ある韓国系の教会に行っていたが、
その教会のルーツは、韓萬栄(ハン・マンヨン)牧師が1990年代に韓国・ソウル市で始めた「ソウル復活の教会(現・ソウル大峙純福音教会)」。今は健全な教会として知られているが、過去にはハン・マンヨン牧師の異端疑惑について論争があったのも事実。ハン・マンヨン牧師は2007年に死去したが、その教えの影響が日本の関係教会に残っているということなのか?
2005年当時、ハン・マンヨン牧師の異端疑惑について取材したキリスト教ポータルニュースの記者(現在は牧師)チョン・ユンソク氏から、当時の記事を送ってもらった。
「天国に行けなかった魂が祈ったら昇天」
チョン・ユンソク 2005.07.28
ハン・マンヨン牧師「私に生殺与奪権がある」と主張
「金正日も私の一言で死ぬ」、「私は悪魔も呼び出して地獄に送りこむ」、「天国に入れない聖徒がいるのを幻の中に見て私が祈ってあげたら天使が彼を支えて昇天した」、「神様が私に生殺与奪権をくださった」……韓萬栄(ハン·マンヨン)牧師(ソウル復活の教会、現在ソウル大峙純福音教会に改名)が自分に「生殺与奪権」があると説教するなど、「鬼神派」金基東(キム·ギドン)氏の「亜流」とも言える荒唐無稽な主張をしてきたことが最近確認された。
ハン牧師のとんでもない主張は、1995年の説教から2005年5月の週報に書いた牧会コラムまで明らかになっている。 問題は、このようなハン牧師が今まで何の検証もなしに韓国教会の一員として活動をしてきたという点だ。 ハン牧師の教会がCBS、FEBC放送などに「良い教会」などと紹介され、CBSでは現在まで月曜日にハン牧師の説教が放映されたりもしてきた。 教界の有名人たちが集会を導くためにソウル復活の教会を訪れ、ハン牧師自身も数年間、他の教会に集会講師として招待されてきた。
また、ハン牧師は、ソウル復活の教会が位置する大峙洞(デジドン)地域で、大峙地域教会連合会の会員教会としてソウル教会(イ・ジョンユン牧師)など有名教会と肩を並べているのが実情だ。 最近は、イエス教長老総会を脱退し、キリスト教大韓神の聖会(総会長ソ・サンシク牧師)に加入するための手順を踏んでいる。
しかし記者が最近入手したあるハン牧師の説教・講演テープを聞いてみると、既成教会では納得できない荒唐無稽な内容が入っている。 問題になる説教の核心ポイントは、自分が地獄に行けと言えば地獄に行き、呪われよと言えば呪いが下されるなど、信徒であれ悪魔であれ、彼らの生殺与奪権を握っていると主張するという点である。 彼の説教はこうだ。
「金正日(キム・ジョンイル)総書記も私の一言で死にます」
「そこで私が知ったのは何か。 ああ、私が一度呪ったらあの人が死ぬだろう。 金正日を殺すのはすぐです。一瞬で殺します。一言の言葉で死んでしまいます。しかし、神様の御心があるので、我が民族を祈らせようとするご意志が何かあるので、それで放っておいたほうが良いと思って放っておいています。ただ一言で金日成はすぐに殺してしまえます。使徒は生殺与奪権を持っていましたね。 まさにそれです。神様が私に生殺与奪の権をくださったんです。ただ一言だと···。あれはダメだ。あの人がいては、教会の癌的な存在であって、あなたはだめだ。「あなたの身をサタンに渡す」と言えば、その場で終わります。本当に恐ろしい権限を私にくれました」(1995年グレースアカデミー第31期37番テープ)。
金正日総書記でさえ、ハン牧師が我慢しているため生かしているかのように主張したのだ。1995年語ったこのメッセージが、1998年には相手が違うだけで繰り返される。人だけでなく霊的存在である悪魔の「生死」をも左右するというのだ。
