控訴審「事実関係ですでに虚偽と判明」。調停でクリスチャントゥデイに賠償金1100万ウォン支払いの提案も一切拒否

ニュースアンドジョイ イ・チャンミン記者

前回までの経緯についての記事はこちら。記事に登場するハンビットヌリ財団とはキリスト教メディアを経済的に支援する団体の一つ。クリスチャントゥデイは同社創設者である張在亨氏について、「張在亨牧師、統一教会前歴問題(2004年)」報道をニュースアンドジョイに報じられ、実態が明かされて以降、クリスチャントゥデイはニュースアンドジョイを「親北派(北朝鮮を支持する)」と敵視する攻撃的な報道に徹している。そのような事実は存在しないとニュースアンドジョイは反論している。クリスチャントゥデイは、ニュースアンドジョイ後援団体に「脱税疑惑があった」と報じた。その報道を受けたハンビットヌリ財団が「事実ではない」とし告発。裁判の結果、一審判決で「クリスチャントゥデイは虚偽報道を行なった。訂正記事を掲載せよ」と命じられた。控訴し現在も裁判は継続中である。下記はその裁判について続報である。(編集部)

 

クリスチャントゥデイが報じた「ハンビットヌリ(キム・ヒョングク理事長)脱税疑惑」記事に対し、一審で損害賠償3500万ウォン(350万円)及び訂正報道の判決を受けたが、クリスチャントゥデイは控訴審でもハンビットヌリ財団側に責任転換した。

クリスチャントゥデイは1月15日、ソウル高等裁判所で開かれた初公判で財団法人ハンビットヌリの監査報告書に対する会計勘定を申請した。ハンビットヌリが企業の会計基準に則って財務諸表を作成していたなら納税の有無を簡単に確認できたはずなのに税金を納めたことをはっきりと記録していなかったではないかという主張だ。

クリスチャントゥデイの弁護人は「財務諸表を実際に確認したところ税金を払ったという記載はなかった。資料を検討し、税金を納めていないと考え疑惑報道を行った」と従来の主張を繰り返した。

クリスチャントゥデイ側は、ハンビットヌリが財務諸表の別添資料を公開しなかった点についても問題視した。ハンビットヌリは監査報告書に別添資料が存在するという記録があるものの公示しなかった。クリスチャントゥデイ側は「別添資料も報告書の一部だから公示しなければならない。ハンビットヌリはこれを怠った」と主張した。「もし、ハンビットヌリが監査報告書の内容を詳細に記載し別添資料も公開していたら脱税疑惑は解消されていたはずだ」とも述べた。

しかし、実際には監査報告書の別添資料を一般に公開する義務はない。ハンビットヌリ側の弁護人もこれを主張。「クリスチャントゥデイが責任を転換している」と反論した。「会計に問題があるかのように言うが財務諸表に納税の内訳がすべて記載されている」と述べた。別添資料については「公示義務はなく、公開しなかっただけだ」と主張した。

裁判中に判事は、「クリスチャントゥデイの主張は理解しがたい」と発言した。続けて裁判長からも「(クリスチャントゥデイが掲載した虚偽報道)訂正報道は無条件に原告側(ハンビットヌリ)勝訴で間違いないではないか。クリスチャントゥデイの事実関係(紙面の報道内容)は既に虚偽であることが判明した」と指摘した。

裁判官は、クリスチャントゥデイが報じた報道について「クリスチャントゥデイの事実関係(紙面の報道内容)は既に虚偽であることが判明した」と指摘した。ニュースアンドジョイ

続けて、判事は、「クリスチャントゥデイの取材不足だ」とも述べた。「ハンビットヌリが会計基準をきちんと守らなかったのであるとすれば、報道するために脱税したという証拠を持っていなければならないではないか。財務諸表以外に間接的証拠となるものは他にあるのか?」と尋ねた。クリスチャントゥデイ側の弁護人は「財務諸表に税金を納めた形跡が見当たらなかった」という言葉だけを繰り返した。

監査報告書には、財務諸表の別添資料があるという事実が記載されているがクリスチャントゥデイの記者がこれを確認しなかった点も問題視された。判事は「贈与税漏れの疑惑を招いた財務諸表から別添資料の内容さえ確認していれば何ら問題はなかった事件だ。別添資料があると監査報告書にも記載されているからだ。だから、それを見て記事を書くべきであり、確認しないで記事を書いた後に正当性を主張している」と述べた

その後、判事は傍聴席に座っていたクリスチャントゥデイのイ・デウン記者に直接質問した。「あなたは別添資料の内容を確認したのか?」と尋ねるとイ・デウン記者は「その通りだ」と答えた。「監査報告上、別添資料があるという内容について確認したのか?」と質問されると「はい」と答えた。すると裁判長が「あなたは確認していないではないか。しなかった理由はなぜか?」と尋ねると、イ・デウン記者はすぐに答えられず戸惑う様子をうかがわせた。少し考えてからイ・デウン記者は、「(ハンビットヌリ関係者に)聞いて確認しようと思ったが会えなかった」と答えた。

判事はクリスチャントゥデイ側に「このまま裁判を継続して良い結果が出るかどうか考えてみてほしい」と述べた。(ニュースアンドジョイ資料)

控訴審の初弁論に先立ち、裁判部は双方に調停を試みた。損害賠償金を一審で宣告された額の3分の1である1100万ウォンまで引き下げて提示した。ハンビットヌリは調停に応じる意向を示したがクリスチャントゥデイはそれでも拒否した。

判事から「1100万ウォンまで引き下げて調整したが応じない理由は何かあるのか?」と尋ねられるとクリスチャントゥデイは「記者個人が負担する金額にしては多すぎる」と答えた。判事はイ・デウン記者に対し「このまま裁判を継続して良い結果が出るかどうか考えてみてほしい。調整金額もこちらで決定している」と語りかけた。

裁判所はクリスチャントゥデイがなぜここまで会計鑑定を希望するのか理解できず、この事件では重要な手続きとは思えないと述べたが、クリスチャントゥデイからの再三の要求を受け入れ事実の照会を行なうことになった。韓国会計基準院に「ハンビットヌリが公示した資料だけで納税の有無を確認できるのか」「贈与税納付の有無を財務諸表に必ず記載すべきなのか」と2つの質問を行なった後、もう一度弁論を行なうとした。