安倍元首相を銃撃した山上哲也被告の動機や原因について憶測が流れたり、安倍晋三氏と統一協会の関係がどれほどのものかについて異論が出たりする。そうした曖昧な言論が横行するのは、現場の事実を丹念に取材してきたジャーナリストから見れば奇異なことだ。『「山上哲也」とは何者だったのか?』(講談社+α新書)の著者、鈴木エイト氏がインタビューに答えた。
 
 
 「いったい何のために国会議員とつながりを持とうとするのか。高額献金を課せられた信者たちが、教団の在り方に疑問を感じて離れようとしても、こんなに偉い先生がイベントに出席して礼賛している。『やはりちゃんとした団体なのだ』と思わせる。つまり、内部統制の手段として使ってきたのです」という見立ては至言だ。「偉い先生が協力しているから、ちゃんとした団体なのだ」と信者に思わせて内部統制する同じ手法は、統一協会ならずともキリスト教会に対しても使われる。