永遠に生きるはずの教祖がみずから「死にたい」。日本の早稲田新天地行方をくらます。離脱者が相次ぐ
8月1日、感染症予防法違反、偽計による公務執行妨害、証拠隠滅指示の疑いで逮捕起訴された李萬熙(イ・マニ)被告(89)は11月4日、水原地方裁判所で8度目の公判にのぞんだ。イ被告は法廷で泣きながら自身の保釈を求めた。イ被告は新天地を(正式名称=新天地イエス教証拠〈あかしの〉幕屋聖殿)総会長として率いている。
拘置所から出廷したイ被告は憔悴しきった様子で「自殺してでもこの苦痛から逃れたい」と懇願した。その上で健康不良を理由に保釈を求めた。現代宗教によるとイ被告は裁判官にむかって「自殺してでも苦痛を逃れたい」と述べたという。この発言は公判を傍聴した記者たちを驚かせた。
イ被告は裁判官に対し「私は公判の途中で命が尽きそうだ。(拘置所の中で)生きていることが言葉で言い尽くせないほど苦しい」と涙し、「生きているより死んだ方がましだ。自殺したい」と語った。イ被告は新天地信者から「肉体も精神も永遠に死なない存在」と信仰され、自身もイエス・キリストの代理人として教団を率いてきた。90歳を迎える小柄な老人は法廷で、二度と自由を味わえないだろう恐怖に怯えきっていた様子だった。教祖の口から「自分は死ぬ」「自殺したい」と語られたことで疑問を抱いた信者が一斉に離脱する可能性も出てきた。キリスト教ポータルニュースによると、イ被告が逮捕されてから24万人いた信者が15万人まで激減したという。「破裂した風船」に例え、新天地の内部崩壊を指摘した。
イ被告は「私は入院していなければいけない立場だ」とも主張した。同日行なわれた裁判では新天地内部の文書管理などを担当していた総本部総務A氏に対する証人尋問が行なわれた。検察はA氏に「防疫当局に提出した偽造信者リストについてイ被告の指示はあったか」と質問したがA氏は否認した。
イ被告の裁判は、幹部級信者らと新型コロナ対策にあたった防疫当局関係者を対象に証人尋問を続けるものと思われる。今後、毎週月曜日と水曜日、週2回の集中審理が行なわれる予定だ。イ被告の保釈申請が認められるかはわかっていない。
日本の早稲田新天地も閉鎖。次の移転先に警戒
本紙(異端・カルト110番)の取材で国内の新天地も窮地に立たされていることがわかった。相次ぐ日本人信者の離脱で資金面も枯渇しているようだ。活動はオンラインに移行され、パスワードを入力しないと参加できない。周囲の警戒の目が強まり、新天地特有の詐欺的手法で一般人を勧誘しにくくなった(脱会者談)。10月中旬頃から早稲田新天地(正式名称=東京シオン教会)に信者の出入りが減り始めた。10月末にはビルの全フロアから撤退。渡り廊下には大量のゴミや書籍が放置されていた。11月に入り、退去したことが確認できた。放置された看板には「大韓イエス教長老会目黒シオン教会」と書かれていた。保守プロテスタント教会を装い以前活動していたものと思われる。本紙は引き続き情報収集し、移転先を突き止める方針だ。大阪と福岡は依然として活動を続けている。
若者を騙し、社会をサタンだと教え洗脳する危険なカルト集団だ。既成教会は腐敗しているなどと内部で教えているが、新天地は韓国主要教団から異端と規定されるグループ。日本でもイ・マニ氏の絶対的な命令のもとに信者は操られている。
教祖イ・マニの口から発せられた「自殺したい」の一言に新天地の終焉を感じる。彼は不死身の救い主ではなかったのだ。