二代目再臨のメシア韓鶴子氏が宣言した新名称「天の父母様聖会」(統一教会専門チャンネルより)

 旧統一教会創始者で再臨のメシアとして信仰される故文鮮明(ムン・ソンミョン)氏の妻で二代目再臨のメシアとして実権を握る韓鶴子(ハン・ハクジャ)氏の「宣言続き」に教団が追いつけない様子だ。韓氏は真(まこと)の父母様として崇められ、自分自身を神として自認した上で発言を続けている。

4月1日には「重大な内容」とする公文を発表、世界各国の支部は「真のお母様特別メッセージ」として教団名を世界平和統一家庭連合から「天の父母様教団」に変更すると発表。本紙でも報じたばかり。ところが、この宣言から一月足らずで教団名を「天の父母様聖会」にすると宣言したのだ。

韓鶴子氏は今まで何度も「新たな摂理」という言葉を使い、いわゆる「地上天国の完成」(世の終わり)を先延ばししてきた。予定では2020年が地上天国完成の年だった。しかし、2月5日から9日にかけて韓国で行なわれた「故・文鮮明生誕100周年」を祝うビックイベントで新たな摂理として2027年を目標とする韓鶴氏のみ言(みことば)が宣言された。

新教団名の発表は5月16日付けの統一教会専門チャンネル「HJグローバルニュース」で報じられた。韓氏は「天の父母様が夢見て来られたその愛の実践場は、天上ではなく地上です」と語った。幹部信者らが聞き逃すまいとメモを取る様子が印象的だった。その上で、最後に「2027年(地上天国完成の日)に向け世界平和統一家庭連合をはじめとするすべての組織と団体は「天の父母様聖会」(英名:Heavenly Parent,s Holy Community)の傘下に入ることを宣言した。4月4日の宣言では教団名を世界平和統一家庭連合から「天の父母様教団」に改めることを明らかにしたが公式サイト上で「天の父母様教団」と表記されることもなく現在も変わっていない。教団内で調整に時間が掛かるものと思われる。

アージュクリームとアージュ靴下。統一教会の関連企業が販売している。(写真:家族会提供)

4月4日に内部決定したはずの「天の父母様教団」はたった一ヶ月足らずで消滅したことになる。2023年にまた摂理と称する計画があることも示唆した。この計画については「2023年にこの美しい季節に天苑宮、特に天の父母様に侍ることのできる聖殿である天一聖殿を奉捧して差し上げようと思います」と述べた。なにかを建設する模様だ。さらに2027年は「天の父母の日」に定め、韓氏が地上で最後の年になることを公言した。締めくくりには「アージュ」。これは統一教会専門用語で「アーメン」にあたる言葉だ。アージュクリーム、アージュ靴下という関連企業販売の製品があるほどだ。

今決めてしまった・・・。新しい摂理2023年に何かを建設する模様だ。(統一教会専門チャンネルより)

さらに本紙が入手した情報では、日本人向けの放送でカットされていた部分に「歴史を通じてみる時、救援摂理の蕩減復帰歴史は、多くのミスと遅延をもたらしました。特に、再臨主という方、その方の責任はキリスト教基盤を通じて完成できなければならなかったが、そうなることができない状態で、1960年、真の父母は世界に向かって走り始めました。54年間走り始めて、2013年1月13日、基元節のゴールは誰がしましたか? お母様だけがゴールしました。」(統一教会専門チャンネル原文のまま)と自画自賛する韓氏のメッセージを確認した。

ここで語られた再臨主とは、夫で死去した文鮮明氏のことと思われる。このように生前はメシアとして称えていた夫の「メシア性」を否定し、自分がメシアであることを誇示しているのだ。

新しい摂理と教団名の変更続き。信者たちはいまだ厳しい献金ノルマと組織への忠誠が求められている。統一教会の動きから目が離せない。