異端教団「パク・ユンシク氏」その教材を使用 救済史シリーズに注意

平康第一教会・全国の主管牧師向けセミナー毎年開催

▮ 全国の牧師を対象とする救済史シリーズ・セミナーパク・ユンシクの書籍使用 ▮ パク・ユンシク異端決議依然有効 ▮ 故パク・ユンシク映像説教を今も使用

<教会と信仰>  チャン・ウンチョル記者】   2018年07月16日付

韓国全土で開催される「救済史シリーズ・セミナー」に特別な注意が必要だ。平康第一教会(担任牧師 イ・スンヒョン氏 (故)パク・ユンシク)主催の救済史シリーズセミナーに使用されている教材は、韓国の主要キリスト教団から異端決議された故・パク・ユンシク氏の「救済」書籍が用いられているからだ。パク・ユンシク氏死去後、その実態や名称をよく知らない故に関わってしまう問題が起きている。

 

平康第一教会主催「救済史シリーズセミナー」。右下はパク・ユンシク氏の本を紹介している。

 

この救済史シリーズ・セミナーは毎年、韓国全土の牧師と信徒を対象に開催されている。特に8月13日から15日まで韓国で全国牧師を対象に「2018・牧師救済夏季大聖会」というイベントを広報中なので注意する必要がある。やはり、パク・ユンシク氏の救済に関する書籍が主な教材であり、それを公にしている。それだけでなく、全国の牧師(伝道師)を対象とする5週間に及ぶ「救済アカデミーコース」も開設され毎年行われている。この教会主催のイベントは「救済の歌大会」(コンサート)も確認されている。「救済の言葉を抱いて」というスローガンで「救済」を強調する。まるで「救済」(救い主)という言葉を自分たちのトレードマークに活用しようとする意図がうかがえる。

平康第一教会内では、故パク・ユンシク氏の書籍を中心とした救済集会が頻繁に行われている。夏の修練会、2018年夏季大聖会でも同氏の書籍を使った救済講義集会が企画されている。そして、講師は後継者である同教会のイ・スンヒョン牧師だ。

 

インターネットのホームページは未だパク・ユンシク氏を取り上げている。

 

◈救済史セミナーを通じてパク・ユンシク氏 異端のくびき

パク・ユンシク氏のいわゆる「救済シリーズ」の書籍は2007年第一巻が発行され、2017年までに10巻まで計10冊が売り出された。平康第一教会側は2017年12月16日にパク・ユンシク氏の救済シリーズ10巻発行記念式典を行った。この時、主催側はパク氏の書籍について「救済シリーズ第10巻が・・・新しい宗教改革を起こす」と自ら高く評価した。

指導者であるパク・ユンシク氏は2014年に死去。彼は1991年に大韓イエス教長老会統合派から初めて異端決議を受けた。ここでパク・ユンシク氏の異端思想(教理・カルト的要素)を下記に紹介する。

「イエスが地上で死んだのは神の霊ではないからだと教える。エバとヘビが性的関係を結んで息子カインを生んだというパク氏の教理は、統一教会同様の性的モチーフを示している。パク氏は智異山(チリサン)で3年6ヵ月の間、祈って神から秘密の奥義を授かったという。パク氏の説教は主にこの山で受けたという啓示から成され、その奥義については明らかにしない。エデンの園は人間の心を示すという。パク氏が智異山で3年6ヵ月と7日間に受けた神の啓示は統一教会出身のピョン・チャンリン氏が書いたものと酷似している。「セミナー使用されている教材は、韓国の主要キリスト教団から異端決議されたパク・ユンシク氏の「救済」書籍が用いられている。パク・ユンシク氏死去後、その実態や名称をよく知らない故に関わってしまう問題が起きる。」

この救済史シリーズ・セミナーは毎年、韓国全土の牧師と信徒を対象に開催されている。特に8月13日から15日まで全国牧師を対象に「2018・牧師救済夏季大聖会」というイベントを広報中なので注意する必要がある。やはり、パク・ユンシク氏の救済に関する書籍が主な教材であり、それを公にしている。それだけでなく、全国の牧師(伝道師)を対象とする5週間に及ぶ「救済アカデミーコース」も開設され毎年行われている。この教会主催のイベントは「救済の歌大会」(コンサート)も確認されている。「救済の言葉を抱いて」というスローガンで「救済」を強調する。まるで「救済」(救い主)という言葉を自分たちのトレードマークに活用しようとする意図がうかがえる。

平康第一教会内では、故パク・ユンシク氏の書籍を中心とした救済集会が頻繁に行われている。夏の修練会、2018年夏季大聖会でも同氏の書籍を使った救済講義集会が企画されている。そして、講師は後継者である同教会のイ・スンヒョン牧師だ。

