「これは個人に対する告発ではない。我が教団に対する攻撃とみなすべき」高神総会は厳しく対応へ

(教会と信仰 2021年4月14日号)

大韓イエス教長老会高神(コシン)総会は韓国の主要教団が問題視している「インターコープ宣教会」(本部長・崔パウロ)に対し、総会レベルで極めて厳しい措置を講じることを委員会で決定した。決定に至る経緯として、最近になり高神総会のソ・ヨングク牧師(同総会異端対策研究所所長・韓国基督教異端相談所協会カンブク相談所所長)をインターコープ宣教会が名誉毀損だとして刑事告発したことにある。3月30日に行われた常任理事会の席で異端対策委員会は、「ソ牧師に対する告発は一教会、個人に対するものではなく、我々の教団に対する攻撃と見なすべき」とコメントを発表した。

高神ニュース社長のチェ・ソンギ牧師(左)とソ・ヨングク牧師(右 異端対策研究所所長)

インターコープからの告発に対し、ソ牧師は4月12日に電話インタビューに答え「高神総会の機関誌『キリスト教報』(1月23日付)に‟インターコープ宣教会の崔パウロ氏は公開の場で謝罪し、偽りの思想を捨てるべきだ“という題名で寄稿した。すると一部の内容が名誉棄損だと代理人を通じて私を刑事告発した」。また「私は多くの被害相談を今も受けている。証拠となる資料を提供され、事実に基づいた内容を書いた」と述べた。地元の九里警察は現在、告発を受けて捜査中だという。

ソ牧師は、インターコープが関連施設「BTJヨルバンセンター」で条例に違反した大規模集会を開催した「感染症予防法違反事件」を厳しく批判した。また、崔パウロ氏が関連教会で語った陰謀論についても厳しく指摘した。「崔パウロ氏はビル・ゲイツ氏の名前を勝手に出して、彼が2015年3月からコロナウイルスプロジェクトを進めていたなどと語り、コロナワクチンはDNA操作された地球規模の人類監視システムが目的とありもしない話しを言い広めて関係者を惑わした。彼が語った陰謀論は正統な教会で一切認めるわけにはいかない」と述べた。また、ソ牧師はコロナ集団感染を少しでも防ぐために、集会の参加者はすみやかに検査に応じるべきだと忠告していた。

当初、インターコープ側は大規模集会の開催を否定し、一部のメディアの捏造だと批判するコメントを出していた。キリスト教社会派メディアも法的な圧力を受けるなどしていた。その後、警察によって幹部信者らが感染症予防法違反の罪で逮捕されると態度を一変、「行政手続き上で不手際があり、一部の関係者に誤解を招くような行動があったことは事実。当局の疫学調査と防疫には積極的に協力し責任ある姿勢を取っていく」と公式にコメントしていた。

ソ牧師に対するインターコープからの告発はこれで2度目となる。2018年にも崔パウロ氏をはじめ幹部信者ら10人が集団告発に踏み切ったが検察はソ牧師に嫌疑なしの処分を下した。

8教団の異端似非(カルト)対策委員が集まり今年9月に異端規定する予定の団体について話し合いが持たれた

合神、高神総会はインターコープを異端規定する方向で調整へ

このような事態を受け、高神総会は教団レベルで対応することを決定したが、他の8つの主要教団で組織される異端カルト対策委員会も4月8日、共同で会議を開き、今年9月に開催される予定の教団総会で異端規定する予定の団体について改めて確認し、今後も情報共有をしながら協力していくことで一致した。

この会義に参加した大韓イエス教長老会合神(ハプシン)総会と高神総会は教団としてインターコープを初めて「異端」規定する最終報告書をまとめ上部委員会に提出計画を明らかにした。

トラブル、被害報告が続くインターコープの二面性

インターコープは世界宣教に取り組み、行きすぎた宣教活動や活動中に起きた関係者の死亡事件、極端な教え、他文化を排除する乱暴な言動が影響して各地でトラブルを起こしている。指導を受けた宣教師たちの中には、神社仏閣を汚すことが偶像(サタン)に勝利することだと信じるグループがいる。韓国教会はインターコープが、表面上でみせる姿と内部の姿がまったく異なり、警戒されないように周囲と教理や思想を合わせているだけだと指摘している。過激な思想はエスカレートすると犯罪につながることがある。十分な注意が必要だ。