増え続ける・・・大邱市長「深刻な事態」・・・感染を恐れ町は閑散。「新天地の信者に電話調査・・・1001人中、90人が要検査」地元の学校新学期遅らせる方針 新天地が感染源か。対応急がれる。

新天地は床に座り信者同士が密集した中で教祖の教えを仰ぐ礼拝スタイルが特徴だ。このスタイルが新型コロナ感染拡大につながったと専門家は指摘する。現在全国の新天地教会は閉鎖している。

数日間で一気に感染拡大 韓国は感染者数ワースト2位へ

韓国では新型コロナウイルス感染の勢いが止まらない。20日の発表からまた増えて21日現在204人(午後17時)の感染が確認された。新たに一日で100人が追加されたことになる。そのうち、慶尚北道の大邱(テグ)市だけで今日まで126名の感染が確認された。午後発表の最新情報によると全国の新天地関係者だけで144人が感染したことが明らかになった。多くは18日に陽性反応が出た31番目感染者女性(新天地信者60代)が感染源だと考えられている。午前発表では大邱市内だけで新天地信者80人以上の感染が報告されていた。今後さらに増える見通しだ。

韓国全土の感染者の70%は新天地関係者だと報じられた。

大邱市内の新天地大邱教会に通う60代女性信者は2月7日に体調を崩したものの病院でコロナ検査を拒否した。9日、16日に礼拝に出席し18日に陽性反応。女性は保健当局によって指定病院に隔離、韓国で31番目の感染者に指定された。しかし、問題はこのあとに起きた。この女性と関連する市内の「新天地・大邱教会」(正式名称:新天地イエス教証拠(あかしの)幕屋聖殿)の信者らが次々と新型コロナに感染したことが判明。その数は144人まで膨れ上がった。大邱市保健当局は、感染拡大の原因は新天地教会(関連)が感染源の可能性が高いと考え対応に追われている。

新天地は偽装して活動する秘密主義の異端(カルト)教団

新天地とは教祖イ・マニ氏がこの時代の救い主(メシア)と信奉される宗教団体で、韓国の主要キリスト教団から「異端」と規定されている。新天地は入信後、核心的な信者になると身分を偽り、いわゆる一般のプロテスタント、カトリック教会に派遣され、教会内の人間関係を破壊し、教会を乗っ取るグループとして依然から警戒されてきた。

今回、大邱市の女性(60代、新天地信者)は新型コロナに感染したものの当初、病院の検査を拒んでいた。新天地側の過失が明るみになることを恐れたからとみられる。また、感染予防のためマスクをつけている信者には「外す」ように指示していたことも明らかになった。教祖(神)の前だからという理由のようだ。

教祖が信者宛に発信したという内部のメール通知(画像:CBSノーカットニュースより)

教祖が信者向けにメッセージ「悪魔がやったこと」韓国社会で批判必至

教祖イ・マニ(89歳)はこの事態を受け、幹部信者らにメッセージを送っていたことも明らかになった。「今回の病魔事件はわれわれ新天地の急成長を悪魔が阻止するために行ったものである。ヨブ(聖書に登場する人物)の試練のように我々の発展を破壊するつもりだろう」「我々は神の種から生まれた神の子であり神の家族」「すべての試練に迷うことなく勝ちましょう」と書かれていた。さらに教祖は施設が閉鎖されてもオンライン会議は継続するよう指示した。「私たちの故郷は天国」と締めくくった。この無責任な発言は韓国社会で大きな批判に発展するものと思われる。

続々と信者が感染していく中、新天地は全国の教会を表向きは閉鎖した。「感染拡大」を防ぐことが目的としているが部外者以外立ち入り禁止とし、ICカードをもつ関係者のみ出入りしている状況だという。礼拝も非公開で信者のみ見られるかたちでネット中継されたという。今回の事態を通して教団がもつ「秘密主義」の実態も浮き彫りになった。現在も教会周辺は保健当局による消毒が行われている。

新天地の教会内の様子。床に座り試験を受けている。

中国武漢市にも新天地が教会を設立

新天地は様々な教会や団体に身分を偽った信者を宗教的工作活動のために派遣しており、今後韓国の教会を中心に新型コロナ感染が急速に広がる可能性が懸念される。異端、カルトとして社会問題にも発展しつつある新天地が皮肉にも新型コロナ感染症の感染源になったことで、この教団のさまざまな問題がクローズアップされる可能性が出てきた。

