韓国の新興異端「新天地」の動きが活発化している。

日本には非常に危険な韓国発祥の異端・カルトが入り込んでいます。その中で特に活動が活発な団体があります。それは新天地(しんてんち)というグループです。日本でも約10年前からキリスト教メディアを通じてその問題性に警鐘を鳴らしてきました。それにも関わらず、新天地の勢力は衰えずさらに巧妙に活動範囲を広げています。特に早稲田大学のすぐ近くに拠点を構える新天地の教会には多くの学生、若者が連日のように出入りしています。

新天地の教会が入るビルの下で学生を迎えるために立哨していた韓国人信者たち。

ご存じの通り、カルトに陥った人を救出することは容易なことではありません。だからこそ、若者が新天地の教えに溺れないよう私たち教会、牧師はしっかりと学び予防する必要があるのです。今回は日本の牧師向けに新天地の正体と対策について解説します。

新天地の核心的な教理について

新天地の教祖は韓国人の李萬煕(イ・マニ、1931年9月15日生まれ)を「助け主」「勝利者」として完全崇拝しています。彼の説教と礼拝を通じて歌われる讃美歌の歌詞を見れば、賛美の対象が「神」ではなく「教祖イ・マニ」に捧げられていることが分かります。新天地のすべての信者はイ・マニを神と同格に据え、モーセの十戒の第1、第2の戒めに反する偶像礼拝を推奨していることになるのです。講義の最終章ではイ・マニは再臨のキリストと同格に教えます。これは内部で秘密裏に教授されます。

新天地の礼拝で歌う賛美歌 「天下万民たちよ シオンの山に登って今日生まれたマニ(イ・マニ)王を喜びで迎えよう。今日生まれたマニ王を賛美し礼拝しよう」

肉体永生教理である

教祖のイ・マニは現在87歳の高齢者である点を考えると、今後数年以内に死去することは確実です。ところが、新天地の教理ではイ・マニは決して死なないと教えています。そして、新天地に入信するすべての信者も肉体的な死を見ないという教理に洗脳されてしまいます。そう遠くない日にイ・マニの死を目撃する信者たちは偽りの教えに目覚め、大量の信者が脱会すると考えられています。韓国では崩壊後の対策を具体的に話し合う専門家や団体も増えてきました。もちろん、教理を土壇場で変えて組織を守ろうと第二の新天地(分派)が誕生する可能性も高いです。日本の教会もその受け皿を準備できているでしょうか。

教祖のイ・マニ氏。内部的では再臨のキリストだと教えている。(画像:教会と信仰より)

彼らにとっての地上天国(新天地)すなわち天国は韓国である

統一教会の故・文鮮明、キリスト教福音宣教会(摂理)のチョン・ミョンソク、その他にも多くの韓国異端の教祖は、地上天国が韓国の地に建設されるという教理で信者を教育しています。彼らは黙示録7章2節に登場する「日の出る方」を韓国だと解釈して韓国が地上天国と主張しています。もちろん、日の出るところと韓国はなんら関係も根拠もありません。

14万4千人だけが救われるという教理を持っている

聖書に出てくる14万4千という数字は古くから異端が使う常套的な教えのひとつです。ヨハネの黙示録7章4節に登場する神の刻印を受けた人が14万4千人という数字を引用し、その中に入るためには実を結ばなければならないと強調します。信者は14万4千の枠に加わりたいために互いに競い合い、組織はそれを利用して忠誠心を植え付けます。

参考ページ 素人でもできる 異端の教えの見分け方

新天地はどのように伝道(勧誘)するのか

今日までのいわゆる異端、カルトは戸別訪問、路傍伝道(声かけ)、サークル勧誘などで興味を持った人と関係を結ぶことで彼らの勢力を拡大させてきました。ところが新天地は違います。彼らの伝道は、徹底教育・訓練された新天地の信者を私たち既成教会に「収穫の働き人」としてスパイ工作のように潜入させ、その教会の善良で有能な信者を装い(何年もかける場合がある)、牧師に対する不満、偽りの情報を信徒間に拡散させて教会を荒らし、破壊してしまうのです。「教会分裂、破壊」が主な戦略です。もちろん、クリスチャン以外の一般を対象に新規獲得も行います。

教会に入り込む新天地側の信者は、ほとんどの場合「韓国人」が中心です。日本人、中国人のケースもあります。新来者を装い、すぐに教会と打ち解け、周囲から「いい人だね」と評価されます。そして教会の中核的な役割に就こうとします。実態に詳しい専門家によると「なにか不自然さ」があるそうですが、見抜くことは困難です。組織的にひとつの教会に入り込みます。

彼らの勧誘はありとあらゆる方法を使い動員します。我々の教会の概念とは比較にならないレベルの「戦略的な工作」を行います。訓練された収穫の働き人は見た目や様子で「新天地側の人間」だと見抜くことはほぼ不可能です。キリスト教書店の店内で新天地の信者が一般客を装って待ち伏せし、買い物にくるクリスチャンに近づき言葉巧みに彼らの聖書勉強を勧めた例もあります。明らかにクリスチャンをターゲットにしていることがわかります。ネットの情報交流サイトでも活発に勧誘しています。ただ、表向きには新天地だと名乗りません。

新天地の聖書勉強はまさに麻薬のような比喩(たとえ)の解き明かし

我々クリスチャンはいくら長く教会に通っているとはいえ、聖書に対する疑問は誰もが大なり小なり持っています。疑いというより聖書のたとえ、何を示しているのかわからない数字、終末に関する出来事・・・。新天地はその謎、疑問をうまく刺激し、従来の教会ではあまり取り上げない教えについて質問攻めにします。突然町に現れて高齢者を中心に健康関連商品を売りつけるグループを見たことがあるでしょうか。彼らの巧みなセールストークに騙されて次々に買わされてしまいます。新天地の手口はこの手法によく似ているのかもしれません。

