女性信者らへの準強姦など性的暴行の罪で、懲役17年の実刑判決を受け上告していた摂理(JMS、キリスト教福音宣教会)の総裁鄭明析(チョン・ミョンソク)被告に対し、韓国の最高裁2部(オ・ギョンミ裁判長)は1月9日、上告を棄却する判決を言い渡した。韓国メディアが同日、一斉に報じた。昨年末にチョン被告側が提起した違憲審判も棄却した。これで懲役17年の刑が確定し、チョン被告はすでに拘束された2年を除き15年服役することになる。チョン被告は現在79歳。刑期満了時には94歳となる。
聯合ニュースは、実名で告発した香港籍の被害女性メイプルさん(30)が記者会見で、「複雑で長い戦いが今日終わりました。国民の皆様の関心とご支援に感謝します」と笑顔を見せた、と伝えた。メイプルさんは「香港で過ごす間、精神的に大変だったし、進路問題のために将来について途方に暮れていました。 今も仕事が見つかりません。 それでも、もうすべてが終わったので、新しく始められると思う」と心情を明かし、「正義が本当にあるという事実を知った。もちろん3年間受けた傷が回復することはないが、これ以上チョン氏から被害者が出ないという事実が保障されて幸いです」と話したという。
チョン総裁は2009年、女性信者に対する強姦致傷などの罪で懲役10年の実刑判決を受け服役した。しかし、2018年に出所後も、忠清南道(チュンチョンナムド)の月明洞(ウォルミョンドン)にある修練院などで23回にわたり、メイプルさんに性的暴行を加え、オーストラリア国籍のエイミーさん(31)と韓国人の女性にも性加害を日常的に行っていたことが明るみに出た。
チョン被告はこの事件の他にも、同じ時期に他の女性信徒たち10人に性的暴行をした容疑で追加起訴され、大田地裁で審理が継続している。JMS被害者を支援してきた檀国大学のキム・ドヒョン教授は、「JMSと類似した事件が起きないように、宗教を利用した犯罪に対しては加重処罰を下すことができる、立法的補完が必要と見られる」と語ったと、聯合ニュースは報じている。