専門家は「新天地は床に座り、信者同士も密着した環境で礼拝をする。この環境が新型コロナ感染拡大につながった可能性がある」と述べる。別の専門家は「社会性に欠ける秘密主義の教団なのでもともと危機管理という感覚がない」と批判している。21日午前の報道では「新天地から広がった新型コロナ感染は100人をゆうに超えるかもしれない」とされていたが予想を上回る感染拡大に国民も不安の色を隠せない。

また、最新の情報によると2019年、新天地は中国武漢市に神殿を建設していたこともわかった。多くの韓国人信者が現地に渡り活動している模様だ。また、韓国でこの感染により入院し死亡した患者も「新天地と関係している可能性が高い」とする報道が流れている。

大邱市長 緊急対策へ 新天地信者90名が要検査状態

大邱市権泳臻(クォン・ヨンジン)市長は2月20日午前に開かれた定例会見で「大邱市内だけで新天地教会に通う23人が感染確認された」と明らかにした。この会見後、さらに増加している。クォン市長は「新天地の信者1001人を対象に電話調査を行った。90人が要検査と考えている。515人は異常ないと答えた」と述べ、「残り396人に連絡がつかない。引き続き確認を急ぐ」と報告した。

そこら中に潜伏している新天地信者 大感染に発展する恐れも

クォン市長は新天地大邱教会に対して「すべての信者の外出禁止、室内でのマスク着用、隔離」を求めたことも明らかにした。この地域で感染が拡大する深刻な段階にあるため新天地信者を対象にした相談窓口も設置する予定だという。しかし、現地の教会関係者からは「新天地信者が自宅から出ないとは考えにくい。韓国中の教会に派遣された人間が隠れている」と不安視する声があがっているという。

新天地の教祖イ・マニ氏(手前)信者は身分を偽り「偽装工作」を行うよう教育される。(画像:CBSノーカットニュース)

新天地は創設以来最大の危機に直面している。先日、教祖の元愛人で事実上ナンバーツーと崇拝されたキム・ナミ氏が、教祖の私生活や新天地の問題を動画サイトを通じて暴露し注目を集めた。皮肉にも新型コロナ感染という第二の痛手を負ったかたちだ。

新天地崩壊が現実味を帯びてきた 死なない教祖神話どうなる?

「死なない」(肉体永生)と信じられている教祖も、もはや89歳という高齢で自力で歩けないという。一部から教祖が感染するのは時間の問題ではないかという指摘もある。韓国教会が警戒してきた「新天地崩壊」がはじまる現実味を帯びてきた。

韓国の感染者を確認、追跡できるアプリ「コロナマップ」。患者の立ち寄った場所、現在位置までリアルタイムで確認できる。プライバシーの侵害だと批判する声も多い。新天地メンバーの動きも確認できる。

日本でも要警戒 早稲田大学周辺は新天地の温床状態 韓国の新天地メンバーが韓国、中国から来日、出入りも頻繁

新天地は「就職あっせん」「留学生相談」と称した偽装セミナーを開催したり、心理学講座、文化交流会の名目で学生を中心に勧誘し、教会であることを隠したビル内でイ・マニ氏を神格化させる独自の聖書講義を行っている。韓国だけでなく世界中でこの活動は活発化している。日本でも早稲田大学のすぐ近くにある某ビル(3階、4階)でさまざまなイベントを口実に学生を勧誘し、新天地の教理を広めていることが確認されている。また、リーダー格の韓国人、中国人信者の出入りが激しく、特に韓国の新天地教会からメンバーが派遣されている可能性も否めない。

正確な情報をもとに適切な危機管理が求められる。

一方で、勧誘された日本人が信者から精神的虐待を受けた、言葉の暴力を受けたとする被害相談が入り始めている。拠点には韓国人、中国人だけで十数人が昼夜問わず出入りしている。日本の新天地が新型コロナ感染とすぐに関連するとは断定できないが、このような問題が起きた場合、隠れて活動するカルト教団の「反社会的な体質」が事態を深刻化させていく可能性がある。

 

一時的に通った受講生から精神的被害を訴える相談が出始めている。東京新宿区の某ビル内にある新天地の教会。彼らは新天地であることを否定し実態を隠している。ビル内には信者も暮らしている。(追記:現在3階、4階は新型コロナ感染防止を理由に閉鎖されている。25日確認)

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