オンラインによるCLF、グラシアス合唱団 神学校案内まで 増え続ける異端の関連団体
韓国主要教団が聖書の教えから明らかに逸脱する「異端」及び「カルト集団」と規定する救援派(クオンパ)と呼ばれる3つのグループの内、最も活動が活発なグッドニュース宣教会(代表=朴玉洙《パク・オクス》)が再び、関連団体の案内を諸教会宛に送り始めている。数ヶ月に1度のペースで全国の既成教会に無作為に郵送されている。
グッドニュース宣教会は、韓国のソウル市瑞草区(ソクチョ)にある「喜びのニュース・江南教会」を本部とする宣教団体だ。傘下の宗教部門に「グッドニュース宣教会」、「グッドニュースミッション」という団体を運営している。正体を隠して自己啓発や能力開発系のセミナーを開いたり、韓流スターを起用した映画鑑賞会を開催し、イベント終了時に朴玉洙氏の偉大性をPRして教会の案内を行なうなど手口は巧妙化している。いわゆる宗教色を隠した偽装布教の部類に入る。国内ではカルトの典型的な布教方法の一つとして警戒されている手口だ。彼らに会場を提供する地元自治体も対応に苦慮している模様だ。関連団体は今後も増えていくと思われる。現時点で案内が送られてくる団体は以下のとおり。
・宗教団体東京恩恵教会(グッドニュース教会及び宣教会の日本本部)
・グッドニュース宣教会
・グッドニュース○○教会
・NPO法人国際青少年連合(IYF)
・CLF(クリスチャン・リーダーズ・フェローシップ)
・キリスト教指導者連合
・韓国キリスト教連合(KCA)
・カンタータ公演(イースター・クリスマス)
・マインド講演会
・オンライン聖書セミナー
・人性教育(注=韓国語で人格形成を目的とした情操教育の意)
・クリスチャン・ユース・アソシエーション(CYA=C-YA!)
・劇団麦わら帽子
上記を後援、協賛する団体の多くもグッドニュース宣教会の関連団体だ。何も知らないと既成教会のグループと見間違うほど。コロナ渦とあってYouTubeを利用したオンライン活動が中心だ。
今回送られた案内は定番となった朴玉洙氏による既成教会の牧師やリーダー向けのオンライン講演。他にも「グッドニュース神学校」の案内も含まれている。朴玉洙氏の講演は、「真の悔い改め」を主要テーマとし、救援派独自の「罪」「悔い改め」の神学を教える。異端指導者が正統教会の牧師らを教育するという大胆な取り組みだ。救援派についてはこちらを参考にしてほしい。
国内では主に日本福音同盟(JEA)、日本キリスト教団カルト問題連絡会が「関わりを持たないよう」注意喚起を行なっている。その甲斐があってか多くの教会は同宣教会を警戒している。彼らは「自分たちは異端ではない」、「異端規定は解除された」などと言って教会関係者に激しく抗議を続けている。訪問、電話、手紙、メールなどそのやり方もさまざま。地域によっては本紙やクリスチャン新聞の報道を「デマ」だと批判する案内まで配布している。2019年に都内で開催された専門家らによる救援派対策セミナーを妨害目的で期間中に救援派関係者らが講師を侮辱するビラを作成し、参加者に配布するなどトラブルを起こしている。当日は若い信者らが動員されたという。
本紙共同代表の張清益(チャン・チョンイク)牧師によれば「グッドニュース宣教会は韓国において既成教会から強く警戒され、交流も断たれている状態だ」という。また彼らが主張するような「異端」「カルト集団」という規定が取り下げられた事実はまったくない。代表の朴玉洙氏と関係者は過去に刑事事件を起こしている。
一般に異端、カルトと警戒されるキリスト教系宗教団体は、表面上活気に満ちあふれ、国際色豊かな雰囲気をアピールする。有名人や既成教会の牧師を味方につけてそのネームバリューで正当性を担保しようとする。送られてくるチラシや無料で配信される映像だけでは何が問題かわかりにくい。雰囲気に飲まれず、客観的事実に基づいた冷静な判断が求められる。