ニュースアンドジョイは、今年、韓国と日本の 株式会社クリスチャントゥデイで起きた問題をきっかけに「再臨のキリスト」と疑惑を持たれる創設者の張在亨(ジャン・ジェヒョン)について改めて情報を整理する整理する必要があると判断した。この張牧師は「法的」「人道的」欠陥があることは問題だが自身がキリストと疑惑は次元の異なる問題であろう。そして、関連する団体が何のために存在するのか、団体収益はどこへ行くのか、それは自分たちが再臨のキリストと信じる張牧師を助けるために存在しているのではないか。特に「クリスチャントゥデイ」はまるで正統なキリスト教メディアを装うが果たしてその目的はどこにあるのか。

ニュースアンドジョイはこの一ヶ月間、取材した具体的な内容をシリーズで公開する。まずは隣国の日本で起きた問題から迫る。

 

日本の元信者(脱会者)たちは張在亨を「再臨のキリスト」又は「特別な存在」と信じたと証言した。ニュースアンドジョイ イ・ヨンピル記者

張牧師は韓国だけでは物足りないと考えたのだろうか。再臨のキリスト疑惑を持たれている張(デイビッド・ジャン)は早い段階から海外へ手を広げた。今年になり再臨主疑惑が提起された日本では2002年から本格的な活動を開始したという。張は日本で「ダビデ」と呼ばれている。多くの異端の特徴であるように教祖は全面に出てこない。自称「宣教師」と名乗る張の信者が現場を翻弄した。彼らは主に大学を拠点として布教した。

張の信者たちに伝道された日本の大学生は、「聖書講義」を聞かされたと証言した。数か月に及ぶ聖書講義の後、張を「再臨主」又は「特別な存在」と受け止めた。日本において何が起きていたのか。ニュースアンドジョイは直接、脱会者に取材し証言をまとめた。また、脱会者が証言した「供述書」を入手した。

「時と時期」「新しいイスラエル」の聖書講義 張牧師を再臨のキリストと学ぶも公言禁止 2035年世の終わりが来ると学ぶ

脱会者B氏は日韓ワールドカップが開催された2002年大学に入学した。ゼミに参加するため校内を移動中にある韓国人男性が話しかけてきた。「私は韓国から来ました。私と一緒に聖書を勉強しませんか?」日本語は下手だったが親切で悪い印象を抱かなかった。校内で布教活動しているグループがいるので気を付けるように言われていたが日頃からキリスト教に興味があったので気にすることはなかったという。

Bは約束した当時、横浜(神奈川県)にある教会を訪ねた。教会はビルの中にあり事務所のような雰囲気だった。パク某宣教師と別の宣教師が同席した。パク宣教師は「天国のたとえ」(マタイ13章)をテーマに聖書講義を始めた。内容に不審な点はなくそれなりに面白かった。Bは毎日教会を訪ねて勉強した。計70の講義で「時と時期」「新しいイスラエル」を学んだ。これはこの教団の核心てきな講義だった。時と時期はまさに今、現在を指す。新しいイスラエルは張牧の共同体を意味する内容だった。この時、講義した宣教師は張牧師はキリストと信じるよう誘導した。「張牧師は再臨のキリスト」と宣教師の口から直接的に言及はないが教育を受ける信者たちは講義を通じて張牧師が再臨したキリストと信じ受け止めるようになった。

Bを教育した宣教師は「終わりの日になると清められた人々が共同体を作る。この共同体を作った人は誰か?」と質問したという。Bは自分でもよく分からないままに「ダビデ牧師」と答えた。宣教師は「この事実を誰にも言ってはいけない」と口止めした。まるでイエスが自分のことを誰にも言わないようにと命じた聖書個所と似ている。Bによると「聖書講義は計70以上で語られるが確信的部分は歴史講義だ。この話を通じてダビデ牧師が再臨のキリストであることを誘導して教える。宣教師は教材などを使わずに講義に及んだ。また、できるだけ講義内容をすべて書き留めるように指示した。これは何年経とうが忘れることはない。」と明かした。終末論では、張牧師の信者は「2035年が世の終わり」と信じている。教団が創立した1992年10月30日からカウントダウンに入っているのだ。1992年は張牧師(ダビデ牧師)が按手礼を受けた年であり、10月30日はダビデ牧師の誕生日であることは明らかになっている。聖書でアブラハムからイエス・キリストまで42代の歴史で作られているように1992年の42年後は2035年、ここで終末がくると教えている。Bは「今となればおかしな話だが70講義を聞くと信じるしかなくなってしまう」と述べた。

