MBC実話探査隊「コロナと新天地」衝撃の実態取材~ 教団の指示で離婚 家庭崩壊も

MBC探査番組「実話探査隊」は今年6月3日、新型コロナによる集団感染で問題を起こした大邱(大邱)の集合住宅と、新天地によって離婚訴訟を起こした光州広域市のあるアパートを取材して放送した。 なぜ大邱でコロナの集団感染が発生したのか、それによる被害は何か、被害者に直接会ってその話を聞いてみた。

コロナ集団感染後、新天地信者が密集して生活していることが発覚した集合住宅。赤色のマークが信者の住まいだ。(画像:MBC)

集合住宅で住民224人が新型コロナに感染した町

大邱(テグ)にある集合住宅で224人もの住民が新型コロナに感染した。防疫センターの検査の結果、そのうち、204人の住民が新天地の信者だと判明した。すぐ近くには信者が通う新天地大邱教会(タダイ支派所属)がある。コロナ感染拡大で韓国中から注目されることになった「あの教会」である。「こんなに多くの感染者が近くにいたとは・・・。」近隣住民に不安が広がった。教会の近くで美容室を経営するAさんは「この町は新天地信者で溢れている。店を開けておくのも不安だ」とつぶやく。「信者たちはマンション(ワンルーム)の一部屋に3、4人で生活している。生活が苦しそうに見えた」とも述べた。

以前、新天地大邱教会を訪問したことがあるというチョン・ミンチョルさんに話しを聞いた。「新天地の教会は信者でない人が入れる日が一日だけあります。それは新天地が伝道目的で解放するのです。私はたまたま誘われて中に入りました」と当時を振り返る。中の様子について「私がイメージしている教会の雰囲気とは全く違いました。信者同士がびっしりと肩を寄せ合いながら床に座っているんです。身動きとれないほどでした。また新興宗教特有の熱狂的な雰囲気が漂っていました。大きな声で賛美し互いにハグするように言われました」と語る。「コロナの集団感染があの教会から起きた理由はわかりますね。礼拝形式にも問題があると思います」。

信者の生活は苦しいようだ。慶北大学近くに住むカンさん(仮名)に取材を試みた。カンさんはこのエリアで担当区域長を務めた元信者だ。「ワンルームの部屋でも家賃を払うのはギリギリでした。収入がないからです。出来るだけ大勢が一緒に住んで皆で家賃を分担していました。6人、7人で住むこともありました」という。信者には様々な規則が設けられていたようだ。「新天地は信者同士の自由な交際は禁止していました。李萬熙(イ・マニ)氏が説教で『あのカボチャでさえ雄花から先に咲く』と語ったことがあります。これには意味があって「ある程度の年齢になるまで結婚は認めない」ということです。男性は30歳、女性は28歳まで信者同士でも交際を認めません。教祖の比喩は都合良く解釈され、それに従わないといけませんでした」と明かす。

また「信者は関連団体に派遣され無報酬で働きました。教えに従って頑張れば、私の3世代先と先祖1,000代まで神から祝福を受けると教育されました」。

信者のカルト思考などを研究している順天郷大学のオ・ユンソンという教授がいる。オ氏は被害者の会大邱代表を務める人物だ。「新天地信者が抱く最高の幸福とは自分と同じ思考に浸っている仲間と日常的に時間を過ごすことだ。結局、それは単なる妄想に過ぎない訳だが、いつか現実に目が覚める時までこのサイクルから容易に抜け出すことはできない」と指摘した。

新天地で起きる家庭崩壊、同時に10件の離婚訴訟が起きたマンション

韓国の全羅南道光州には新天地のペテロ支派がある。国内で最大の規模を誇る4万1000人の信者が登録されているという。ここで想像を絶する悲劇が相次いで起きていた。なんと10世帯が離婚訴訟を起こしていたのだ。いずれも妻が新天地信者、夫は未信者という関係だった。一体何があったのだろうか。妻が新天地信者だというソン・インチョルさんが取材に応じた。「妻が嫌いで離婚したわけではありません」と述べ、「新天地に妄信的にのめり込み、妻は私と暮らす必要がなくなったと突然言い出しました。急に私から暴力を受けた、生活費を払ってくれないと主張し始めたんです。もちろん、私はそんなことをしていません」。夫のソンさんは妻が新天地信者だと直後に知ったという。慌てて妻の母親に相談した。「義母は私が娘を説得する」と約束してくれた。しかし、義母も信者だったのだ。子どもたちは宗教活動で母親が没頭し留守がちなり、精神的に不安定になってしまった。ソンさんは愛する子どもを守るために強引な離婚に渋々応じるしかなかったという。取材班は離婚した妻にインタビューを試みたが拒否された。

