二代目再臨のメシア韓鶴子総裁が宣言 4月4日公式決定 “77億の人類を抱くために”

世界平和統一家庭連合の最高権力者である韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁。新名称は「天の父母様教団」どのタイミングで公式サイトに反映されるのかは不明だ(同教会の専門チャンネルより)

「統一教会」の名で知られる「世界平和統一家庭連合」は、最高指導者で同教団創設者、故・文鮮明氏の妻で二代目再臨のメシアとして実権を握る韓鶴子(ハン・ハクジャ)氏による「重大な内容」という公文を4月1日、世界各国の支部へ通達。「真のお母様特別メッセージ」の題目で教団名を変更すると宣言した。

韓国本部の放送では、「世界7の圏域総会長及びUPF議長らが出席した千日国指導者特別会議(テレビ電話会議)を通じ(中略)真のお母様(韓鶴子)は、まだ77憶の人類を抱かなければならない席にいるため、彼らを抱くまでは、これ以上統一教会ではなく、家庭連合でもなく、天の父母様教団に名称を変更する。英語ではヘヴンリー・ペアレント・チャーチ(Heavenly Parent Church)と呼ぶ」とメッセージが読み上げられた。

日本家庭連合会長・徳野英治氏(公式サイト上表記通り)も教団の放送で「重大な内容が世界本部から届いた。4月4日正式な公文が届き確認した」と新名称について認めた。緊張した面持ちで「2027年まで第60回、真の天の父母様の日を迎えるまで「神様」が「天の父母様として」天上と地上に完全に実体的に安着される神統一世界を創建されることを闡明(せんめい=明確にする)されました」と語った。

このメッセージは韓鶴子氏が権力を一層誇示するための戦略の一つだと考えられる。情報筋によれば、対立している7男の文亨進(ムン・ヒョンジン)氏を牽制する狙いがあるという。文亨進氏は生前の文鮮明氏から同教団後継者として任命されたものの、母、韓氏と対立し、旧統一教会分派教団「サンクチュアリー協会(正式名称:世界平和統一聖殿)」を設立。指導者(第二大王様)として米国を拠点に活動している。母(オモニ)韓氏を「摂理を失敗した人物」と批判している。韓鶴子氏は夫・文鮮明氏の生前、「世界基督教統一神霊協会」時代から、組織内で「真の父母様」と呼ばれ、夫とともに祝福結婚(合同結婚式)を司るなど権威づけが図られてきた。

旧統一教会を脱会し、その教えをまねて自己流の宗教団体を設立した韓国人教組は大勢いる。韓氏からすれば、神格性を否定し、「統一」の看板を背負ったまま分派を設立した7男文氏は目障りなのであろう。このような動きを意識し先手を打った可能性がある。韓氏は、統一教会というブランド名をあえて捨て、自分を神とする教団名に切り替えたことでこの教団の信者はさらに厳しい献金ノルマや締め付けに直面するはずだ。

実際に地上天国の完成が2020年から突如2027年に引き延ばされ、次は教団名も変更となると食口(シック)と呼ばれる信者たちに大きな負担と混乱が起きる可能性がある。二世問題も社会問題として注目されつつある。信仰心だけで教団は維持できなくなったことは言うまでもない。今まで「統一」の名で通っていたものが完全に教祖・韓鶴子氏を賞賛する教団名になったことで今まで以上に社会から批判を受け、活動が困難になるのではという声もある。

韓国の教団放送で語られた教祖韓氏の代理メッセージでは、「キリスト教は2千年間多くの教派に分かれた。人の手によって作られたキリスト教は希望がないものだ」「コロナウイルス感染拡大でキリスト教は大きなミスを犯した」と既成教会を批判。「万物の所有者である創造主と天の父母の願いを叶えていくことが責任だ。地上にいる間は宗教を統一し、思想、政治、経済をすべての面で一つとする制度を作る」と宣言。「天の父母教団の名ですべての国に根を下ろしなさい」と指示した。

同教団の公式サイトは4月6日現在、新名称「天の父母様教団」ではなく従来とおり家庭連合のままだ。サイト内で名称変更について具体的な説明もない。日本国内の支部も同日現在、従来通りの看板を掲げていることを確認した。

本紙が入手した最新情報によれば、韓国の幹部らは新名称変更を歓迎し、韓鶴子氏を称賛するコメントを発信していることがわかった。