1996年、大韓イエス教長老会合同派(韓国最大の教団)でも異端決議された。パク氏は合同派の牧師になることを目指していた。そこで2005年に異端ではないよう装うため(解除を目論み)努力したが結局はそれを果たすことはできなかった。パク氏は「種をごまかす」という説教を通じて異端性を露わにし合同派は再度決議に及んだ。異端解除を目論んで大きな痛手だけを残したということになる。

朴氏は自分自身を異端、カルト決議した合同派の重鎮、教授らを訴えるために法的手段に出た。法を通じて「異端性」を解除させようと考えたのだ。しかし、彼の思惑通りにはいかなかった。法廷においても敗訴したのだ。彼の思想は「統一教会の血分けの性的モチーフを掲げる人物である」と定められ法を介してもパク・ユンシク氏は「統一教会系異端、カルト」と事実認定された。(事件番号 2007ナ57949 2006カ2320 2008モ6642、2007モ1220等、事実認定)

同年(2005年)、韓国キリスト教総連合会(以下、CCK)においても調査機関を通じてパク・ユンシク(平康第一教会)が異端であると決議した。過去、2013年にはCCK(当時の会長ホン・ジェチョル牧師)がパク・ユンシク氏を「異端解除」した事実がある。この解除を受け平康第一教会はCCKの会員に登録され加盟に至った。これを機にCCKは無分別な異端解除を強行するためにホン・ジェチョル会長式のCCKを確立。正常に機能していたはずのCCKはさらに深い分裂を招く結果となる。CCKの第9代、10代、17代の代表会長を務めたギル・ジャヨン牧師は脱退を表明している。また、CCKに最後まで残っていた大韓イエス教長老会合同派も抜けることを表明した。

平康第一教会側は、統合派の異端解除を目論み対応にあたってきた。韓国最大の合同派、統合派から異端解除を受けなければ意味がないと判断した模様だ。彼らの努力が影響を与えたのか、統合派の教団100周年記念で「和解」というスローガンが掲げられた。2015年、統合派の特別赦免委員会(異端を解除する委員会 当時、イ・ジョンファン会長)を中心にパク・ユンシク氏、イ・ミョンボム氏、ピョン・スンウ氏、キム・ギドン氏等を解除しようとする動きがあったのだ。すると、統合派側の主要な関係者(ノ会長、牧師たち)が反対意見、声明を発表した。結局、統合派は2016年の「異端解除」にあたる選考をすべて無効破棄し、3年間「異端解除」を再考しないことを決議した。こうして、平康第一教会側の異端解除は水の泡に終わったことになる。

 

亡きパク・ユンシク氏の説教が集会中に発信され続ける。

 
◈「救済史シリーズ」では異端の束縛から抜け出すことは困難

合同派から異端解除されることに失敗した 平康第一教会はCCKから異端解除された点だけが彼らの成果となった。2013年12月17日、CCKから解除された日を「勝利の日」と宣言。毎年のようにその日を記念している。今回、パク・ユンシク氏の救済史シリーズ10冊の出版記念日もこの日に合わせたものと思われる。同教会は「CCKの異端解除はパク・ユンシク氏の救済史シリーズ、神学の正当性が認められたことを世界に示せた日」と宣言している。その後、平康第一教会は統合派から異端解除を受けようとして失敗している。なぜ、解除に至らなかったのかを説明する必要があるはずだ。そう考えると「失敗した日」も記念するべきではないのか。合同派はCCKより前に異端決議した後、現在に至っても決議を有効としているがその現実についてもどう弁明するつもりなのだろうか。現在のパク・ユンシク(平康第一教会)の機関決定は下記の通りである。

異端 統合派=1991年、2015年  合同派=1996年、2005年  CCK=2005年、2013年(解除) 注視との判断はメソジストが下している。

統合派の研究結果

「パク・ユンシク氏はイエスが地上で死んだのは神の霊ではないからだと教える。エバとヘビが性的関係を結んで息子カインを生んだというパク氏の教理は、統一教会同様の性的モチーフを示している。パク氏は智異山(チリサン)で3年6ヵ月の間、祈って神から秘密の奥義を授かったという。パク氏の説教は主にこの山で受けたという啓示から成され、その奥義については明らかにしない。エデンの園は人間の心を示すという。パク氏が智異山で3年6ヵ月と7日間に受けた神の啓示は統一教会出身のピョン・チャンリン氏が書いた「聖書原理」から多くは盗用されたものである。」

平康第一教会は既に死去したパク・ユンシク氏の束縛から抜け出せずにいる。インターネットのホームページ上の教会紹介でパク・ユンシク氏を取り上げ、最近の集会で故人であるパク・ユンシク氏の説教を映像で使用していることも判明した。この教会は6月11日から13日まで3日間開催された「特別早天祈祷」も連日のようにパク・ユンシク氏の映像を流した。今年(2018年)3月の苦難週間集会でもパク・ユンシク氏の映像説教は健在のままだった。この教会がパク・ユンシク氏との繋がりを維持する「異端教団」の枠から抜け出すことは困難なようだ。