ただ、張の信者が信じる終末論は「集団携挙」(けいきょ)や「地球破滅」という概念とは程遠いという。Bは「世界の人々が神を信じ罪も苦しみもない世界が張牧師のもとで実現する、これが終末と学んだ」と証言した。この時、「清い人々の共同体」を作る人が張牧師ということになる。

この集団は張牧師を「再臨のキリスト」と信じた日を「堅信」(けんしん)と呼び、この日を「霊的誕生日」と受け入れたという。Bは毎年この日を迎えると誕生日のように祝ってくれたと証言した。

 

脱会者Bは2003年に聖婚式で使った指輪を見せてくれた。望まない相手と進められた聖婚式によるトラウマは今も残っている。ニュースアンドジョイ 記者イ・ヨンピル

統一教会の合同結婚式のように 未成年で「聖婚式」へ 家族には結婚した事実を隠した 精神的に深刻な後遺症を患い

この集団のもう一つの特徴は「聖婚式」という制度だ。教会に通い1年程でBは日本人信者Hと聖婚式を行っている。聖婚式は統一教会の合同結婚式とよく似ている。「張牧師が直接、相手を決めてくれた」と証言した。聖婚式は日本の教会で行ったという。元々は韓国へ渡り合同で行うが事情があって日本にいながらインターネット中継を見ながら参加した。他にももう一組のカップルがいたという。司式は張牧師が行った。画面の中で張牧師は「聖婚は神の意思が100%だ」と述べたという。

Bはこの事実を家族、友人にも知らせることはできなかったという。他の信者も聖婚の事実を隠して暮らしていたようだ。Bは「好きでもない相手と一つになることは気が進まなかった。当時の私は使役(教会の活動)をうまく出来ていなかった後ろめたさから、聖婚でもして応じなければという考えがあった。今考えると家族単位で組織に縛りつければ逃げることは難しくなるため早い時期にカップルにさせたのだ」と話した。

Bは聖婚式で購入した指輪を記者に見せてくれた。指輪にはキリストの使徒を意味する「アポストロス」と刻まれていた。当時、未成年だったBは相手と暮らすことはなかったが精神的に大変重い後遺症を負った経験を打ち明けてくれた。

韓国においても張牧師にまつわる再臨主疑惑、問題が浮上するたびに「聖婚式」の話題がつきまとっている。2009年8月、韓国のクリスチャントゥデイを脱会したイ・ドンジュン氏は「張牧師が選んだ女性と聖婚2期で結婚しました。聖婚は秘密裏に行われる儀式で家族や知り合いに知らせてはいけなかったです」と証言している。イ氏は、「自分以外に72組が一緒に聖婚式を参加した」と話している。イ氏も「使徒の指輪」を買ったが「アポストロス」(キリストの使徒)とは再び来られたキリスト=ダビデ牧師という意味だ」と明かしている。

疑惑の主、張在亨は「イ・ドンジュン氏の主張は虚偽だ」と検察に告訴した過去がある。しかし、韓国検察庁は「この証言は虚偽事実と判断することはできない。証拠から踏まえるとそのように信じるに値する相当な理由があり、その範疇での意見、表現だ」としてイ・ドンジュン氏を無嫌疑処分とした。

入信後、1年で張牧師から「牧師按手」 一日に伝道、祈祷、講義を9時間にわたり 多くの信者がダビデ牧師を崇拝 嘘を教えるカルト集団

日本人脱会者の中には張牧師から按手(牧師になるため儀式)を受けた人がいた。2003年福岡にある某教会にいた信者はたった1年で張牧師の教会の牧師に就任した。「神学校に通ったこともない」。Cは「3・3・3基準」というルールに従ったという。1日のスケジュールで3時間伝道、3時間祈祷、3時間は聖書講義をクリアーしなければならなかった。頑張れば褒められたという。

