講師陣から「具体的な異端対策、実態が明らかに」 情報サイト異端カルト110番開設記念感謝礼拝 祝福のうちにスタート 

会場はほぼ満席となった。参加者は真剣なまなざしで講師の話に耳を傾けていた。

10月3日、お茶の水クリスチャンセンター(東京都千代田区)8階のチャペルにて「異端カルト110番」開設を記念して韓国キリスト教異端対策セミナーが開催された。講師は、崔三卿(チェ・サムギョン)牧師(大韓イエス教統合派、光と塩教会担任牧師)が「張在亨(ジャン・ジェヒョン)は恐ろしい異端である」、陳用植(チン・ヨンシク)牧師(大韓イエス教長老会合同派、安山常緑教会担任牧師)が中国異端「全能神教」と題して講演した。両氏は、韓国における異端研究では「二人を抜きしては考えられない」というベテランの専門家だ。当日は、JEA(日本福音同盟)総主事、理事、福音派の主要教団の理事、牧師から日本キリスト教団カルト問題連絡会の関係者、ペンテコステ派、他にも日大韓基督教会、キリスト教諸団体、カルト問題の専門家、カウンセラーらも含め延べ100名以上が参加した。「各教団から異端問題のセミナーでここまで人が集まったのは初めてではないか」とある牧師は驚いた様子だった。

参加申し込み段階から「異端対策を強化したい」「実際に被害を受けている」「教会が社会に対して取り組むべき課題だと思う」など参加に強い意欲を示すコメントが多かった。なにより国内外で注目されているクリスチャントゥデイの実態について第一人者が語るとあって「何が本当か見極めたい」「自分たちの教団で正確な判断を下したい」という参加者が多かった。この問題の渦中にあるウェスレアン・ホーリネス教団からも多くの牧師が参加した。

根田氏、クリスチャントゥデイ問題の経緯を語る。

冒頭、長年、クリスチャントゥデイ問題を同紙上で報じてきた根田祥一(クリスチャン新聞編集顧問)氏が「日本におけるクリスチャントゥデイ(CT)問題の経緯」と題して説明した。根田氏はこの問題を時系列で事実に基づき経緯をのべた。CTが日本で公に姿を見せた2004年から説明に矛盾や虚偽があったこと、創設者・張在亨氏(ダビデ張)の統一協会前歴が暴露された報道、張在亨氏自身が「来臨のキリスト」と信じるように誘導されたとの証言、CT異端疑惑をブログで追及した救世軍士官への裁判の意味、日本基督教団総会議長や日本福音同盟のCT断絶表明、CTほかダビデ張氏共同体の元メンバーらが証言ブログを開いたことなど、現在に至るまで様子が語られた。

セミナーⅠの講師を務めた崔三卿(チェ・サムギョン)牧師 (写真左)と通訳の河成海(ハ・ソンへ)牧師(狭山のぞみ教会)。

崔三卿牧師、セミナーⅠ「張在亨は恐ろしい異端である!」

崔三卿(チェ・サムギョン)牧師は、韓国の異端問題有力「教会と信仰」の常任理事であり、大韓イエス長老会総会(統合)異端対策委員会委員長、世界韓国人基督教異端対策連合会会長を歴任。韓国では異端研究の第一人者とされ、今も「崔牧師抜きに異端問題は扱えない」と大きな影響力をもつ。今回は来日して、韓国でも日本においても混迷をたどるクリスチャントゥデイとその設立者の張在亨(ジャン・ジェヒョン)について「真実をお伝えしたい」と講演することを決めたという。

崔牧師は、当初、張在亨(ジャン・ジェヒョン)という人物やクリスチャントゥデイについて何も情報がなかった。張という人物が韓国のキリスト教界の第一線で活躍していた事実はない。一体この人物はどこから現れたのかと疑問を抱くようになったという。そのような中、クリスチャントゥデイの社員と称する人物に会ってみると、所属教会を明かさなかったり、説明が二転三転したりして違和感を抱いた。

韓国で出会った脱会者の証言

崔氏がこの問題で大きく動くことになったきっかけは、元韓国クリスチャントゥデイ広告局長を務め、組織を脱会し崔氏を含む異端研究者に情報提供したイ・ドンジュン氏との出会いだった。イ氏は張氏の教会に入信すると聖書講義を宣教師から学び、組織のトップである張牧師(ダビデ)を再び来られた再臨のキリストと信仰したという。平日は、クロスマップという張氏が設立したポータルサイトの使役(しえき)をし、日曜日はアンテオケ教会で副牧師を務めた。韓国クリスチャントゥデイでも広告局長として働いたことがあった。

イ氏は、組織の中で多くの矛盾を抱くようになった。その最大のきっかけはたまたまインターネットでみかけた統一教会の原理講論に関する情報だった。「張牧師の教えと統一教会の原理講論が瓜二つだ」と気が付いたという。「ひょっとしてここは統一教会組織なのではないか」との不安がきっけとなり、組織のために多額のローンを負わされ、ビジネスの内容、教えの矛盾に「ここを出るしかない」と決意して脱会に及んだ。組織で受けた被害、傷は相当なものだったという。対外的には正統なキリスト教会を装い、福音的な教会であることを誇示していたが、実際に内部では張牧師を崇拝する別の顔を持っていた。イ氏は2008年に韓国で証言するために記者会見を開いた。この会見を通じ組織の実態が明らかになったという。

