動画説教、批判的な内容が多く違和感 韓国側で警戒感強まる

SOS TV設立者カン・ビョングク氏 (インターネット画面撮影)

超教派宣教運動として活動を広めるSOSTV(エスオーエスティービー)という名前を聞いたことはないだろうか。1985年に韓国で創設されたという同団体は韓国人のカン・ビョンググ氏が代表を務め「宗教改革を完成させるための運動」を掲げ活動している。日本では2011年頃から諸教会宛にSOSTVのパンフレットや書籍が送られはじめた。

当時から「この団体はどのようなところなのか?」と疑問の声があがっていた。韓国での活動が中心ではあるが日本でも年々影響を持つようになってきた。国内の本部は千葉県にある。

この教えを採用したサイトやブログも目立つ。本紙に寄せられる相談でも「SOSTVの説教に深く感動したという友人がいるが大丈夫でしょうか」「このTVは一体どんなところですか?」と聞かれることが多くなってきた。もちろん相談者は「異端か否か」を一番気にしているようだ。そこでSOSTVの実態がどのようなものか韓国主要キリスト教団のひとつ大韓イエス教長老会高神派(コシン)が2009年第59回総会で規定した評価を紹介したい。この団体は「異端性がある」と結論付けている。以下は提携メディアである「キリスト教ポータルニュース」の記事を翻訳したものである。

日本版SOSTVのサイト(公式サイトから引用)

SOSTV「生涯の光」(http://www.sostv.net)設立者カン・ビョングク氏に対し韓国主要教団のひとつ大韓イエス教長老会高神派が2009年第59回総会で「極めて危険な主張をしている」「SOSTVのカン・ビョングク氏は異端性がある」と規定した。高神派はSOSTVのカン氏が聖書の予定論、救済論に反する思想を伝えている。いわゆる正統教会が教派を超え受け入れてきた「原罪」の教理まで否定していると指摘した。

高神派のキリスト教研究委員会(委員長=チョ・ヨンホ牧師)の報告書はカン氏に対し「SOSTVのカン・ビョングク氏は米国に本部を置き、韓国に支部団体をもっている」「カン氏は生涯の光が発行する月刊誌『Survivors 生き残る人々』を通じて既成教会の牧師に近づき誤った思想を植え付ける者である」とし、「高神派の総会はカン氏の思想に異端性があると規定した上で信者が惑わされることがないよう注意していくべきである」と報告した。

カン氏の思想はインターネットのホームページwww.sostv.netとYouTubeを通じて広がっている。高神派が2009年に決議した「報告書」だが現在もSOSTVやカン氏のサイトついて問い合わせが多く入る。よって全文を公開する。

大韓イエス教長老会高神総会(2009年第59回)SOSTV創設者カン・ビョンググ氏に対する研究報告書

カン氏のSOSTVは米国に本部を置き、韓国に支部をもつ。生涯の光で発行する月刊誌「Survivors 生き残る人々」を通じてこれまで韓国教会の牧師に近づき、誤った教えと思想を伝えてきた人物だ。カン氏は放送説教を通じて在米韓国人にも知られる存在となり継続して韓国でも一定の影響力を行使しており、私たち高神派の教団牧師から引き続き問題視する情報提供が行なわれたので研究に着手することになった。カン氏は自身の信仰歴(出身教会等)を明らかにしていないがセブンスデーアドベンチスト出身だと考えられている。調査した結果、カン氏について深刻な問題点が確認された。その問題となる思想はどのようなものなのだろうか?