牧師になったCは教会で説教もした。牧師になるための勉強、教育は誰も受けていないが説教することは難しくなかったという。「毎日聖書講義を聞かされ頭に叩き込まれていた。ダビデ牧師の説教をそのまま(リメイクする必要がある点もある)礼拝説教で語った」と証言した。

Cの証言も他の脱会者と共通している。張牧師の教えは「時と時期」「新しいイスラエル」が最も重要だという。やはり「時と時期」はこのタイミングを意味し、「新しいイスラエル」は張牧師の共同体のことを指すという。聖書講義を受けた多くはダビデ牧師を再臨のキリストと信仰していたと証言した。Cは「張牧師はキリストと誘導している教えは多く存在した。実際に周りは崇拝していた。しかし、私は彼を特別な存在程度に認識していた」と語った。

この集団から脱会したCは、張牧師を「カルト」と理解している。共同体と称する集団に関わっている時、最も理解に苦しんだ点は「正体を隠せ」という指示だった。Cは「初期の聖書講義の中で聖書の種まきのたとえを根拠に嘘をついて隠すように教育された。芽が出ない間は秘密を守り続けよ」「芽が生えたら話せばいい」と学んだ。「噂されたらカラスが種を食べに来る」とも聞いている。このカラスは「親が邪魔しに来る」という意味だ。張牧師の共同体は嘘を付くことは信仰的であり宣教強化のために必要なことだった。この教育は某宣教師が話した。ダビデ牧師が指示したものを某宣教師が通訳して教育した。

救世軍(日本)の山谷士官と日本クリスチャントゥデイが繰り広げた民事訴訟の話も取材できた。山谷士官は張在亨とグループに属している信者Hが書き留めた講義ノートを入手し証拠資料として裁判に提出したことがある。ノートには「キリストではない再臨のキリスト」という表現がみられる。クリスチャントゥデイ側はこの講義を聴いた信者Hは居眠りしながら書いたと張牧師の疑惑を否定した。

Cは「私もこの講義ノートを改めて読んでみた」という。「ダビデ牧師がキリストだという共同体の教えを流出させてしまった。彼らが一番隠すべき部分だ。私もこのような内容で講義を聴いた。居眠りをしてノートを書いたというのは無理な言い訳だ。「Hは講義の終わりに自分でそれに対する感想文まで書いているではないか」と述べた。

牧師になった脱会者は、他の証言に比べ様々な内容を知っていた。「張牧師は自分で統一教会の出身者だと言っていた」とも語っている。「張牧師は教理の問題で統一教会を出て、教会を転々としながら真理を求めたがそれを見つけることはできなかった。だから私が共同体を始めた」と聞かされたという。又、張牧師は修練会ではなく「修養会」という表現を使い始めた。「修練会は統一教会で使われる表現であることを気付き途中で修養会に変えた」と証言した。

ある脱会者の聖書講義ノートを筆記したノートが公開された。脱会者は2035年が終末という教えを受けている。ニュースアンドジョイ イ・ヨンピル記者

ダビデ=再臨のキリスト「次元の高いレベル」の御言葉 他に喋るなと口止め 嘘は知恵と教育 好きではない人との聖婚はストレス

脱会者証言は続く。元々、他の教会に通っていた信者だった人物も証言だ。「クリスチャンだった人が聖書講義を通じて張牧師をキリストと信じるようになったケースもあった」という。脱会者Dが答える。「2003年、大阪(日本)で自称宣教師二人に会った。聖書を学ばないかと言われた。」「私はクリスチャンだ」と答えると「他の教会に通っている人も聖書も勉強をしに来るから大丈夫だ」と勧誘されたという。

