新天地崩壊まで秒読みか 検察による捜査は継続 信者に隠れて入退院繰り返す教祖
韓国キリスト教放送(CBS)ノーカットニュース 「逃亡を続ける」新天地の教祖 病院で目撃
新型コロナ拡散で韓国民に土下座謝罪してから行方をくらましていた新天地(正式名称:新天地イエス教証拠〈あかしの〉幕屋聖殿)李萬熙(イ・マニ)総会長が病院で目撃され、健康不良説が再燃した。
イ・マニ氏が目撃された病院は今年2月、本人が新型コロナPCR検査を受けた加平郡(カピョン)にある旧統一協会(世界平和統一家庭連合=現・真の父母様聖会に名称変更)傘下の医療機関「HJマグノリア国際病院(旧・清心病院)だった。4月27日、国税庁による新天地本部への特別税務調査が入る前日、京畿道果川市の新天地本部でイ・マニ氏の姿が目撃されて以来、行方をくらましていた。今回、再び統一協会傘下の病院に姿を現した。
病院で目撃されたイ・マニ氏は薄手のジャンパー姿で帽子とマスク、サングラスで顔を覆っていた。目撃者Aさんは「7月15日、“新天地平和の宮殿”の関係者らが差し入れを持って病院に出入りする様子を見て不審に思った」と述べ、「許可された者(身内)でなければ病室に出入りできない。イ・マニ氏本人が入院しているに違いないと思った」と状況を説明した。
Aさんは、新天地関係者に「イ・マニ氏がまた入院したのか?」と尋ねると関係者は「16日の午前中にイ・マニ総会長は退院した」と認めた、と明かした。関係者は「追跡されたので退院せざるを得なかった」と主張した模様だ。Aさんによってその姿が撮影された。イ・マニ氏は1931年生まれ。今年、89歳を迎えた。高齢ゆえの健康不良説は以前から何度も指摘されてきた。
新天地ナンバー2と呼ばれてきた教祖の元愛人キム・ナミ氏は今年2月10日YouTubeチャンネルに音声出演し、「イ・マニ氏は過去に脊椎狭窄症で永東セブランス病院に2か月極秘入院した。その後、光州朝鮮大病院で手術を受けていた」と明らかにしたばかり。イ・マニ氏は永遠に死なない「肉体永生」として信者から崇拝されており、この世界を統治する王(救い主)として神格化されてきた。こうした病気による入院は信者には隠しているという。キム・ナミ氏は組織から追放されたと言い、教祖の秘密を暴露し社会を驚かせた。
病院側は入院の事実について「個人情報に関することで一切公開できない」と回答した。
ある新天地関係者は「総会長(イ・マニ)が1か月前に健康状態が優れず入院したという話を聞いたが、最近になってまた入院したとの情報は共有されていない」と明らかにした。
本紙共同代表で日本キリスト教異端相談所所長を務める張清益牧師(とねりキリスト教会=東京都足立区)は今回の報道を受け、「教祖イ・マニ氏は肉体永生信仰により信者から崇められている。そんな彼がコロナでは検査を受け、体調悪化で信者に隠れて入退院を繰り返している。この矛盾に信者は早く気付くべきだ」と指摘した。
なぜ、自称救い主イ・マニ氏率いる新天地は統一協会傘下の病院で検査を受けたり入院したりするのだろうか。これにはいくつかの理由があるとして、張清益牧師は説明する。「新天地の平和の宮殿が建つ土地一帯は統一協会の聖地である清平(チョンピョン)に隣接している。この土地は、彼らが統一協会側から買ったものだ。自称メシア同士が持ちつ持たれつの関係にある」。統一協会は故文鮮明氏を再臨のメシアとして崇められているからだ。
また「統一協会傘下の病院は非常に山奥にあり一目に付きにくい。イ・マニ氏が捜査から逃れ、マスコミの追及から逃げるには格好の場所だ」と指摘した。教理的にも似通ったところが多い。
新天地の教祖は89歳となり、確実に最期の時が迫っていることは事実だ。混乱に乗じて分派の動きも注目されている。新天地問題はしばらく韓国社会を賑わせそうだ。
この記事は日本の読者向けに韓国のキリスト放送(CBS)ノーカットニュース7月16日号を一部編集しました。韓国は数え年の国なので生まれた時に年齢を1歳と数えることがあります。現地報道では李萬熙氏を90歳と報じるメディアもありますが本紙はわかりやすくするために一般的な年齢の数え方で紹介します。