2024年9月15日
超教派宣教協力を進める上で、非聖書的な運動、カルト問題への憂慮が高まっている。このような問題のうち特に「新使徒運動」について問題点を考える「非聖書的および新使徒運動問題の講演会」が8月30日、大阪市の大阪クリスチャンセンターで開かれた。大阪ケズィック・コンベンション総務委員会、大阪宣教祈祷会役員会、大阪朝祷会、ジャパンミッションセンター理事会、福音宣教協力会常任委員会が共催。
この集会は、超教派で幅広く活動してきた伝道者、有賀喜一牧師が、近年「新使徒運動」やカルト的運動に関与する人物やグループにかかわりをもっていることを、複数人の牧師が憂慮し、有賀氏と会合を重ねる中で、8月13日に関係断絶を宣言する誓約書に署名するに至ったことに基づき、「日本の教会のため、有賀氏が良き働きを全うするため」(主催者)に、開催された。さまざまな教派の牧師や神学校関係者など、約110人が集まった。
誓約書では「私は堅く聖書信仰、万事聖霊できよめに立って主と教会に仕えて参りました。ここ5年前から、新使徒運動やカルト的な背景をもった教会や働きに知らずにかかわって来たことを深く悔い改め、ここに関係を絶ち、今後の働きは、本来の聖書信仰、聖霊のくしき、導きに従って生涯を全うすることを誓約いたします」と述べている。証人は、富浦好之(JEC・国分福音教会牧師)、鎌野善三(日本イエス・キリスト教団西宮聖愛教会牧師)、金沢泰裕(宗教法人イエス教日本世界宣教会大阪弟子教会牧師)の3氏。
集会は、司会を金沢氏が務め、安田正氏(グレース宣教会牧師)の祈祷でスタート。まず富浦氏が「良い地に蒔かれた種」(ルカ8・8、15)と題した説教で、「良い実を結ぶためには、聞き方に注意すること、誠実に生きることが大切」と語った。
続いて有賀氏による報告。さまざまな教会や集会に招かれる中で、「新使徒運動」やカルト的運動に関与する人物やグループに関わりをもってきたことを認め、悔い改めとともに今後の関係断絶を宣言した。
次いで、坂本兵部氏(日本基督教団葦のかご教会牧師)が「『新使徒運動』のパン種は私たち牧師の罪です~教会を『カルト化』から守るために~」と題して講演。さらに尾山謙仁氏(厚木聖書キリスト教会協力牧師)が、関連教会の牧師が新使徒運動に傾き、教会が変質してしまったさまを具体的に証言し、その結果としてもたらされた分裂や痛みを分かち合った。
それを受け、小平牧生(キリスト兄弟団西宮教会牧師)、平岡修治(バプテスト教会連合橋本バプテスト教会粉河チャペル牧師)、鎌野、村上好伸(単立カリスチャペル創立牧師)の4氏が登壇。それぞれの立場から、今回の課題をどのように受け止め、今後どう対処していくべきかを提言した。
集会の最後は、大久保みどり氏(単立・主イエス・キリスト教会牧師)が終祷で締めくくった。