現代宗教 | エスラ・キム牧師
2022.11.20
2022年10月の時点で、新天地信徒らは2019年に続き2022年にも再び10万修了式を開催するとし、大きな期待を抱いていた。 筆者が運営するYouTubeチャンネルにも数多くの新天地信徒が訪ねてきて、「まもなく10万人が修了するでしょう」、「今年も10万人が修了する」、「冬に驚くリアクション準備しろ」、さらには「今年は10万、来年は100万修了する」などとコメントを残した。
彼らが信じるのは新天地の絶え間ない成長だ。 数字が持続的に増加してこそ、新天地が本物だと言えるからだ。 ところが、このような数字遊びは実は新天地教主イ・マンヒによって企画された大型イベントに過ぎない。 まるで不正腐敗にかかわった大型企業が二重帳簿を作るように、実際とは全く異なる数字を無理に膨らませてごまかすのだ。 教主とリーダーたちは知っているが、純真な信徒たちは何も知らず、自分たちが信じたい通りに信じているのだ。
2019年11月10日に開催された10万人の修了式は、新天地信徒の最大の誇りだ。 彼らは韓国と112ヵ国で10万3764人が修了したと大々的な宣伝をした。 しかし、2020年3月1日にMBCが入手して独自に公開した2020年1月12日の新天地総会の映像によれば、2019年に実際に増加した信徒数は3万6454人に過ぎなかった。
2019年に10万3764人が修了したというのに、実際に増加した数字は3万6454人に過ぎないとは、一体6万7310人という数字はなぜ突然蒸発してしまったのだろうか? それとも、もともと10万人という数字は存在しなかったのだろうか? 今号ではその質問に対する答えを、海外脱会者の証言を通じて確認したい。
筆者は多くの海外新天地脱会者から、彼らが2019年以前にすでに正式信徒になったにもかかわらず、10万修了式でまるで修了生のように卒業生のガウンを着て一緒に座っていたという証言を聞いた。 彼らの証言は私たちに、新天地が言う10万人を超える修了生の数が途方もない虚数で満たされていることを明確に示している。
10万の卒業式でさりげなく2000人以上の数字を水増ししたLA新天地
2019年の10万人修了式には海外の修了生を紹介する時間があった。 司会者は「席が狭くてここに一堂に会することができなかった世界各国の修了生たちは果たしてどの国のどんな人々なのか、今から海外修了式の現場を連結して見てみます」として海外の映像につないだ。
最初の映像に登場したのはLA新天地の修了生たちだった。 ところがこの時、該当の映像で修了生を紹介するLA新天地の伝道師は、信じがたい話にならない嘘を平気で言う。 彼女は「今、私の後ろに約2500人の修了生がいますが…」と言ったが、これは完全に嘘だ。 なぜなら、アナハイムという都市に位置するLA新天地の聖殿の建物には約500人しか座ることができないからだ。 実際にガウンを着た修了生の数字を数えてみても2500人は全くとんでもない数字だが、それを言う伝道師も、それを聞く修了生たちも何の躊躇もないように見える。
LA新天地はただ数字だけを膨らませて言ったのではない。 その映像を作る時、彼らはその場所に修了生たちがいっぱいに見えるようにするために、すでに修了した正式信徒たちも卒業生のガウンを着せて座らせておいた。「 10年になる信徒、8年あるいは5年になる信徒も、私もそこにガウンを着て偽修了生として座っていた」と脱会者は証言した。
すべてのメンバーが一緒に修了式に参加したワシントンD.C.新天地
ワシントンD.C.新天地のある脱会者は、すべての信徒がガウンを着てその修了式に一緒に参加したと証言した。 筆者が「その修了式に本当の修了生は何人くらいいたのか」と質問すると、その脱会者は、ワシントンD.C.のすべての信徒がその修了式に出席し、実際の修了生が何人なのかは誰も言わず、そこに参加した信徒は全員センターの学生を代表すると聞いた、と証言した。