張在亨に何度も会った。

崔牧師は、張氏と何度も会ったことがあるという。張氏は統一教会の組織に深く関わっていたがその前歴を誰に明かすことなく、面談した際も曖昧な返答を繰り返した。「張氏も弟子たちも自分が何者であるのかを曖昧にする。昨日はこう言ったが、今日は別のことを言っている」。指摘されるとクリスチャントゥデイを通じて弁解するが、その内容は相手を貶めるようなものばかりだった。韓国ではクリスチャントゥデイの設立者が張氏であることは明らかになったが、近年は「張氏は設立者であるだけで組織的になんの関係もない」と述べているという。

張氏は統一教会から追い出された人物、自分を再臨主にした異端である。

崔氏は「公の場で公開するのは初めてだ」と前置きした上で、統一教会で張在亨氏と共に働いた人物らから提出された内部資料を紹介。そこには張氏が故・文鮮明を「お父様」と呼び、学生に原理講論の思想で教育する張在亨の文書や活動記録が記されていた。また、統一教会の鮮文大学を建設した大功労者として張氏を称賛する内部文書の存在も紹介された。韓国において張氏がどのような経緯で統一教会を追放され、自らの宗教を作り、学生を動員して現在のグループを形成したのかについては既に多くの証拠により全容が分かりつつあることも明かされた。崔氏は張氏に、「なぜ統一教会の合同結婚式に参加したのかと尋ねると「好きな女性がそこにいたので結婚したくて参加した」と答えた。しかし実際には、統一教会の祝福結婚(合同結婚)では、文鮮明の指示で顔も知らない相手と結婚させられたことがわかっている。

多くの元信者が各国で「張(ダビデ)牧師は再臨主と秘密裏に教えられた」と証言しているが、韓国の脱会者であるイ氏のもとに張氏が訪れ、「私は君に再臨のキリストなんて教えていない」と自己弁護したという。イ氏は「組織内では崇められ再臨のキリストだった人が表(他の人の目があるところ)ではキリストではないと言い張る姿にがっかりした」と述べたという。韓国人神学者や香港の指導者たちも、今や張氏との関係を断絶しているケースが多い。

記者会見で証言をしたイ氏を、張氏の教会であるアンテオケ教会側が名誉棄損であると訴えた。イ氏の発言の12項目が名誉毀損だと指摘された。しかし、ソウル中央地裁は、イ氏はすべてにおいて無嫌疑であると判断を下した。その中で張氏を再臨のキリストと教える講義を宣教師から学んだこと、張氏を再臨のキリストと信仰したことは事実であると判定されたことは非常に意味のあることだと崔氏はのべた。つまり、張氏は再臨主という信仰を副牧師のイ氏が持っていたことがウソではないという司法の判断だ。さらに合同結婚式のような「聖婚式」、講義内容が統一教会の原理講論に似ていたというイ氏の発言も、名誉毀損について無嫌疑で終わった。それにより、そのようなことが内部で行われていたことは動かぬ事実であるという証明になったという。

自分の擁護者を作り上げる。味方を作り「異端解除した」と宣伝する。

張氏は、擁護者を作り上げることに長けている。韓国で著名な牧師を味方につけ、ビジネスクラスで米国へ招き、接待するなどして自分たちへの理解を求めるという。確かにそのような人たちは「良い印象」を抱くが、そのことで異端疑惑の解除に至ったというのは誤りに過ぎない。それが異端の常套的なやり口なのであり、大切なことは「韓国を代表する主教教団の総会決議」そして、「示された事実」。この2点からクリスチャントゥデイと張在亨について判断する必要があると述べた。

崔氏、一度も異端側からの訴訟で負けたことはない。張氏から訴えられたこともない。

崔牧師に対する膨大な数の誹謗記事は異端側が作った専用メディアから発信され続けてきた。それは事実ではないが、異端側は崔氏の発言を事細かに「名誉棄損だ」と訴訟を起こしてきた。ところが40年間の異端研究人生で一度も敗訴したことはないという。

特に張側とクリスチャントゥデイは、相手を告発しただけでそれを何十倍にして「勝った」「解決した」と報じ、自分たちの敗訴や相手の無嫌疑については一切報じないという。「日本側には彼らのやり口や情報が全く伝わっていないようだ」とのべた。これから彼らが何をするのかよく見てください」「幹部信者たちが関連団体で財政問題の容疑で摘発された。米国のマンハッタン地方検察庁の報道により今後、問題はより浮き彫りになるだろう」と述べ、セミナーⅠを締めくくった。

 

