韓国の異端「新天地イエス教証拠(あかしの)幕屋聖殿」(以下、新天地)の教祖、李萬煕(イ・マンヒ)総会長が、新型コロナ防疫に違反したことなどで起訴されていた刑事裁判で8月12日、最高裁が二審高裁判決を支持し感染症予防法違反については無罪、横領と業務妨害などの容疑のみを一部有罪と認め、懲役3年執行猶予5年を言い渡した原判決が確定した。新天地広報value pressは翌13日、「新天地イエス教会イ・マンヒ総会長に対する感染症予防法違反疑惑関連の最高裁判決で無罪確定」と速報で伝えたが、同時に確定した有罪判決については1行も触れなかった。
新型コロナが拡散した2020年2月、新天地が防疫法の規定に反して集会を続けたことでクラスターが発生し、大流行の原因になったとして社会的非難を浴びた。李総会長は幹部らと共謀し、防疫当局から要求された信徒名簿と施設現況(集会場所)を過小報告した疑い(感染症予防法違反による公務執行妨害)で起訴された。しかし裁判では、信徒名簿と施設現況などは防疫当局が定める疫学調査には該当せず、過小報告を感染症予防法では処罰できないと判断された。
一方、新天地の「平和の宮殿」建設に絡んで李総会長が教会資金50億ウォン(約5億円)を横領した容疑と、地方自治体の承認なしに公共施設で大規模集会を行った業務妨害の容疑では、有罪を言い渡した原判決が確定した。
新天地プレスリリースでは、「新天地イエス教会は防疫を妨害したのではなく、むしろ積極的に協力しました」とし、「当時、国会議員選挙を控えた状況で、一部の自治体首長と政治家たちは新天地イエス教会に対して過度な強制措置および権限を行使しました。このような過度な措置は少数派の宗教に対する大衆の偏見と先入観、嫌悪を前提に推進されたと推測します」と批判した。
プレスリリースはまた、感染症予防法違反容疑でのイメージ低下を挽回するかのように、新型コロナウィルス治療薬開発のために新天地信者が血漿を提供する団体献血に多数貢献していることを強調している。