その現地報道と日本クリスチャントゥデイ、オリベットアッセンブリー教団との関係は?

はじめに(編集部より)

以下は、クリスチャントゥデイなど多数のメディアを世界各国で運営指揮していると疑われている張在亨(ジャン・ジェヒョン:英名デイビッド・ジャン)氏が米国で設立したオリベット大学と、買収し、傘下に収めたニューズウィーク・メディア・グループをめぐる巨額詐欺及び資金洗浄事件について、ニューズウィークの現場記者・編集者たちが発信した、自らの組織の上部団体の不正疑惑を報じた記事。原文は英語だが日本語訳を紹介する。この件は現在も捜査が進行中である。最大の争点は「張氏がどこまで指示を下したのか。分散化された巨額の資金はどこへ消えたのか?」(米捜査機関)だという。

国内ではキリスト新聞社が事件について大きく報じたことは記憶にあたらしい。

この事件で注目すべき点は再臨のキリスト疑惑があり統一教会前歴問題で韓国主要教団から異端視されている張氏の大学と関連団体、企業の代表(当時)が逮捕、起訴されたという犯罪性だ。張氏本人は逮捕されていない。

これほどの事件を起こしながらクリスチャントゥデイ編集長(東京都千代田区)の井出北斗氏(オリベット大学出身・関係者)は自身のブログやSNSで「この事件はマンハッタン地検による嫌がらせ、捏造だ」と発信した。なぜ、当事者ではない(はず)の人物がここまで火消しに回るのだろうか。

この事件は日本で無関係とは決して言えない。起訴されたオリベット大学出身の韓国人、日本人が牧師を務め、信者として所属する教団・宗教法人オリベットアッセンブリー教団(広島県呉市:旧あいのひかり教団)で主要な役割を占め、牧師たちは張氏から按手を受けていることだ。その信者らは張グループの各組織で今も働いている。

そして、ほとんどの信者が教会内でカップル(※注1)になっているという点だ。妻が韓国人宣教師で夫が日本人というケースが圧倒的に目につく。証言と記録によると張氏の司式のもと韓国、アメリカで聖婚(合同結婚によく似た制度)したという。クリスチャントゥデイの編集長と副編集長も同大学出身であることを認めている。また淀橋教会籍を持っていた複数の元クリスチャントゥデイ社員らも同大学メンバーだった。

注1 カップリング後に入籍し結婚した者もいれば入籍していない者もいる。

株式会社財経新聞社がIBTから社名変更された際のプレスリリース。日本法人会社だと紹介している。代表の溝内氏は2003年頃から張在亨の教会信者。関連団体を歴任してきた。

また、摘発されたIBTグループは日本では財経新聞と名乗り、現在は新宿区のとあるビルに事務所を契約している。過去には読売新聞の記事を大量に無断盗用したトラブルも起こしている。韓国でも財経日報として運営しているがいずれも張の関連メディアだ。中で働く人間や代表らは張側の信者だ。

読売新聞(2010年8月31日朝刊)が報じた財経新聞(IBT)による他紙記事の無断使用問題。(読売東京新聞 当時記事コピーより)

このIBT元社員もウェスレアン・ホーリネス教団で教会籍を持つ人物に含まれている。整理すると、起訴されたCMCとIBTの日本支社(現地法人)がクリスチャントゥデイと財経新聞に該当することになる。いずれも淀橋教会と同教団に籍を置く信徒だという共通点もある。そうなると断じて無関係とは言えないだろう。仮に日本クリスチャントゥデイが説明するように「緩やかな提携関係」であるにせよ、記事提供元であり統括的な役割を果たすCMCの事件に全く触れないのは不自然だ。一方で米国の情報筋は「韓国も日本も英国だろうとクリスチャントゥデイは張の傘下」と述べている。本紙もこれを裏付ける写真を入手した。これら真相は3月にはじまる刑事裁判で明らかになるだろう。

 

下記はNewsweekの記事

 2018年11月15日午前5時52分(日本時間同日午後7時52分)

アメリカニューヨーク州ドーバーにあるオリベット大学の門の近くにある看板(ニューズウィークから引用)

