▲キム・ウンガン氏
2015年 新天地脱退
安山常緑教会在籍
画像引用元:現代宗教

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~自分自身を受け入れることが真の回復と癒しに~

広い世界を経験し人生を楽しめることを発見

新天地を脱会後、私は「幸せに暮らしたい」との思いに駆り立てられた。そこで私は「自分が幸せに感じる、神様の働き」探しを始めることにした。

2017年初秋、私は両親と共にタイへ行った。新しい生き方のビジョンを見つけるための旅だった。そして、ここで新しいビジョンを見つけることになる。その年の12月、3ヶ月間におよぶタイへの短期宣教に行ったのだ。これは私の最初の旅であり、くつろぎの時となった。首都バンコクから少し離れた小さな村に、韓国人宣教師が働く教会があり、訪問した私を宣教師夫妻は温かく迎えてくれた。神様から与えられた使命に従い、タイで10年以上宣教師として務めている方たちだった。

彼らと生活を共にしながら、クリスマス礼拝や新年礼拝など大きな教会行事を手伝った。 週末ごとに現地の人々と共にタイ語で礼拝を行い、未信者の青少年たちと共に過ごしながら、神様の目線でその魂を眺めるようになった。平日は、夕方になると宣教師夫妻と一緒に散歩し、伝道用のチラシを家々に配った。 こうして教会の仕事を手伝いながら、名もなく誉れもなく、教会の中で神様のために奉仕する方たちに対する感謝を学ぶようになった。 独学でタイ語を学び、現地の人々と会話しながら過ごす日々。充分とは言えないが、タイ語で福音を伝え、タイ語で国楽の賛美を捧げ、青少年に楽器を教えることに達成感を感じた。神様は彼らの魂に注ぐ愛を与えてくださった。

幸せを感じられる仕事を求めていたはずが、いつの間にか今の仕事を楽しめるようになり、情熱も自然に芽生えていた。 誰かに良く見られるため無理して何かをするのではなく、心の底から人生を楽しめる事を発見できた。人生への満足度が高くなるとともに、自信とプライドを持てるようになっていった。

こうして私は広い世界を経験したことで、新たな挑戦を恐れなくなったのだった。

▲(画像:「現代宗教」原文から) 

回復への取り組みと挑戦

新天地によって心身が憔悴した状態のまま、慌てて日常に慣れようとしていた私だったが、結果的に逆効果だった。「自分の健康を守ることは、自分以外、誰にも(新天地にも)できないこと、自分がやらねばならないこと」だと初めて知った。 食べることも寝ることも、まともにできなかった私にとって、体の回復と心の余裕を充分に補うことは最優先課題だった。

傷が癒やされ新しく生まれ変わるまでには、かなりの時間が必要だ。加えて、霊的な健康を取り戻すには、健康管理も重要だと気づかされた。脱会後、最も苦しかった時期に母親の勧めで運動を始めたことは、ストレス解消と同時に体力回復に役立った。

1年間にわたるウェイトトレーニングと健康的な食事管理で、10キロ以上減量した。 体のラインも整え、ボディープロフィール写真も撮ってみた。そうするうち、自然に他の運動にも興味を持つようになり、フィットネス、ヨガ、ピラティス、ボクシングなど様々な運動に挑戦していった。

その時、偶然、ピラティススクールで「ZUMBA」というダンスフィットネスに出会い、楽しく踊ってできるスポーツがあることを知った。 多様なジャンルのラテン音楽と、簡単でユニークな動きで、有酸素運動と筋力運動が同時にできて、パーティーのように楽しみながら運動できるというところに肯定的なエネルギーを感じた。 芸術系専攻の私は自分を表現することが大好きで、またそれを誰かに見せるのも好きで、つい没頭してしまった。

私にとってZUMBAとは、楽しく踊ると同時に、仲間たちから良いエネルギーを感じることでもあった。また、自分には音楽以外にも楽しめる分野があるということを発見したことで、新たな自信へとつながった。 そして、スクールの院長からの勧めでZUMBA講師の資格を取得できたことは、私にはまた新しい挑戦だった。

2019年2月、私は新たにZUMBAダンスフィットネスの講師として仕事を始めた。 不思議なことに、講師を募集するフィットネスセンターに履歴書を送ると、経歴がなくても就職ができ、私の前向きな姿勢を評価してもらえた。 このような機会をくださったことも、すべて神様からの恵みの贈り物だった。

私は自分の欲望を満たすためにするのではなく、ただ水の流れに身を任せるように、神様に私の人生を任せただけだった。

しかし、ただ沈黙し何もしなかったわけではない。  現実と向き合う時、心は、天国にも地獄にもなるのだと悟った。 私は、状況・環境・外部からの問題や出来事などをどうすることもできないが、その中で、「自分はどのように反応するか・問題をどのように解釈するか・どのように行動するか」の選択は、私がすることだ。「私にとって、神様の中で何をする時が最も幸せなのか?何が最も価値ある人生なのか?」と、葛藤し尋ね求める時、神様がその道を開き、祝福してくださった。

私は、いつの間にか、就職も、進路も、また、物質的な祝福までも受けるようになった。 今、私の職業は3つある。 国楽賛美伝道者・ZUMBAダンスフィットネス講師、小学校での国楽クラブの講師。これらの職業が私の生涯の職場になるかどうかは分からないが、この仕事を始めて、多くの人々が私の小さな才能と身振りを楽しんで力を得てくださる姿を見ていると、私も幸せとやりがいを感じる。 そして何よりも・・・私が幸せにできることを探す過程で、私は自分自身を愛する方法を学んでいたのだった。

こうして私は、世の中で私が福音を伝える方法は、私の人生そのものを通してイエス様を伝え、私が受けた神様の愛を分かち合うことだと悟ったのだ。 神様が私と共にいてくださるから、どんな事でも楽しくできて、挑戦する人生を送ることができるようになった。

恐怖を振り払い、プライドを高め、自分自身を認め、愛する人生・・・それが本当の幸せだった。

▲新天地の内部資料。「新天地の伝統教理と腐敗した韓基総の異端教理の比較」
本紙編集部が新天地脱会者より独自に入手。

▲新天地の内部資料。全国幹事教育修練会の様子。
本紙編集部が新天地脱会者より独自に入手。

私の中で輝く光

今後も、向き合わなければならない様々な挑戦や課題が私の前には残っているが、「私の行く道と方向は神様が導いてくださる」という確信があるから、みことばをしっかり掴んで、私は今日も一歩一歩、主を信頼して進む。

脱会と回心の後、世の中でどう生きていくかも重要なのだ。 自分自身を神の中で受け入れ、許し、愛し、価値あると認め、神様の尊い子供であることを信じて進んでこそ、真の回復と癒しになるのだ。 私の中にイエス・キリストという最も尊い宝物がある。それこそが「光」だと私は思っている。

私の中に光があって、私がどこへ行ってもそこは私の中の光によって明るくだろ輝くだろう。だから・・・、私の中にある光―――私の救い主、イエス・キリストを、私は絶対に失ってはならないのだ。

(最終章に続く)


 

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本記事は、現代宗教(韓国)の「新天地からの脱会、そして癒しと回復のストーリー⑤ 」より翻訳したコンテンツになります。

原文:新天地からの脱会、そして癒しと回復のストーリー④ 【신천지 탈퇴, 그리고 치유와 회복 이야기(5)」】