統一協会(現・世界平和統一家庭連合)の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が9月17日、韓国特別検察に出頭し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)・金建希(キム・ゴンヒ)前大統領夫妻に金品を提供した政治資金規正法違反で聴取に応じたことを受け、特別検察は翌18日、韓鶴子氏に対する逮捕状を請求した。
日韓メディアが、宗教組織トップと政権の癒着にメスを入れる異例の捜査と報じるなか、統一協会内部では信者らに「韓鶴子総裁 拘束令状棄却」の嘆願書を書くよう督励していることが明らかになった。
韓国の異端・カルト問題専門メディア「現代宗教」が、統一協会が今の状況で嘆願書作成を信者に呼びかけた意味を報じた。以下、現代宗教の記事。
現代宗教
2025年9月18日
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世界平和統一家庭連合(統一協会)が「韓鶴子総裁 拘束令状棄却」のためのグーグル(Google)嘆願書作成を督励している。
韓国語、日本語、英語で書かれた嘆願書提出の要請文によると、83歳の韓鶴子の健康状態にもかかわらず、特検に自ら出頭して調査を受け、逃走や証拠隠滅の恐れがない状態で拘束請求が過度な措置だという内容を含んでいる。
韓鶴子総裁のいない統一協会は考えられないため、多様な出口戦略を模索しているものと見られる。
進退両難だ。 韓鶴子は統一協会の「再臨主、メシア、神様」であり「6千年ぶりに誕生した独生女」だ。 これまで誰の指示も受けたことのない統一協会の絶対権力であるため、特検の召喚に応じることはできなかった。 もし特検が要請に素直に応じれば、自分の宗教的指導力に亀裂が生じかねないからだ。 しかし、特検の召喚を避けることもできない状況であるため、17日に自ら出席する形で特検に取り調べを受けたのだ。 しかし、今は拘束令状が請求された状況だ。 山を越えて山だ。
しかも内憂外患だ。 内では実の息子たちとの後継戦争を繰り広げており、外では安倍晋三殺害事件によって統一協会の最大基盤である日本の宗教法人が解散され、米国の財産関連訴訟は三男の文顕進(ムン·ヒョンジン、グローバルピース財団議長)に敗訴し続けており、今は根拠地である韓国さえも不法政治資金提供疑惑によって絶体絶命の危機状況を迎えているためだ。 韓国、米国、日本の基盤の弱体化は、韓鶴子統一協会の没落につながりかねない。
原理講論の核心教理である統一協会·地上天国の建設のために、過去50年間、統一協会は政治権力との不適切な癒着を止めなかった。 統一協会の運命であり宿命。 そしてついに今日、その内幕が徐々に現われている。 生きている神・韓鶴子の出口戦略が気になる。
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以下は、韓国語・日本語・英語で書かれたグーグルフォームの嘆願書。
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嘆願書記入の督励と併せて、統一協会内部では「真のお母さまの特検出席を振り返って」と題する文書がキム・ドンヨン副協会長名で「愛する食口のみなさま」宛てに流布している。
同文書は、真のお母さま(韓鶴子総裁)が健康が完全に回復していないなか、特検に「自主出席」し、陳述拒否権を行使せず9時間30分に及ぶ検事の質問や調査に応じたとし、「真のお母さまは調査中にも特検検事たちに天のご父母さまと真のご父母さまの摂理を説明しました。 特検が質問する席が真のご父母さまの教えが伝えられる席に変わるのを見て、私たちは真のお母さまの大胆さと天のご父母さまに対する絶対的な孝情(ヒョジョン)を深く感じることができました」などと“揺るぎなき答弁と対応”を讃えている。
韓鶴子氏は、特検から出頭を要請された翌日の9月2日に緊急入院。「心臓の手術を受けた」などとして、病気を理由に3回にわたり出頭を拒んできた。