現代宗教 
2021年07月14日より

■裁判で偽証した女性信徒も実刑判決
■裁判所、教会奉仕者に未払い賃金の支払い判決
■党会長代行イ・スジン氏 主日の夕方礼拝実施 

万民中央教会のイ・ジェロク氏が女性信徒への性的暴行の容疑で収監されてから約3年の歳月が経った。
 イ・ジェロク容疑者の収監後、万民中央教会は教役者の離脱、教会建物の売却締結、党会長代行イ・スジン氏の復帰などはもちろん、イ・ジェロクの裁判と関連した内容にも変化があった。

有給休職中の教会職員に希望退職を実施

万民中央教会が有給休職中の教会職員を対象に希望退職を実施した。 ネイバーカフェ「万民中央教会とイ・ジェロク牧師の真実」によると「現在の職員(非常勤含む)は約1100人程度で、このうち80人が必須職員に分類される」とし「希望退職を望む人は3月末までに教会に申請し、承認が得られれば慰労金(基本給の3カ月分)を支給する」と伝えた。

また、「希望退職について、党会長職務代行のイ・スジンと元老会議長に報告し、承認を受け、大邱刑務所に収監中のイ・ジェロクにも報告し、『そのようにせざるを得ない状況なら、そうすべきだ』という回答を受けた」と明らかにした。 万民中央教会側は「才能寄付ボランティア募集」を行っている。

ボランティア募集部分では、秘書室(法律、労務、建築)、企画室(デザイン、生け花)、GCN放送(放送関連業務)、電算部(ウェブデザイン)、ウリムブック(声優およびオーディオブック関連業務)などだ。 一方、現在ソウル九老区に位置する万民中央教会の敷地は、デリュン総合建設に売却しており、今年10月末までに移転する計画を立てている。

オンライン恵み集会実施

万民中央教会の祈祷院院長であり、イ・ジェロク氏の夫人イ・ボンニム氏と長女のイ・ミギョン氏(役員会会長)がオンライン恵み集会を行った。

3月8日と14日にZOOMで行われた集会は、米国、カナダ、メキシコ、コスタリカなど23カ国の万民中央教会の海外信徒を中心に行われ、関節炎、うつ病、ヘルペスなどの疾患を患っている患者を「権能のハンカチ」で治療するという名目を掲げた。

イ・ミギョン氏は2月13日、アフリカ・コンゴ民主共和国キンシャサ万民中央教会創立14周年記念礼拝および恵み集会を行った。

「イ・ジェロク被告、集団性関係なし」偽証の女性信徒も実刑判決

万民中央教会のイ・ジェロク裁判の証人として出席し、偽証したとして起訴された女性信徒Aほか2人に対し、今年5月13日に懲役6カ月、執行猶予2年の判決を言い渡した。 同地裁は判決理由について、「この女性らが主な事実関係について、客観的事実と記憶に反する虚偽の証言を行った」とした上で、「実体的真実の発見と被害者の権利保護という裁判機能の健全性を害した」と判断した。

A容疑者らは2018年、イ・ジェロク裁判の証人として出廷し、「イ被告が女性信徒と、酒を飲み、食事をして性的関係を持った事実はない」という趣旨の虚偽の証言をした疑いが持たれている。

被告らの弁護人は「公訴事実を否認」し、「当該証言は個人の取捨選択の結果に過ぎず、虚偽の陳述ではないという偽証要件が成立しない」と主張した。 これに対し、検察は「被告に対する有利な裁判のため、組織的な偽証を行った」として、被告らにそれぞれ懲役6カ月を求刑していた。

裁判所、「教会奉仕も労働者!」未払い賃金の支払いを命じる判決

裁判所が、「教会内のボランティアも労働者とみなすべきだ」とし、万民中央教会側に未払い賃金を支払うべきだと判決した。 万民中央教会で聖歌隊指揮者、伴奏者、芸能委員会チーム長、ヘアメイクチーム長として活動した信徒4人は、19年に教会を相手取って退職金、年次休暇不使用手当てなどを要求する訴訟を起こした。

これに対し、今年5月13日に開かれた裁判で、ソウル中央地裁民事合議41部(キム・ミョンス部長判事)は、「教会内のボランティアも労働者と見なすべきだ」とし、万民中央教会の信徒たちが教会を相手取って起こした賃金訴訟で、約1億6280万ウォンを支払うよう判決を下した。

同地裁は、▲教会の人事管理規定に基づき、常勤または非常勤職員として採用され、毎月教会から給与を受けていた点、▲勤労所得税を源泉徴収しなかったが、教会の優越的地位による事情にすぎなかった点などを根拠に示した

これに対し、万民中央教会側は「原告らは教会でボランティア活動を行う信徒であるため、労働者として認めることはできない」との立場を示したが、裁判所は「万民中央教会の主要部署に当たる芸能委員会から相当な業務指示を受けたことも、ボランティア活動のレベルを超えており、人事規定を適用し、週15時間以上の労働なら手当を支給すべきだ」とした。

オールネイションズ牧者の祈祷院移転

万民中央教会の前副牧師として活動したイ・ヒジン氏、イ・ヒソン氏が運営するオールネイションズ牧者の祈祷院が教会を移転した。 移転したのは、ソウル冠岳区新林洞(クァンアクグ・シンリムドン)の正統教団、大韓イエス長老会合同派が運営していたA教会の建物だ。

CBSによると「2008年に建てられたこの教会は、無理な建築で100億ウォン近い借金があり、教会紛争にまで発生し、同じ教団のB教会に売却された」とし「売却過程で前の教会の手続き上の欠陥が明らかになり、B教会は所有権を喪失した」と伝えた。

また、裁判所は、教会売却の手続き上の問題点を指摘した元教会信者らの側に立ち、B教会に125億ウォンを支払うよう同時履行判決した。 しかし、名義を取り戻したA教会側が100億ウォンを超える資金を作る過程で、A教会のJ担任牧師がオールネイションズ牧師の祈祷院と結託したという疑惑が提起された」とし「J牧師はオールネイションズ牧師の祈祷院との関連性を否定し、合同派から脱退して小教団に所属した」と伝えた。

一方、オールネイションズ牧者の祈祷院は、「サイバー神学校」を運営している。 オールネイションズ牧者の祈祷院に所属する支教会の担任牧師と教役者会長が教授陣に布陣しており、4年(8学期)課程で神学科が開設された。 教科目名にはイ・ジェロクが書いた図書名と同じ「十字架の図1、2」、「霊魂肉 上、下」、「信頼の分量」などを専攻必須科目に含めた。

党会長代行のイ・スジン氏は「わが主にすべての荷を預ければ仕事が楽だ、という党会長(イ・ジェロク)の話が耳に聞こえるようだ」などの内容を今年1月から説教で話し、万民中央教会の実権者として活動中だ。 しかし、教会移転敷地の選択、教会奉仕者の賃金支給など、万民中央教会が解決していかなければならない課題が残っている。 多くの内輪もめを抱えている万民中央教会の相次ぐ問題的行動に、くさびが刺さる日を期待してみる。

▶️添付写真はオンライン恵み集会を行った万民中央教会祈祷院長イ・ボンニム氏(万民中央教会ホームページより