政府プレスリリース「詐欺と嘘を正当化する教え」捜査機関「潜在的な犯罪集団」
世界のカルト宗教情報を扱う米専門メディアCult News101(ジョセフ・ケリー代表)の報道によるとシンガポール政府は9日、国内で宗教活動を行なった韓国籍の新天地信者21人を逮捕したと明らかにした。新型コロナウイルス拡散事件を受け、今年2月に政府は新天地の活動を禁じる措置を講じた。
政府はプレスリリースを通じて「11月9日、犯罪捜査局がシンガポール支部に所属する新天地信者21人を逮捕した」とし、「容疑者は22歳から31歳までの男女9人と21歳から49歳の女性12人で捜査の結果、非公式に活動していたメンバーたちだ」と明らかにした。
捜査関係者は「違法な集団である新天地メンバーらがシンガポールの公共の安全、平和、秩序を脅かすことを許さない」と述べた。今年の2月には国内の新天地支部の実態調査が行なわれ、リーダー格の信者5人を韓国へ強制送還したばかりだった。その後、強制的に支部を解散させた。
また、「それにもかかわらず、国内で新天地が活動していた。韓国の本部から指示を受けたことが確認された。密かに再開したようだ」と述べ、社会法に基づく潜在的犯罪集団とみなし続けて捜査していることを明らかにした。
仮に有罪判決を受けた場合、最長で懲役3年以下の懲役、または5,000ドル(シンガポールドル=約39万円)以下の罰金が言い渡される。
新天地という宗教グループは韓国籍のイ・マニ氏(89)によって1984年に設立された。世界的に問題の多いカルト集団として非難を集めている。政府のプレスリリースには、「イ・マニ氏は世界の終わりの日(審判)に14万4千人の信者を天国に連れて行くイエス・キリストの再臨だと信じられている。彼は聖書を完璧に解釈できる唯一の存在だとも主張している。この集団の危険なところは自分たち以外の社会、教会、牧師をサタンだと思い込み攻撃してくることだ」と紹介している。また「新天地は神の目的のためだと信じ、活動のためなら詐欺と嘘を正当化する教えが行なわれている。人々を騙し、秘密主義に徹し、サタンとみなす他の教会に潜り込んで混乱させるグループだ」と批判した。
シンガポール政府は信教の自由を法律で保障するが「(新天地は)公安上の問題から一線を越える集団」と警戒されている。国内には100人前後の信者が活動していると見られ、今後の動向に注目が集まる。