コロナ拡散事件と神学的問題、陰謀論などを踏まえ緊急理事会。秋の総会に向け調整に入る
(教会と信仰 2021年01月27日)
韓国の主要キリスト教団(保守プロテスタント)の一つである基督教韓国浸礼会(韓国バプテスト)の朴ムンス総会長は1月15日に緊急理事会を開き、インターコープ宣教会(代表・崔パウロ氏)を不健全団体と規定する方針を固めたことを明らかにした。
基督教韓国浸礼会(以下、基浸)は声明で「教団傘下のすべての教会はインターコープ宣教会の一切の活動への参加と交流を禁止する」と発表した。また「インターコープは中央災害安全対策本部の防疫指針に基づき、BTJヨルバンセンターを訪問した関係者全員のコロナPCR検査を誠実に行なうように」と強く勧告した。そして、「現在まで判明した関係者によるコロナ陽性者について正確な情報を公表し、韓国教会と社会に混乱を起こした事実を心から謝罪し責任者を処罰せよ」と言及した。
基浸総務のキム・イルヨプ牧師は教会と信仰の電話取材に対し「我が教団は韓国教会総連合(略称=韓教総〈UCCK〉)に所属しており、連合の立場に従ってインターコープに対する判断を下した」とし、「神学的問題を教団の神学委員会で調査する方針」であることも明らかにした。教団総会は毎年秋に行なわれる。基浸もそれまでに問題点を整理し神学的な立場から公式な決議を打ち出す予定だという。大韓イエス教長老会統合、合同、合神、高神、基督教大韓聖潔教会(韓国ホーリネス)の5つの主要教団が「独善的で排他的な宣教観」、「陰謀論を広める」などの理由から「鋭意注視」「交流断絶」と規定してきた。今回、新たに韓国バプテストが規定に加わることでインターコープの活動は窮地に追いやられることになる。
韓教総(UCCK)は1月13日付けでインターコープ宣教会に対する声明を発表した。また韓国政府は第二の新天地になりかねないと崔パウロ氏の防疫に対する認識の低さと組織的な隠蔽体質を批判。感染者は現在も増えており韓国社会は大きな不安を抱えている。
本紙、異端・カルト110番が確認したところインターコープ宣教会日本支部は公式サイトを閉鎖。理事長を務める奥山実氏(宣教師訓練センター)も特に何もコメントしていない。また「インターコープ宣教会所属」とプロフィールに書かれていた韓国人宣教師のサイトがアクセスできなくなったり、所属を削除したりしていることがわかった。この宣教会は教会として活動はしていないが宣教師を教育し海外に派遣している。陰謀論を信じて日本宣教に勤しんでいる可能性もあることから、諸教会は改めて注意する必要がありそうだ。