 1 聖書の原罪を否定している

カン氏は一般の教会が信じる神学的立場「原罪」を否定している。彼は、人間は原罪をもって生まれてこないと教えている。原罪を否定しながら次のように述べている。詩編51:5~10の内容から「ヘブライ原典の聖書には原罪について何も言及されていません。この節はダビデが原罪をもって生まれたという思想を一切認めていません。」このようにカン氏は原罪思想を否定した。ただ、カン氏は「人間は原罪ではなく罪の性質をもって生まれ神から遠くへ去ろうとする本質的な傾向がある。生まれ変わらなかった人間は自然と罪を犯すようになり神からより遠ざかる」と主張している。

カン氏の主張では出エジプト記32:33とエゼキエル書18:20を引用しながら「この聖書箇所は原罪という神学的教理を強く否定している。神は祖先が犯した罪によって人間を罪人として裁くことはありません」と説明する。 

カン氏の原罪否定思想は間違いである。ウェストミンスター信仰白書6章ではアダムとエバが全人類の祖先であり、彼らから生まれたすべての子孫にこの罪が転嫁され同一の罪により死と腐敗した性質が遺伝されたと記録されている。 

2 カルヴァン主義「予定論」の否定

カン氏は高神教団の神学では受け入れられないカルヴァン主義の予定論をむしろ否定している。否定しながらもカン氏が主張する予定論とは‟神が予め救うべき者と滅びに至る者と予定された”というのではなく、すべての人が救われることを望むという予定論なのだとしながら次のように説明している。

「今日、あるキリスト教徒が予め神によって救いを受ける者として予定されていたのだと信じることは神の不公正さを示すことになる。予定論とは中世にアウグスティヌスによって初めて世に語られた時から次のような疑問とぶつかってきた。しかし、聖書は明確に神の予定を語っている。聖書は一つだ。語られる予定はすべての人が救いを受けることである。だから誰でも主を信じれば救われるようにと御子イエス・キリストを送ってくださったのだ」

3 誤った救い観
救われた者も救いを失うことがあると教えている。

カン氏は「救われた者も救いを再び失うことがある」と教えている。第一コリント11:29を引用している。

カン氏はこう続く。「一度救われたら永遠に救われるという考えはサタン的だ」と説く。そしてこの救い論をサタンの理論だと教えている。「人間の救いは条件的です。ほとんどのクリスチャンは一度救われたら永遠に救われるという理論がサタンから来ており、自由主義神学と関連があることに気付いていません。なぜなら、そのような教えが微妙なニュアンスでかつ巧妙な方法で諸教会に伝わっているからです。私たちが罪に勝つか勝てないかを問わず結局は救われると信じている人は「一度救われると永遠に救われる」というサタンからの嘘を認めてしまっているのです」

教会が”神の印(しるし)”を受けてこそ救われるという。

カン氏は人が主イエス・キリストを信じてこそ救われるという教えから脱して「今日、教会が神の印を受け入れなければならない」と主張している。すなわち、カン氏は「救われた人も神の印を受けなければ、救いを失うことがある」という教えを伝えている。これは誤りである。信仰で救われると主張せず、「神の品性を持つ人々だけが神の印を受け救われる」と教える。カン氏の主張はローマ書1:17、3:22と25、30、4:11、16などで教える信仰義認を否定していることになる。

彼は次のようにも述べている。「教会は神の印を受けなければならない」エゼキエル書9章1、3から6節を見ると神の民だった印を利用する姿が書かれている。教会は神の印を受けなければならない。神の印を受けられない人は厳密に言えば神の子どもではない。いくら教会員を増やし宣教事業に多く献金しても、その人柄と生活が神の品性に似ない人は神の印を受けられず、印を受けられないとは救いを失うことを意味する」

結論

以上のことから分かるようにカン・ビョングク氏は本教団の神学的立場である「予定論」と「救援論」(救い)に反する思想を伝えるだけではなく、歴史的正統教会が教団教派を超え受け入れてきた「原罪」の教理まで否定するなど教会が容認できない極めて危険な主張を続けていることから本教団総会でSOSTV創設者のカン氏に「異端性あり」と決議の上で規定し、信徒たちも惑わされることがないよう強く求める。

出典:キリスト教ポータルニュース

 

編集部より

本記事は韓国の主要キリスト教団の一つ「大韓イエス教長老会高神派」の異端研究資料と総会決議に基づく見解を紹介しました。SOSTVの説く教理が「異端」であると規定されたわけではなく「異端性がある」と高神教団は規定しました。一方で「極めて危険な・・・」という評価も下しています。韓国メディアはSOSTVの問題点を詳細にわたり取上げています。今後、読者の皆さまにそれら情報をできるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。