「説教を準備しながら祈祷中に『私たちのソウル復活の教会を支配する最高のもろもろの支配の霊、お前は出て来い、こら!!』と命令すると白馬に乗った大きな悪霊が出てくるが、赤い旗を持って走って出てくるのです。『あなたはそこに止まれ! 固まってしまえ! ただタッ!』と思ったら銅像のように固まってしまい、旗に書いたのを見ると『滅亡』と書かれていました。 私たちの教会を滅亡させるということです。それで、こいつを捕まえて地獄に送るから、落ちちゃえ、落ちちゃえ。 ハレルヤ(信徒たちはアーメン!!)」(1998年、霊たちの世界6番テープ-悪の諸霊、エペソ6:10〜13)。
2005年度5月22日付の週報にハン牧師が書いた牧会コラムには、広い意味で生殺与奪権と関係があると見られる内容が再び登場する。天国に上ることができず、霧の中をさまよう信徒のために祈ったら、天使たちが支えて一緒に昇天したという幻を記録したのだ。
「わが教会の○○○長老が死亡した。ところが葬儀の手続きについて色々な雑音が聞こえる。 ···少し心配になって約1週間後、その遺族のために祈るが、○長老が濃い霧の中でため息をついて座っているのが見える。あまりにもおかしくて、『なぜ天国に行かずにここにいるのですか?』と聞いたら、『私も知りません。行くには行かなければならないのに、この霧に押しつぶされて上ることができません』と言う。 私はその霧を片づけてくれと熱心に祈ったところ、霧が晴れて天使たちが降りてきて両側から支えて昇天するのを見た」
「幻を見るとこうだそうだ」という方法を通じて祈祷の重要性を強調したようだが、ハン牧師の問題点を認識している信徒たちはこの内容も彼の生殺与奪権思想が入り込んでいる発言だと指摘する。
ハン牧師は6月13日、「愛するソウル復活の教会の聖徒たちに」という文書で自身のこのような発言に対する立場を明らかにした。
「神秘体験は批判の対象にはならない」
「霊的神秘体験を言っているのに、そのような言葉を集めて活字化すれば、間違いなく異端になってしまうでしょう。問題は、そのような神秘体験を過度に神学化したり、教理のように言えば、それは批判の対象になり得ます。しかし、単純な体験で話すことで済めば、それは別に問題になりませんよね。なぜなら世の中にはありとあらゆる不思議な神秘体験を持つ者が多いからです」
神秘体験を神学化、教理化すれば問題になりうるが、単純な体験で話すにとどまれば批判の対象にならない、というのだ。
しかしソウル復活の教会に20年近く出席し、最近離脱したある長老は「ハン牧師が生殺与奪権などと関連したおかしな主張を10年以上持続してきた」として「ハン牧師は講壇に立ってはならない人だ」と主張した。この長老は「現在教会内部に残っている信徒たちはハン牧師の霊的体験と権威に同調する人々だ」とし、すでにハン牧師の霊的体験が信徒たちに思想的に根付いていることを指摘した。
生殺与奪権など問題性発言で物議をかもしたハン·マンヨン牧師に対して、韓国教会の徹底した検証が必要な時が来ている。
(以上、出典:キリスト教ポータルニュース)
【参考資料:ネイバー知識百科】
韓萬栄(ハン・マンヨン)牧師の生涯(韓国学中央研究院『韓国民族文化大百科』より)
1935.8.15 〜 2007.3.21
1935年8月15日にソウルで生まれ、ソウル大学校師範大学付属高等学校を経てソウル大学校英文科を卒業した。 仁川女子中学校、崇文高校で教師生活をした。 1964年にソウル大学国楽科に編入し、学士および修士号を取得した。 1969年から1991年までソウル大学専任講師、助教授、副教授、教授を歴任した。 また、1974年から1975年までソウル市立国楽管弦楽団団長を、1983年から1985年まで国立国楽院第6代院長を兼任したりもした。 1984年から1988年までユネスコ韓国委員を務め、’86アジア大会と’88オリンピックの文化祝典および開会式·閉会式の行事委員を担当した。1988年には日本のお茶の水女子大学から哲学博士号を授与された。 1992年に教授職を辞任した後、牧会活動に努め、2007年に死亡した。