マンハッタン地方検察庁はオリベット大学とその経営指導層を資金洗浄、詐欺企図、共同謀議(犯罪の計画)、虚偽財務記録、犯罪企図の容疑で起訴した。この起訴は、ニューズウィークの前親会社の財務に対する捜査から派生した。最初の起訴は1ヶ月前に行なわれ、今回の起訴状に代わった。最初の起訴状にオリベット大学は含まれていなかったが、被告人の数名が同大学に関連していた。同大学は福音派のキリスト教の学校。

木曜に出た起訴状は、クリスチャン・メディア・コーポレーション(CMC)とニューズウィーク・メディア・グループ(NMG)の財務に流れた1500万ドル(39億6千万円)の資金計画について16件の罪状を挙げている。NMGは今年9月、ニューズウィーク出版社とIBTメディアの2つの独立した会社に分割された。

ニューズウィークとオリベット大学は、ニューズウィークの取材に応じなかった。IBT共同オーナーのエチエンヌ・ウザクとCMC代表取締役のウイリアム・アンダーソンとコンピュータ会社のオイコス社は、すでに10の罪状で起訴されていた。新たに被告人に加えられたのは、オリベット大学と、オリベット大学財務部長リンジー・ジャオ(別名ジョン・ジャオ)と、オリベット大学評議員会議長アンドリュー・リン(別名トニー・リン)。

ウザクはオリベット大学前副議長であり、アンダーソンはオリベット大学評議員だった。ニューズウィーク出版社の共同オーナーのジョナサン・デイビスは、オリベット大学の現学長トレイシー・デイビスの夫である。

新たな起訴状は、オリベット大学に資金を流す複雑な計画を明らかにした。

この謀議の目的は、金融機関から詐欺的方法で融資を獲得し、融資された資金の使途を変更し、資金源を隠蔽して経常費に回し、融資目的とは関係無い必要にあて、さらに、融資を継続的に受けられるよう信用力評価を維持しようとしたことである。

この謀議の一端として、アンダーソンとジャオ、その他は、通常なら備品機器を貸さない貸し手を誘うため、オリベット大学の財政の健全性を過剰に表示した。

地方検察庁は、アンダーソンとジャオが、融資を獲得するために、偽造した財務記録を使ってオリベット大学の財務を偽って提示した、と主張している。両名(と訴外の一名)は、「公認会計士リン・チェン」という架空の会計監査人を虚偽の電話番号と電子メールアドレスと共に捏造した、とされる。(最初の起訴状では、被告人はIBTメディアグループの財務の健全性を偽って提示するためカレン・スミスという架空の会計監査人を捏造した罪状となっていた)

独立系の販売会社であるオイコス社は、起訴状によれば、2500万ドル(28億3千万円)を受け取り、その資金の大半を、オリベット大学とアンダーソンとジャオと訴外の1名が管理する銀行口座に移した。

地方検察庁のプレスリリースによれば、その資金はオリベット大学の経営と不動産の購入に使用された。資金の一部は、ウザクが管理するニューズウィーク社の口座を通じて流された。

ウザクとIBTの代理人弁護士マーク・アニフィロは、問題の資金がすでに返済されていることを理由に立件の正当性に疑念を呈し、「業務に関して借りた資金はすべて返済される予定だった。被告人がしたことは、ただそれだけだ」「被害者は一人もいない」とニューズウィークの取材に答えた。

被告人は木曜にすべての罪状を否認した。

ニューズウィーク・メディア・グループに対する捜査は2年以上前に開始された。2018年1月にマンハッタン地方検察庁のサイラス・ヴァンス検察長官の指揮下の捜査官がニューズウィーク・メディア・グループを家宅捜索し、18台のサーバを押収したことで捜査が明るみに出た。木曜のプレスリリースで検察長官は「捜査は続行中である」と述べた。

追記

米国の法律・経済紙Law360は、マンハッタン地方検察庁によって摘発、起訴された巨額詐欺事件等について下記のように報じている。「ニューヨーク地方裁判所の判事は2019年4月8日の刑事裁判でオリベット大学、ニューズウィークに関する事件の起訴取り下げを求めた被告側の申し立てを「認めない」判断を下し2020年3月に刑事裁判を開始することが決定した。」と報じている。

 

出典

https://www.newsweek.com/fraud-charges-filed-against-olivet-university-part-probe-finances-former-1218321