臨時総会準備委員会の会合で報告、異端規定の可視化を目指す
聖書の正当性を否定し、暴言、犯罪行為、女性蔑視を繰り返す韓国基督教総連合会(韓基総=CCK)の全光勲(チョン·グァンフン)代表会長(注=現在裁判所決定により職務停止)が同連合会で結成された異端似非(カルト)調査委員会から調査を受けていたことがわかった。
韓基総は開催を予定している臨時総会に向け、準備委員会の集いを28日午前11時から韓基総会議室で開催した。調査を担当した同連合会「異端似非(カルト)対策委員会」(以下、対策委員会)はチョン氏の異端性について報告を行なった。
対策委員会はチョン氏について「異端性は濃厚」との見解を示し、臨時総会でその規定をはかる方針だ。また、チョン氏の言動、異端性、犯罪性(起訴事実など)を重く受け止めた同連合会は、異端規定の可視化にむけて最終調整に入った。つまり結果を公開するという意味だ。
異端性を調査している李興宣(イ・フソン)共同副会長兼異端似非対策委員会専門委員は「チョン牧師の異端的思想に対する調査報告書」から次の点を指摘した。
△聖書の正当性否定 △聖霊批判 △神を冒涜する発言 △教祖的思考、その立場から発言 △非倫理的女性蔑視
△異端規定人物を規定解除の目的として巨額の金品授受及び刑事事件・起訴事実等
チョン氏が聖書の正当性を否定したことについて「世界のキリスト教会は普遍的教えである聖書全66巻だけが神の言葉であり正当だと絶対的に信じている」として、チョン氏が公の場で聖書全66巻の正当性を否定し、「旧約聖書のモーセ5書が聖書である。残りはすべて聖書ではなく単なる解説書だ」と発言したことを取り上げた。対策委員会は「チョン氏はこのような聞いたこともないような極端で強い異端思想をもつ人物である」と批判した。
チョン牧師は2019年6月18日、キリスト教セミナーで神を冒涜する発言をした
聖霊否定については、チョン氏が2019年6月18日に行なわれた牧師セミナーの担当説教の中で「私に反抗するなら神は私に殺されるぞ」と発言した点を取り上げ、同調査委員会は「神聖冒涜」にあたると指摘した。この発言は韓国中のキリスト教界で物議をかもしたが本人は「迷惑をかけた」と謝罪している。ただ、発言の取り下げには応じていない。現在は異端規定を受けたピョン・スンウ牧師を「会長権限」で異端解除した問題に注目が集まっている。チョン氏はピョン・スンウ氏から巨額の金品授受を認めている。本人は「通常の献金にすぎない」とし、ピョン氏側も「献金であり違法性はない」と主張していた。検察は韓基総内部からの告発を受け捜査した結果、異端規定を取り下げる目的でピョン氏側から金を受け取った疑いが強まったとして起訴意見送致した。
調査委員会のイ牧師は「チョン牧師の異端思想は公的立場である韓基総代表会長として不適切であるだけでなく、到底受け入れることができないものであり、一日も早く臨時総会を開催してチョン牧師に対する適切な措置を講じるよう全代議員の賢明な判断を求める」と述べた。チョン氏は現在、公職選挙法違反の疑いで被告という立場だ。保釈された身であり、裁判所決定で代表会長の職務停止処分を受けている。臨時総会で異端規定が行なわれれば相応の処分が下されるものとみられ、韓基総は再選挙で新しい代表会長を選出することになる。
同日、臨時総会準備会はホン・ジェチョル牧師を準備委員長に選任。臨時総会を通じて同連合会の立て直しを図るため加盟教団の積極的な参加と臨時総会開催への協力をよびかけた。