米ニューズウィーク誌を現在所有するNWメディアホールディングス社が、前オーナーであるIBTメディアと宗教指導者ダビデ張こと張在亨氏を相手取り、数百万ドルに上る損失の補償を求めてニューヨーク州裁判所に提訴したと、77日レリジャスニュースサービス(RNS)が報じた。

Pastor David Jang in an undated image. Photo by Hto0501/Wikipedia/Creative Commons

ニューズウィークは20138月にダビデ張氏の信者らが運営するIBTメディアに買収され、20189月にIBTメディアがニューズウィークを手放すまでに、ずさんな経営によって数百万ドルの損失を被ったというもの。その間にニューズウィーク誌は経営不信により印刷物による発行を停止している。「2000年代初頭に小さなキリスト教学校であるオリベット大学を設立した張氏とIBTが関係していたため、当時この売却は物議を醸した」とRNSは伝えている。IBTに対して申し立てられた訴状は、IBTの共同創業者エチエンヌ・ウザク氏とジョナサン・デイビス氏の名前を挙げ、「張氏が監督する『共同体(the Community)』として知られる宗教団体に関連する組織と企業のネットワークの一部」と位置付けている。

一方、73日ニューズウィークが伝えたところによると、IBTメディアはニューヨーク裁判所に対し、ニューズウィークを独立させた2018年の取引を無効とするよう求める訴えを提起している。同記事は、IBTおよびエチエンヌ・ウザク氏とジョナサン・デイビス氏が当時、マネーロンダリングと第一級詐欺罪で告発されて有罪を認めた事件(ニューヨーク州裁判所で2018年起訴、2020年判決)に触れ、「ニューズウィークの社長兼CEOデヴ・プラガド氏は当時、デイビス氏と同じくオリベットのメンバーだった」と報じている。

「オリベット」はダビデ張氏が創立した大学の名称のほか、福音派キリスト教を標榜する教団「ワールドオリベットアッセンブリー(WOA)」の意味もある。WOAの傘下には、オリベットアカデミー、オリベットリーダーシップインスティチュート、ジュビリーワールドセンター、アポストロスミッションインターナショナル、ヤングディサイプル(イエス青年会)インターナショナルなど多くの組織が連なっている。

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