故・金箕東氏

韓国「ベレヤ運動」の主唱者であり、ソウル聖楽教会の設立者である金箕東(キム・ギドン)氏が1022日、死去した。 84歳だった。聖楽教会葬儀委員会が同日、金箕東氏の訃報案内文を通じて「聖楽教会および()キリスト教ベレヤカデミー振興財団の設立者であるキム·ギドン氏が老衰で召天された」と明らかにした。ネットメディア「ザ・ミッション」などが伝えた。

ベレヤ運動は、使徒行伝(使徒の働き/使徒言行録)1711節に「非常に熱心にみことばを受け入れ、はたしてそのとおりかどうか、毎日聖書を調べた」と記されている、ベレヤの人々にちなんで命名された信仰復興運動。しかし金氏は、非聖書的な鬼神(悪霊)論やネピリム天使論、地獄論など、異端性論議を引き起こす教理を掲げ、聖楽教会の所属教団だったキリスト教韓国浸礼会は1987年、金氏を異端と規定した。 大韓イエス教長老会合同派、統合派、高神派など韓国の主要教団からも異端と規定された。

金箕東氏は1938年、韓国の忠清南道瑞山(チュンチョンナムド·ソサン)生まれ。 196911月、ソウル永登浦区新吉洞(ヨンドゥンポグ·シンギルドン)地区にソウル聖楽教会を設立した。 1978年には「ベレヤカデミー」を設立し、「ベレヤ運動(鬼神論)」を唱えた。

日本でも主流派、福音派のいくつかの教会の牧師・信徒らが金箕東氏の影響を受け、1990年代にベレヤ運動が展開された人は信仰を持って救われずに死ぬと悪霊になる、などの特異な教えで物議を醸し教会を混乱に陥れたことがある。

2019年には、教会を私物化して100億ウォン(約10億円)に及ぶ損害を与えた横領・背任容疑で起訴され、有罪判決を受けている。

関連記事はこちら▼