統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の解散命令請求について、東京高裁(三木素子裁判長)は3月4日、教団側の即時抗告を棄却し、解散を命じた東京地裁判決を支持する決定を言い渡した。教団が最高裁に不服申し立てをするかにかかわらず、宗教法人格を失うことが決まった。
統一協会問題に20年以上にわたり取り組んできたジャーナリストの鈴木エイト氏は、「統一教会の解散命令の決定を受けて」と題するコメントを発表した。司法が適切な判断をしたことを評価するとともに、「解散命令で終わりではなく課題は山積しています」として残された課題を指摘した。

統一教会の解散命令の決定を受けて
鈴木エイト(ジャーナリスト・作家)2026.03.04
本日3月4日、東京高等裁判所は統一教会(世界平和統一家庭連合)が申し立てていた即時抗告を棄却、宗教法人としての解散命令の決定を下しました。私個人としても、2002年に街頭での組織的な偽装勧誘の現場に遭遇して以降、偽装勧誘、霊感商法、高額エンドレス献金収奪、2世問題といった統一教会の諸問題に関わってきました。その闘いが一段落することになります。多くの若者がカルトの網に絡めとられ人生を奪われてきました。その被害を目の当たりにしてきて、孤軍奮闘していた時期から、現在までの過程では、教団を政界との癒着に直面し途方に暮れることもありましたが、こうやって司法が適切な判断をしてくれたことに安堵します。但し、教団サイドからは高額なスラップ訴訟を複数起こされており、法廷での闘いは続きます。清算手続きが円滑に行われ、恒久的な被害賠償がなされるよう注視していくことが必要です。また、清算後の残余財産が関連宗教法人に帰属してしまわないよう被害賠償のための財団の設立も検討されるべきです。
山上徹也被告による安倍晋三元首相銃撃事件が起こったから統一教会に解散命令が出されたという短絡的な理解や主張には注意が必要です。あのような悲劇的な事件が起こる前に、統一教会へ解散命令が出されていれば被害回復が進み、政界との関係もここまで深化することはありませんでした。教団に対しては適切な判断がくだされた一方、政界の関与に関しては、おざなりな自己申告点検が行われただけで、歴史的・構造的な調査が行われないままとなっています。
また、同様の問題を繰り返さないために、カルト問題を網羅する国の機関も必要です。
教団関係者やシンパによる誹謗中傷も変わらず続いており、過激化しないよう規制していく必要があります。
現役2世たちが性質の悪い周辺の人物の悪影響を受けないよう、護っていく必要もあります。解散命令で終わりではなく課題は山積しています。


