2020年に3500万ドルに上る巨額詐欺およびマネーロンダリング(資金洗浄)で有罪が確定した米国のオリベット大学が、またしても捜査を受けている。連邦捜査当局によると、今回は資金洗浄に加えて奴隷労働(human and labor trafficking:無報酬や極端な低賃金で働きに従事させること)および入国ビザ詐欺でも捜査が行われている。元国家安全保障省高官が語ったと、ニューズウィーク(米国版)が422日オンライン版で報じた。

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2018年にマンハッタン検察に起訴され2020年に判決が言い渡された事件では、詐欺罪/資金洗浄で、IBTInternational Business Times)、CMCChristian Media Corporation)とオリベット大学関係者らが125万ドルの罰金刑を言い渡されている。日本・韓国のクリスチャントゥデイ、IBT(財経新聞)、米国のクリスチャンポスト、CMCは、いずれも大韓イエス教長老会合福牧師ダビデ張こと張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏の関連団体。IBTメディアは2018年までニューズウィークの親会社で、オリベット大学の学長夫妻が現在もニューズウィーク株の大半を保有している。

ニューズウィークによると、捜査内容を知る元高官は今回の事件の特徴について「複雑かつ重大だ」としている。国家安全保障省の捜査官は1年前、地元警察と合同でカリフォルニア州リバーサイド郡にあるオリベット大キャンパスを捜査した。連邦および地元捜査官らの情報によると、捜査は知的な金融犯罪を超えた問題に及ぶ可能性がある。「捜査対象にはオリベット大学の学長とIBTを含む企業体が含まれていた」と元国家安全保障省当局者は述べた。

南カリフォルニア「ハイデザート」地区にあるキャンパスを担当した連邦捜査官は、主に韓国または中国からの留学生に関する「強要、詐欺、強制」の証拠を探していたという。捜査は、オリベット大学が外国人学生のビザ取得に関わっていたかとともに、外国人学生らが米国滞在中ほとんどの時間、勉学よりも最低賃金以下で働いていたことに及んだもよう。捜査には労働省の職員も立ち会っていたという。

IBT、オリベット大学、CMC、リース会社Oikosはともに、マンハッタン地方検察が訴追した詐欺事件で有罪を認めている。ニューズウィークの取材によると、これらの組織の実態はダビデ張氏の宗派のメンバーによって運営されていることがわかっているが、張氏自身は2018年の捜査時には起訴されなかった。

在米韓国語メディアも同様のニュースを報じた(SundayNews May 5, 2022)

ニューズウィークは2013年にIBTメディアに買収された後も、現場の記者たちは自らの親会社の犯罪について報道を続けてきた。2018年以後はIBTから分離独立したが、現在もオリベット大学の学長トレーシー・デイビス氏の夫ジョナサン・デイビス氏がニューズウィーク・メディアグループの共同経営者だ。