クリスチャンは何も分かっていないではないかと新天地は既成教会の神学的限界を突いてくるのです。牧師には解けない(そう錯覚させる)疑問を彼らは解き明かしているように思わせます。人は新しい教えに触れると「感化」されやすい傾向があります。そうなると急に批判的になり、人が変わったように攻撃したり口調が強くなったりすることがあります。教会への「がっかり感」が膨らみ、自分が信じてきた教会と仲間たちに不信感を抱くようになるのです。新天地は黙示録などの象徴的表現やたとえ話に彼らの独自解釈で具体的な意味づけをして解いていくので、好奇心にかられ麻薬のように癖になってしまいます。一度陥るとなかなか抜けられないのです。

表向きは普通の教会に見えるが…..実は新天地の教会だ。確認しても「違う」「知らない」と答えるが実はイ・マニ教祖の教えに導いている。若者の出入りも激しい。(新宿区西早稲田)

新天地に陥ると

組織に入り込むと学生は勉強をする意味、目的を失いはじめます。主婦は家庭がどうでもよくなり、サラリーマン(仕事をしている人)は職場に魅力を感じなくなります。働く意欲を失うのです。新天地はまもなく地球の歴史が終わる終末が迫っているのにあなたたちはなにをしているのかという論理で組織だけに価値を見出すよう教育していきます。それだけでも私たちから日常を奪うことが分かります。

ビルの中にある礼拝堂入口。

牧師たちはどうやって新天地から教会と信徒たちを守るべきか

まず、牧師たちが異端に対する関心をしっかり持つことが先決です。国内で活動する異端、カルト教団の動向を信頼できる機関(クリスチャン新聞キリスト新聞等。本紙もその役割を担うために全力で取り組んでいる)を通じて、信頼性の高い情報からしっかり学ぶ必要があります。ネットには異端を擁護する牧師や異端側が情報を混乱させるために虚偽のニュース、資料を数多く発信しており、検索して片手間に読んだだけではこれらの問題に対応することはできなくなりました。異端は既成教会と比較にならないほどインターネットを駆使しています。最先端を歩んでいるといっても過言ではありません。だから素人がむやみに判断しようとすると、かえって異端からの発信情報にひっかかり騙されてしまうリスクが高くなります。

韓国人(中国人)の新来者が来た場合は、特に念入りに元所属教会を確認しましょう。相手の教会に電話をしての確認も必要になります。これは牧師以外にはできないので牧師の仕事です。疑うことは辛く気が進みませんが、「予防」するためにはどうしても必要です。この時点で仮に変だと思ったらすぐに異端カルト110番に相談してください。

牧師は自分の教会の信徒に次のように指導するべきです。指導を怠れば取り返しのつかない悲劇を迎える可能性があります。新天地はどの教会に潜入するべきか常にモニターしています。対岸の火事と思っていては手遅れになります。日頃の備えがものをいう時代です。そこで、信徒には牧師、リーダーなどに秘密にして教会外で聖書勉強を受けないように指導してほしいと思います。教会員同士の日常的な交わり、プログラムのことを言っているのではありません。新しく来た韓国人クリスチャン、または長く教会に所属している人でも、教会側には「言わないで」「二人だけの秘密にしようね」などと言って信徒と聖書勉強を始めたら「新天地」の可能性大です。LINE交換、メール交換も不用意に行うべきではありません。

ただ、指導方法を誤ると単なる差別になってしまう可能性があるので、「勧め方」は慎重に行いましょう。また、韓国人、中国人(日本人もあり得ます)だからと言って警戒する際に気を付けないと差別になることもあります。相手が異端ではない場合もあるからです。新天地のすべては「聖書講義」という入り口から始まります。この教えを受け、組織の人間になるからです。教会外での学びに誘い出したら警戒しましょう。

牧師は信徒と信頼関係を築き、このような勧誘を受けた場合に相談できる体制を用意してください。また、勧誘を受けた場合は大騒ぎするのでなく冷静になって誰にどんな方法で勧められたかを具体的に聞き取りましょう。ネットに書き込んだり無下に批判することは避けてください。彼らは核心的な教理を聞いた信者がそこの問題に気付いて抜けた場合、執拗に付け回すことがあります。教会に来たり、脅しのような手紙を渡したり送ることがあります。一般の教会でこのような問題に対処できる知識はほとんどありません。やはり専門機関に相談し日頃から繋がっておきましょう。

牧師たちは人生の教訓的説教も大切ですが、救いに関する基本的な教理も絶対におろそかにしていけません。信仰によって受けた救いの感激と喜びが説教者から常に語られるようにしましょう。教会の奉仕に疲れ、イベントや責任で何のために教会に来ているのかわからなくなる信者は多いと思います。憔悴しきった日本人の信者は異端の格好のターゲットです。そこは日本の教会、牧師の責任なので自覚しておく必要があると思います。
異端(カルト)被害は私たち教会の無知と無関心によってはびこっていくことを忘れてはいけません。最低限の情報でも異端予防に大きな効果を期待できることがあります。本紙異端カルト110番のニュース、情報をぜひ活用し危険から守っていただきたいと願います。

異端カルト110番代表 張清益(とねりキリスト教会牧師:日本キリスト教異端相談所所長)

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