法廷に向かう万民中央教会堂会長・イ・ジェロク氏。依然、絶対的権力者、崇拝対象である。神同格の立場を示しながら裏で性犯罪に手を染めていた。現在も服役中である。(写真:教会と信仰より)

私は罪がなく、原罪と自犯罪のない血を1992年に受けた。
私は水の上を歩くことだけ除いて、新旧約に記録されたものはすべて成し遂げた。
私は神様の光と結合して一つと成った。
私が時間を作って、火のように祈るだけで、水の上も歩く。
私を信じて信頼することは、天国への旅程において絶対的に重要なカギとなる。
私が呼べばアブラハムとモーゼの預言者が駆けつけてくれる。
私はどこへ行っても雨に降られない。
イエスは旧約の言葉を、私は66巻の御言葉を成し遂げた
審判の日に私が神様のそばで弁論してあげる。
神様の体型は私と同じだ。
私は嘘を絶対につかない。

これは、韓国ソウルにある万民中央教会の堂会長、李載禄・服役囚=イ・ジェロク=(76)が信者たちに教え続けてきた言葉である。極端な神秘主義と自分の神格化、神様と同一視する神格化教理によって信徒たちを洗脳した。しかし彼は2018年11月、女性信者8人に対する性暴行罪で禁固16年の有罪判決を言い渡され、今は刑務所で晩年を送っている。

日本内万民の動き

25年前から日本に入って活動する万民中央教会は、飯田万民教会を含めた10個の教会が日本国内にあることが確認されていた。10月15日現在、万民中央教会のウェブサイトには「日本支部教会」として旭川、山形、東京田端、名古屋、岡山、別府の教会名が記されている。

http://www.manmin.or.kr/foreign/04_mission/jp/crusade_list2.asp

飯田万民中央教会で行われた創立25周年記念主日礼拝の様子。服役中の教祖(写真・右丸枠)とその代行を務めるイ・スジン氏(左丸枠)。(YouTube今年2月配信の動画)

2019年2月には万民中央教会日本宣教25年記念行事が李守珍(イ・スジン)(李載禄の三女、万民中央教会堂会長代行)を招待し、盛大に行われた。(李スジンも異性問題で3ヵ月間の停職処分を受けている。)

李載録の実刑判決確定(2019年8月9日)によって 日本にある万民中央教会の代表的な教会と言える飯田万民教会を含めた4つの教会(松本、東京、沖縄)が <韓国万民教会は、 人間を聖霊と神格化する。偶像崇拝する教会であることが確実になった>として教団から脱退したことをWebサイト上で明らかにした。

https://iidamanmin.jimdo.com/

この謝罪文には、韓国万民中央教会と今まで受けた教え、流れを完全に断ち切る理由として下記のように紹介している。

人間を神格化することと絶対化すること! (牧師が聖霊の座についたこと)
現代版グノーシス主義の集団であること!(2019.8.9韓国最高裁で16年刑確定)

という文章を掲載したが、 おかしな言葉と言わざるを得ない表現も含まれている。一般法廷はこの団体がグノーシス主義集団であるかどうかは判断していないし、それで16年という刑を宣告したりはしない。何か不都合な核心的事実を隠そうとする意図が隠されてはいないだろうか。

韓国教会が長い間、李載録の神格化を指摘してきたにもかかわらず、日本の関係教会は今までどうして彼らと一緒に活動したのか、きちんと検証されなければならない。

日本の教会への願い

1、今回の飯田万民教会(代表・柳承吉=ユ・スンギル)の謝罪文は李載禄の犯罪事実が確定されたことによってもたらされる内部混乱と分裂を防ぎ、社会的イメージの墜落を防止するための緊急措置とも考えられる。

2、日本教会は早急に彼らに手を差し伸べてはならない。謝罪文1枚で、彼らに免罪符を与えてはならない。
謝罪文1枚で正統教会に生まれ変わるという話はほとんど不可能に近いからである。その人とその集団の教理的体系は一日にして変わるものではない。 李載禄を通じて数十年間聞いて学んだ教理が彼らの骨の中まで溶け込んでいるのだ。
もちろん、異端から完全に脱却し、正統教会の一員として受け入れることもできる。しかし、これは長い間検証と確認の時間を持って見守るべきことだ。
つまり、言い換えれば、関係断絶が教理的断絶を保障するわけではないということである。
たとえ、李載禄の犯罪事実によって彼らと関係を断絶し、正統教会に戻るといっても、性急に彼らと交流し協力することはリスクが大きいことを認識するべきだ。

3、彼らの社会奉仕と福祉事業と異端規定は別の問題だ。
特に飯田万民教会は地域に対する奉仕と福祉事業を通じて、地域では良いイメージを得ていると宣伝する。 飯田市長から表彰状までもらったという。しかし社会奉仕と福祉事業が彼らの教理的な誤り、そして異端的な思想を隠すことはできない。 なぜなら、異端の諸団体には社会奉仕と福祉を通じて彼らを装う体質が共通しているからだ。

万民中央教会から離脱し、その教理を否定すること自体は、それが真実なものであるならば歓迎すべきである。しかし、冒頭に挙げた李載禄の実態を知りながら、これまで日本教会に隠して自らを偽装してきたのなら、まずそのことを悔い改めて正統教理に立ち返る努力をしなければならない。長年にわたって染みついた異端的な体質は、謝罪文一枚で一朝一夕に払拭されるものではない。きちんとしたプロセスを踏んで悔い改めの実を結ぶ必要があるのではないだろうか。

これからも彼らの動きに対して目を離せない。

 

異端カルト110番代表(日本キリスト教異端相談所所長)張清益

万民中央教会は韓国主要教団総会にて異端、参加禁止、鋭意注視の決議が下されています。本紙はこの総会決議の規定に沿って判断を下しています。尚、飯田万民教会はイ・ジェロク氏が逮捕、起訴後に収監さている間は教祖の神格化を続けていました。しかし、懲役刑が確定するとすぐに離脱を宣言しています。通常ではなぜ逮捕収監中は神格化し、刑が確定すると離脱を表明するのか多くの疑問が生じました。地元で信頼を得たいと活動している同教会ですが、異端、カルト思考を紙面一言で解決できるとは思えません。その点を同教会は明確にしない限り警戒されていくこと考えます。本紙は飯田万民教会の離脱宣言を一方的に疑い批判するのではなく十分な検証を周辺教会は行う必要があると考えこのようにまとめました。