自称キリスト教メディア「クリスチャントゥデイ(CT)」が、本紙の根田祥一編集顧問が脱会者ブログ「ダビデ牧師と共同体を考える会」の証言をSNSで拡散させた行為は名誉毀損だとして損害賠償を求めた訴訟で、117日、根田氏は最高裁判所に上告理由書・上告受理申立理由書を提出し、張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏を再臨のキリストと密かに信じさせているダビデ牧師「共同体」の本質は今も変わっていない、と主張した。

英語圏では「デビッド・ジャン(ダビデ張)」と名乗る張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏は「疑惑の牧師」
としてメディアに報じられている(THE ROYS REPORT July 8, 2022、Photo by Wikipedia)

一審の東京地裁判決は、CTと関連組織(共同体)において張牧師を「再臨のキリスト」と信じさせられたメンバーらが、峯野牧師に秘して淀橋教会に行った(一部は所属した)ことを事実認定した。しかし、二審の東京高裁判決は、平成162004)年ないし平成172005)年頃に元信者の2人の証人が経験した事実を認定したものの、証人らが脱会後の2019年に開設されたブログ「ダビデ牧師と共同体を考える会」において、脱会者らが証言した時期にこの事実を推認することはできないとして、名誉毀損に当たると判示した。

これに対して、根田氏は上告審に、「相手方(CT)の張在亨との関わり、共同体メンバーによる無償労働等の問題とされる行為につき過去の時点において認めたにもかかわらず、本件各投稿時において真実性を認めなかった点は、経験則に違反し、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反がある」などと主張。また、米国の「共同体」関連組織において、詐欺、マネーロンダリング、労働者人身取引、無償労働、留学ビザ詐欺などの犯罪行為が多数問題化していることも指摘し、詐欺行為の証明はないとした判決の誤りを正した。

また、原判決が、CT社長の矢田喬大氏、創設時の社長だった高柳泉氏が「張氏を再臨のキリストと信じる信仰を有していない」と証言したこと、CTウェブサイトにおいて2008年、張牧師は再臨のキリストではない旨の見解を表明したことを理由に、継続的に異端信仰を秘して峯野牧師を騙したとの事実を真実と認めることはできない、と認定したことに対して、「信仰は、容易に変更できるものではなく、信仰を捨てるなどの決定的な事情の変更がない限り、どれだけ時間が経過しようとも事実の重要部分に変更はないと考えるのが論理則・経験則といえる」と主張した。

他方CTは、昨年1217日、根田氏に対し新たに民事訴訟を提起した。ハンドルネーム「なんと」がTwitterに投稿した「クリスチャントゥデイの母体は完全な破壊的カルト集団」などの表現を、根田氏がリツイートした行為は名誉毀損だとして、110万円の損害賠償を請求したもの。

根田氏は、「これまでの(第一次)訴訟で、CTと張氏の共同体が、張氏を再臨のキリストと信じさせていること、内部で無償労働や学生にカードローンを組ませるなどして無理な献金を強要したことなどの核心的な事実が認定された。そうした実態がまさに『破壊的カルト』に該当することを立証していく」という。「皆さんのご協力をいただき、裁判費用もこれまでのところ賄うことができましたが、第二の訴訟を闘い抜くために一層の支援と祈りをお願いします」と訴えている。

【裁判の支援宛先】
銀行名:ゆうちょ銀行
店番:008
口座種類:普通
記号番号:10010
口座番号:61980881
口座名義:日本キリスト教異端相談所
カナ:ニホンキリストキョウイタンソウダンジョ

(「裁判支援」と指定)