簡単に言えば、ワシントンD.C.新天地では正式信徒も全員ガウンを着て、まるで皆が修了生のように座っていたということだ。 ところで、韓国の新天地信徒たちはその姿を見て、ものすごい数の人々が修了したと感激したのではないだろうか。
約70%の参加者が2019年修了生ではなかったニュージーランド新天地
あるニュージーランドの脱会者も、筆者に携帯メールを送ってきた。 彼は2017年度にすでにユウォル(新天地の特殊用語:元いた教会から「選ばれた者」として新天地に改宗しメンバーになること)していたが、修了式をしなかったため、そこに一緒に参加しなければならないという話を聞いてガウンを着てその場に座っていたと話した。 彼は自分を含めてその場に参加した約70%が2019年度に布教された信徒ではなく、すでに2017年度と2018年度にユウォルした信徒たちだと話した。
それと同時に、新天地が言う10万人修了式は欺瞞的だと話した。 なぜなら、10万人という数字は本来1年以内に布教された人々だけで満たされなければならなかったにもかかわらず、その前にすでにユウォルした数多くの信徒まで皆その修了式に偽修了生として参加したためだ。
ほぼすべての信徒が修了式に出席したと推定されるシンガポール、ヒューストン、スイス、マレーシアの新天地
10万修了式の数字水増しは、新天地の修了式映像だけをよく見ても、その実体を確認することができる。 特に海外映像の中でいくつかの地域は、ほとんどすべての信徒がその修了式に参加したことが確実に見える。 シンガポール新天地の場合、10万修了式の映像に出てくる修了生の数は49人だ。 ところが、2019年末時点で新天地が発表したシンガポール新天地の信徒数は64人だった。 ほとんどの信徒が修了式に出席したのだ。
米国ヒューストン新天地の修了式参加者は90人で、2019年末の全体数である109人に近い数字だ。 スイス新天地の場合、2019年末の信徒数は68人だが、映像に出てくる修了生の数はそれとほぼ同じと見られる。 さらにマレーシア新天地の場合、2019年末の新天地の公式発表では全体人数が61人しかいなかったが、映像に出てくる修了生数は67人にもなった。 全体人数よりも多くの修了生が出席したのだ。 おそらくまだユウォルしていない、センターにいる学生まで修了式に参加させたのではないか、という推定が可能な部分だ。
嘘だらけだった新天地2019年10万人修了式!
2022年の10万修了式はどのような謀略を準備しているのだろうか。新型コロナウイルス感染症によるパンデミック期間中、新天地は信徒を再び一つにまとめることができる適当な突破口を見出せずにいる。 10万人修了式や万国会議のような大型行事を開くことができず、自由に布教をすることもできなかった。 さらに、新天地総会長のイ・マンヒは、まもなく訪れる死と今後の後継者を決めなければならない危機的状況に置かれている。 144,000の完成はすでに古い昔話のようで、歴史完成の夢は水の泡のように感じている。
このような状況で、新天地が信徒の離脱を防げる道は、再び内部謀略を通じて、希望拷問(できないことに希望を持たせる拷問)のような方法しかない。 「新天地は依然として成長している」、「新天地だけが空前絶後の光の歴史だ」、「もうすぐ歴史が完成する」というような荒唐無稽な文句で包装された2022年版10万人修了式が、再び信徒に希望を掲げ期待感を刺激する。 そのようにイ・マンヒ氏は、今日もバビロン(注:敵のこと)にしなければならない謀略を内部信徒たちにしているのだ。
映像だけよく見て、数字だけよく観察してみても確認できる彼らの嘘が、すでに希望の沼に落ちてしまった純真な信徒たちには見えないのだ。 どうかすべての新天地信徒たちがイ·マンヒ氏やリーダーたちの言葉ではなく、自らすべてを確認し、深く考え、賢明な判断を下すことができることを切に祈る。