韓国人信者ら1月に武漢へ渡航が確認へ。教祖も感染の疑い強まる。信者ら日本への入国可能性大。教会、大学構内、確認のしようがない信者判別。「地域教会が結束して正しい判断を」「途切れない牧師間のコミュニケーションを」早稲田新天地閉鎖へ・・・

韓国・聯合ニュース(1日)によれば、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は1日、新型コロナウイルス感染拡大の責任を追及するかたちで「新天地イエス教証拠(あかしの)幕屋聖殿」(以下、新天地)李萬煕(イ・マニ)総会長らトップの拘束を求めソウル中央地検に告発する方針を示した。

パク市長は同日午前、「イ・マニ総会長は今回の事態の最高責任者として直ちに問題解決に乗り出してください」というタイトルでフェイスブックに投稿し「イ・マニ総会長をはじめとする新天地指導部が必要な措置を取らなければ、ソウル市は予告通り(被害拡大の)故意による殺人罪などで刑事告発する」と公言していた。

1日夜遅くに、パク市長は自身のフェイスブック上で「新天地のイ・マニ総会長をはじめとする12部の支派長(教区)を殺人、傷害罪と感染症の予防及び管理に関する法律違反の疑いでソウル中央地検に告発しました。」と報告した。事態を重く受け止めたソウル市は新天地のトップらの告発に踏み切った。

また、「イ・マニ総会長など新天地指導部はすぐ出てきて、国民の前で謝罪し、すべての新天地信者たちがすぐに検査を受けられるよう防疫当局に積極的に協力しなければならない」と促した。

18時の聯合ニュースは、新天地本部関係者の発表として、教祖も検査を受けたことを明らかにした。しかし、どこで行なわれたかについては非公開とし、所在も不明である。「まもなく検査結果は明らかにできるかもしれない」と告げた。新たな情報として中国武漢市に韓国から新天地信者らが渡航していたことが確認された。「今年の1月に渡航が確認された」と報じている。

その後、教祖の実兄の葬儀がテナム病院で行なわれてから同病院で新型コロナ感染が一気に拡大していた。韓国メディア各紙は、教祖もすでに感染している疑いが強いとしている。武漢市への渡航については情報が錯綜していたが正式に確認されたことになる。

本紙代表の張清益(日本キリスト教異端相談所協会所長・牧師)は「新天地の信者は今も日本に入国している可能性は十分に考えられる。彼らは日本中にある偽装センターなど活動拠点を中心に大学への勧誘や一般教会に潜入をしている。十分に警戒しなければならない。」と語った。しかし、新天地の信者は聞かれても認めず隠し続ける。判断は容易ではなく相手は韓国人、中国人であることが多いことから安易な対応では差別や誤解が生じる危険が高い。それでも韓国で感染拡大の発端となった新天地大邱教会経由の信者が日本に入国した場合、そこから感染が広がる危険は高い。教会は結束して正しい判断を下していく必要があり、牧師同士のコミュニケーションも求められる。この機会にウイルス対策だけではなく、異端やカルトによる教会被害、社会への被害を真剣に見直す必要がありそうだ。

信者は観光目的ではなく、組織の指示に従い布教(勧誘)で来日する。留学生として来日し、学生でありながら周辺拠点で活動するケースもある。さらに一般のキリスト教徒と明らかに異なるのは、李萬熙(89)という彼らのメシア、王のために教会に潜入して乗っ取りや人間関係を破壊する工作活動を行なう点だ。深刻な被害を受けた教会は少なくない。

新型コロナ感染拡大の問題と同時にこの宗教団体から被害を受けたという元受講生らの声も無視できないだろう。「嘘をつく」「家族や相手(夫、妻)にはここのことを言わないように」と指示されるからだ。元受講生によれば「飴と鞭でうまく利用された」と証言する。数人の信者が一人のターゲットを獲得するために「厳しく強い存在」と「甘く優しい存在」で囲み、依存させていくという組織なのだ。

早稲田にある新天地教会は、表向きには新天地だと認めていない。しかし、勝手に張り紙をして感染防止を理由に暫定的な閉鎖を発表している。しかし、教会内には信者がおり、複数で集団生活をしていることは取材で判明した。自分たちの教会がどんな団体からのものかを明かせない時点で不誠実だと批判されても仕方ないのではないだろうか。