光州にある相談所(韓国キリスト教異端相談所協会光州支部)のイム・ウンギ所長は「新天地の信者は同じ集合住宅やエリアに固まって生活する習性がある。離婚問題が立て続けに起きたのはそういう理由からだろう」と指摘した。

新天地に入信後、離婚準備をしたことがあると手をあげる元信者たち(画像:MBC)

新天地妻たち 密かな離婚指示

当番組の制作スタッフは新天地信仰をもっていた元信者4人に面会した。リさん(仮名)は入信して2年後に脱会。他にもリさんつながりで3人の元信者と会って話を聞いた。全員女性である。女性たちは「新天地は組織を守るために家庭より教団を優先させる」と口を揃えて証言した。Bさんは「夫が未信者であることがほとんどです。そのため離婚などに備え、夫に念書を書かせることがあります。」。Cさんは「何かトラブルが起きたときは妻の宗教を認め干渉しないと念書を書かせました」と語った。「新天地のために離婚の準備をしたことはあるか?」との質問には全員が「ある」と答えた。その理由は「宗教活動が忙しく優先しなければならない。そのため離婚を教団から勧められた」と述べた。離婚を勧める宗教とは一体どんなところなのか。

家族を救うために入信した新天地での信仰。皮肉にも自称救い主イ・マニ氏の教えに従ったせいで家庭崩壊が始まったのだ。Bさんは「夫と離婚が早期成立するために教団から風呂場でシャワーの枝で太ももを自分で殴ってあざを作り、その写真を撮って暴行されたと申告しろと指示された」と衝撃的な証言をした。

実際に離婚した信者の妻と離婚したOさんは驚くべき体験を明かした。「妻は新天地本部から(離婚するため)すぐに荷物をまとめなさいと言われたようです。教団の信用を優先するべきだと教育されていました」。妻は言われたとおり荷物をまとめ家を出た。妻の不審な行動に気付いた夫Oさんは妻を必至に探し回った。

Oさんは新天地が用意した車に乗り込もうとする妻を発見した。Oさんは車の前に立ちはだかり阻止した。妻を返せと叫んだ。しかし、信者が運転する車は発進。Oさんは車に引きずられ全治8週間の大けがを負った。「子どもたちはずっと不安そうに泣いていました。こんな状況なのに子どもたちは私を励ましてくれたのです。今も毎日歯を食いしばり生きています」。当時の心境について「妻を失い自殺も考えました。子どもたちは私が必要です。だから今頑張って生活しています」。

Oさんは新天地を提訴した。ところが法廷で妻は新天地を擁護する発言に終始した。妻は警察に被害届けを出し「夫から暴力を受けた。苦しくて知り合いに助けを求めた。新天地に関与したのは夫のこうした問題行為を解決するためだった」とウソをついた。家出した妻は現在も信者らと集団生活をしているという。

新天地に入信し家に戻らなくなった若者は大勢いる。愛する子どもを帰してほしいと訴え続ける家族会の悲痛な叫びが今日も響き渡る。青年の夢は一瞬にして消え去った。若者だけではない。教祖を救い主と崇める妄信的な信仰から家庭崩壊が始まっていた。家族を救いたい、真理を求めたい、その代価がこのような惨状になるとは誰が想像したのだろうか。

組織的に離婚を強要させ、自分の体を傷つけて虚偽の被害届けまで出す。このような宗教を拡大させていけない。これ以上、被害者が出ないよう対処しなければならない。

 

記事引用・現代宗教

 

異端・カルト110番編集部

日本でも新天地の活動は活発です。ところが正体を隠して布教する「偽装布教」が横行し教会の名前も「新天地」と書かれていません。騙された人たちはキリスト教の心理学や歴史の講義を学べると思いアカデミーと呼ばれるセンターに出入りしてしまいます。国内はどこに本部があるのかまだわかっていません。早稲田の新天地教会は本紙が調査を続け、内部資料などから突き止めました。また都内の新天地を経済的に支える「関連事業」も発見しました。韓国同様にビルの住居スペースには何人もの新天地信者が大人数で生活しています。韓国では教祖の取調べが始まりました。幹部信者が日本に逃亡する可能性も指摘されています。