救援派(クオンパ)から「イースターカンタータ」公演のチラシが教会に届いた、との通報が各地から寄せられている。クオンパは韓国主要教団から「異端」と規定されている3つの団体があるが、その中でクリスマスやイースターにカンタータ公演を開催するのはグッドニュース宣教会(喜びのニュース宣教会)。日本では宗教法人東京恩恵教会、IYF(国際青少年連合)、CLF(クリスチャン・リーダーズ・フェローシップ)、キリスト教指導者連合、韓国キリスト教連合(KCA)など様々な名称で、朴玉洙(パク・オクス)代表の講演やキリスト教指導者セミナーなどのイベントを活発に展開している。

グッドニュース宣教会は「クオンパではない」と主張するが、クリスチャンを伝道のターゲットに既成教会の牧師や信徒を勧誘するのがクオンパの特色。地方自治体や教育委員会の後援を受けてイベントを開催し、宗教活動をしないとの約束に反して朴玉洙牧師の著書を配布するなどした前歴もある。

コロナ禍でオンライン聖書セミナーへの勧誘などが活発化していたが、政府からコロナ感染対策の緩和方針が出されるやカンタータ公演を再開させるものと見られる。チラシは地方により異なるが、主催は「劇団麦わら帽子」と記載されている。全く同名のキリスト教主義大学の劇団もあるので紛らわしいが、カンタータの主催団体はインスタグラムで「世界的に活動しているグラシアス合唱団の傘下劇団です。ミュージカルや演劇、ダンスなどの公演をしています。通常は、年に2回ほど全国ツアーを行っています」と紹介している。「グラシアス合唱団」はグッドニュース宣教会の関連団体だ。別のチラシでは、共催として「CLFChristian Leadership Fellowship)」「宗教法人東京恩恵教会」と印刷されたものもある。

チラシによると、今回のイースターカンタータ公演は317日から419日まで、全国15都府県の19会場で予定されている。チラシには「イエス・キリストの誕生から復活までの物語」などと記載され、見ただけでは普通のキリスト教と変わらない。このため、過去にはチラシを受け取った教会が、異端規定されているグループとは分からずに教会員に案内してしまった、という例もあるので注意が必要だ。