異端カルト110番開設感謝礼拝で説教を担当したJEA総主事、岩上敬人氏。

オンライン情報サイト 異端カルト110番開設感謝礼拝 説教はJEA総主事 岩上敬人氏

第一部を終えると異端カルト110番開設感謝礼拝が執り行われた。異端カルト110番の代表に就任した張清益氏(単立とねりキリスト教会牧師)は「皆さまの応援とお祈りに支えられ今日まで来られた。異端問題を通して正確な情報を皆さんに知ってほしい。神様がパートナーとして中橋兄弟(本紙、編集長)を与えてくれた。異端の問題はやらなければならないことと自覚しています」と述べた。その後、中橋氏から参加者に向けて挨拶とオープンしたニュースサイトについて説明された。

JEA総主事の岩上氏が第二コリント6章14節から「不信者とつり合わぬくびきを負ってはいけません」と題して説教。「この不信者とは未信者のことではなく、キリスト信仰から離れた異端のことと考えられる。聖書では、彼らとは働きをともにできないとして、区別するように教えている。今回の講演を通して神が私たちに何を示しておられるのか改めて考えたい。そのためにより正確な情報を知る手段が必要だ。異端カルト110番にJEAは賛同、協力を理事会で満場一致で決めた。この働きを通じて情報を共有していきたい」と語った。

異端カルト110番代表として挨拶に立った張清益(チャン・チョンイク)氏。

 

セミナーⅡ 中国発祥の全能神教会について語る。

セミナーⅡは韓国キリスト教異端相談所協会会長を務める陳用植(チン・ヨンシク)氏が「韓国におけるキリスト教異端の現状と対策」と題して講演した。今回は日本でも被害が拡大する可能性がある中国発祥の異端・カルト「全能神教会」を中心に取り上げた。日本ではSNSで友達申請をする程度で実害はないと考えている教会が多いのが現状だが、韓国では活発な活動を展開しているという。全能神は趙維山(ジャオ・ウェイシャン)という男性教祖が作り上げた宗教で、楊向彬(ヤン・シャンビン)という女性を再臨の女キリストに祭り上げた異端である。すでに女キリストが中国に再臨しているという教えに立ち、中国には百万人を超える信者がいるという。シンガポール、マレーシア、インドネシア、日本、韓国、カナダ、フランス、米国にまで拡大している。韓国では2013年1月から新聞広告を通じた布教がスタートした。彼らは中国共産党をサタン(悪)と定め、その勢力と戦う信仰が原動力だが、それを口実に韓国やフランス、オーストラリアなどへ難民申請をする信者が後を絶たない。難民として中国から離れて受け入れ先の国で布教するためだ。韓国の異端である新天地と手口が似ており、事前に既成教会の情報を分析した上で必要な教会員をうまく勧誘し外へ連れ出す。陳氏によれば「全能神はいわゆるノンクリスチャン(キリスト教を信じていない人)を伝道対象にしない。他の異端グループや身体障がい者もターゲットにしない」。彼らの狙いは既成教会のキリスト教徒だという。その手法も様々だ。勧誘の過程で金銭による支援を行い、なかには容姿に長けた若い中国人女性信者がターゲットの男性を誘惑し、写真撮影をして脅迫し強制的に入信させるケースもあるという。どの異端に対しても同じだが、牧師は警戒心を持つこと、教会に侵入する内部偵察(工作)に気をつけること、ネット動画は異端が利用するケースが多いため影響を受けないよう日頃から注意喚起する必要があることを訴えた。

全能神教会について語る陳用植氏。

 

閉会後、参加者は「よく分からなかったクリスチャントゥデイ問題がよく理解できた」「教団で警戒するように周知していこうと思う」などと話していた。新しくオープンした異端カルト110番は「画期的なメディアだと思う。期待している」「多くの方に祝福されたスタートをきれた。わかりやすい内容だと思う」「このサイトを通じて教会が何をできるのかもう一度考えたいと思う」とコメントが寄せられた。一方で「何も知らない人が読んで理解できるサイトこそ価値があると思う。専門用語はあまり使ってほしくない」「神学的なことより実害があるかないかで判断すると思うので、一般目線に立った内容に期待したい」という意見もあった。

当日は、講師の崔氏のセミナーを妨害するために韓国クリスチャントゥデイ日本支局長を務める、あいのひかり教団横浜聖門教会牧師のカン・ソンヒョン氏と同教団のエペソキリスト教会牧師のキム・イレ氏、東京あいのひかり教会の日本人牧師、オリベットアッセンブリー教団の宣教師らが押し掛け、ビラ配布をするトラブルがあった。渦中の淀橋教会員になった張信者の妻らも妨害活動に参加していた。主催側と施設管理側がそれぞれ退出を求めたものの度重なる注意、警告に応じなかったため神田警察署に通報。警察官と刑事が妨害活動を行うメンバーらに解散を求めた。彼らは会場の外(公道)で妨害活動を続けて5時間以上居座り、迎えに来た車でその場を去った。参加者の多くは「クリスチャントゥデイや張氏のメンバーのあのような姿を見て明らかにおかしい」「異端だと自分たちで言っているようなものだ」とコメントする声が多く聞かれた。