Dは聖書講義を聴き2か月程で張牧師を再臨のキリストと信じるようになった。Dに講義した某伝道師は「再臨主は誰か」と尋ねた。Dは「話の流れから再臨のキリストはダビデ牧師以外にないと考えた」という。「ダビデ牧師」と答えている。すると伝道師は「あなたも真実を知った」と言われたという。Dは再臨主の奥義を他言したことがあるという。するとある宣教師は「高い次元(再臨主は張牧師)の御言葉なので相手は誤解する。他に話してはいけない」と注意されたという。
Dの場合も入信して1年半ほどで牧師按手を受けた。他の牧師のように神学教育、訓練は受けていない。按手式は東京にある教会で行われた。当時は20代半ばだった。牧師になり聖婚した。好きという感情を抱けない相手と聖婚することには戸惑いを覚えた。それだけではない。一緒に住むことも相当なストレスだった。

牧師として活動した機関も必要に応じて人々に嘘をついたという。Dは「ダビデ牧師は嘘を付くことは知恵だ教えた」と証言する。この集団は嘘をつくこと信仰的とされ教会を守るためだと信じていたという。「私もそうだった。嘘に対する罪悪感はなかった」と打ち明けている。

張牧師を再臨のキリストと信じ続け3年後にはここを出た。使役を口実に労働させられ、うつ病の症状まで現れた。何より経済的に困窮した。脱会者はこう主張している。「ダビデは自分の野望のために人々を利用する悪人だ。ダビデは偽物だ。神に仕える者ではなく悪魔崇拝者だ。組織で人々を惑わし、再臨のキリストと洗脳させ借金まで追わせる」。

 

ある脱会者は「嘘を教えるダビデグループは正統なキリスト教団ではなくカルト集団だ」と主張した。ニュースアンドジョイ イ・ヨンピル記者

世界各国で共通の脱会者証言 ダビデ牧師=再臨主を隠す理由 イエスのように十字架で死ぬかも知れないこのように脱会者たちは組織を守るために嘘をつくように教育されたと明らかにしている。

脱会者の陳述書を総合してみると「張在亨の信者たちは宣教師を装って大学を中心に伝道した」「教会に連れてきて70に構成された聖書講義を聴かされた」「この講義を聴くと張を再臨主と信じるようになった」「張が再臨主とは直接的には言わないがリーダーたちの間では暗黙の了解で再臨主信仰は認識されていた」「他言は禁じられていた」、以上が明らかになった。

注目すべき点は張を再臨のキリストだと言わせないように指導されたという証言が世界中から出ていることだ。米国の調査報道機関「マザー・ジョーンズ」(Mother Jones)は2014年3月に米国在住の張グループ脱会者をインタビューした。その記事によると「張の本当の正体を隠すために秘密を守らなければいけない。なぜなら信仰のない人たちがキリスト(初臨)を殺したように、2度目のキリストも殺すからだ」という。

韓国においては2009年、大韓イエス教長老会合神派総会による異端似非対策委員会報告書で「張在亨に対する十字架の死にまつわる理解」が紹介されている。この中で「張在亨の教理は以下の通りだ。イエスは本来、40年間の公生涯(公的な使役)を果たすはずが30歳でユダヤ人とパリサイ人らに殺害されたのでイエスは使命を果たせなかった。これを根拠に自分(張在亨)がその使命を続けなければいけないという論理でイエス・キリストの十字架の贖罪(罪を許し贖う)を全面否定している。イエスの初臨は失敗し、自分(張在亨)が再臨のキリストとして神の使命を引き継ぐという教義が行われている。」という内容がまとめられている。

日本で張グループを脱会した元信者は数十人にのぼると思われる。日本のクリスチャントゥデイを辞めた脱退A氏は11月27日、本紙記者と会った際に「今まで30人以上の脱会者の情報を得た。」と語っている。信者たちは「ダビデの正体を隠そうとする理由がある。イエスがメシアであることが明らかとなり捕まって十字架で死んだようにダビデもそのようになることを恐れ、再臨のキリスト疑惑を否定している」という。

張グループから離脱した人々が口を揃えて証言する問題は他にもある。それは「金」「ローン」だ。張をキリストと信じて献身したが離脱して残されたものは組織を裏切った罪責間と負債だけだった。張とその幹部たちは張を再臨主と信仰させた後、何をさせたかったのだろうか。次に記事で日本でどんなことが起きたのか。被害を受けたのかを取り上げる予定だ。