全体を統一協会が所有していない可能性もある、ともいう。

世界日報は主に政治的に右派の言説に立ち、反共主義を掲げている。日本語版も自民党など政界の動きを取上げている。宗教色はほとんどうかがわせないが、韓国カルトが自前のメディアを持つようになった先駆けが統一協会だといえる。こうしたカルトのメディアについてクリスチャンはどう向き合うべきなのだろうか? 良い情報だから気にしない、異端やカルトらしい雰囲気はないから問題ない、といった声も聞こえてくる。

韓国のキリスト教メディアは次のように注意を促している。「カルトであろうと社会的信用を得るためなら良い記事を出してくる。これからは読者の判断と分別が求められる」(韓国パルンメディア)。これからの時代は正確な情報をいかに得ていくかだろう。善意であれ楽観視であれ、関わることで喜ぶのは見えない団体の教祖だけなのだから。