チョン牧師「政府によるウイルス攻撃」「風邪薬を飲んで休む程度のこと」。韓国主要教団から異端擁護メディアと規定されるクリスチャントゥデイが世論の反発を招きかねないインタビューを実施 同紙の創設者は来臨のキリスト疑惑

数々の暴言、異端とされる人物と買収がらみの癒着、選挙違反で起訴など物議を醸しているチョン・グァンフン牧師は隔離入院先でもじっとしていない。来臨のキリスト疑惑がある張在亨(ジャン・ジェヒョン)氏が創設した自称キリスト教系メディア韓国クリスチャントゥデイが600人を超える新型コロナ感染被害を起こしたサラン(愛)第一教会のチョン・グァンフン牧師に電話インタビュー行なった。その様子を18日、クリスチャントゥデイ自社版の動画ニュースで報じた。本紙編集部が解説する。(追加情報あり)

サラン(愛)第一教会牧師で韓国基督教総連合会(CCK)会長であるチョン牧師。韓国クリスチャントゥデイが電話インタビューを行ない自社チャンネルで配信した。8.15国民大会顧問として紹介されている。(画像:韓国クリスチャントゥデイYouTube動画 クリスチャントゥデイニュース)

チョン牧師はコロナ感染が確認されソウル市内の病院に隔離入院中である。クリスチャントゥデイのインタビューに対し、チョン牧師は「私はコロナの症状がなく陽性反応が出たことは信じられない。(コロナ感染は)薬を飲んで静養すれば治るものを反対する政治家らが悪用している」と述べた。防疫センターを信用できない様子だった。さらに「保健所で検査を受ければ陽性になる。病院に行けば陰性だった信者は十数人いる」とし国の陰謀だと主張した。またインタビューの中で「保健所の検査結果は嘘だ」と繰り返した。

またサラン(愛)第一教会でクラスターが発生した問題についてはウイルステロを受けたと主張した。「事前に教会に対しウイルス攻撃が行なわれているという情報をつかんでいた」などと語った。チョン牧師は隔離入院中にもかかわらず、現地の保守系YouTuber(ユーチューバー)はチョン牧師と積極的に電話インタビューを続けている模様だ。チョン牧師は何度も「政府がウイルステロを画策して私を逮捕しようとしている」と訴えた。

今回、反社会的言動を続けるチョン牧師のインタビューを通じてそのメッセージを発信したクリスチャントゥデイに、早くも不信感を抱く声があがり始めている。

クリスチャントゥデイや関連メディアを創設した張在亨氏。小規模教団である大韓イエス教長老会合福音(現・合福)教団を率いる牧師だ。アメリカにオリベット大学、ワールドオリベットアッセンブリーという教団を設立した。自称再臨のキリスト疑惑がもたれている。

このクリスチャントゥデイは、韓国主要教団から異端疑惑をもたれる法人だ。韓国で2番目に大きい保守プロテスタント教団である大韓イエス教長老会統合派は2009年第94回総会でクリスチャントゥデイ創設者の張在亨氏を鋭意注視、警戒する規定を下した。その理由について「張(ジャン)氏を再臨主と信じた人々の証言が多く、彼の話を信頼することができない故、注視し警戒」と説明している。これは総会で決議された公式的な決定だ。その他に合神派は「参加・交流禁止」(2009年第94回総会)、2013年にはさらに厳しい「警戒、交流禁止」と規定した。高神派は2012年に関係禁止と規定するなど警戒は続く。

また統合派は同年にクリスチャントゥデイを異端擁護メディアと規定した。2018年第103回総会でも再確認され現在に至る。理由は「クリスチャントゥデイ創設者の張在亨氏の統一協会前歴と再臨主疑惑が依然解消していないにもかかわらず同社が張(ジャン)を広告、擁護する報道を続けるため『異端(張)を擁護しているメディア』として決議」と説明している。他にもう合神派が同社を異端擁護メディアと規定。

現地法人として日本にもネットワークで連携するクリスチャントゥデイ(東京都千代田区)が存在する。創設者の張在亨氏は統一教会前歴があり、みずからを来臨のキリストと教えている人物だ。元信者らの証言でいわゆるカルト的被害が多方面から確認されており、警戒が続く。

チョン牧師が会長を務めるCCKは、この張在亨氏を最初に異端解除し、張氏が率いる大韓イエス教長老会合同福音教団の加入を認めた。加入時に偽造した教会リストを提出したことも確認されている。2003年頃の事件だ。これを機にCCKは、本来の正統なキリスト教団の活動趣旨から逸れ、汚職が横行してしまった。本来、異端、カルト規定される牧師とその関連団体はCCKに加わることはできなかった。異端にとって知名度があり、信頼されている団体に加入さえしてしまえば、自分たちの正統性を標榜できる、いわば宣伝活動に利用したのだ。

クリスチャントゥデイは、張在亨氏を批判するキリスト教メディアを「従北派」「主体思想(北朝鮮の故金日成氏が掲げた思想教育のひとつ)」にかぶれた共産主義者だと批判を繰り返してきた。日本のクリスチャントゥデイも全く同じ手口で問題提起者を誹謗中傷している。もちろん、そのような事実はない。チョン牧師の暴言、問題行為を一切取上げず、むしろチョン氏を持ち上げる報道に徹してきた。

クリスチャントゥデイは自称宗教新聞1位をうたっている。それなのにチョン牧師など自分たちと利害関係にある人物を擁護してきた。紙面も反政府を支持し極右系の団体を取上げている。

クリスチャントゥデイの職員らは張在亨氏を指導者と仰ぎ、再臨のキリストと信仰している問題が指摘される合同福音(合福)教団教職者たちで、クリスチャントゥデイは同教団の関連事業体の一つである。今も合同福音から名称を変えた合福教団はCCKに加入している。韓国の主要なキリスト教連合、協議会がこの問題に強い懸念を表明し、謝罪し、教会が一丸となってあるべき姿に戻ろうではないかと訴える最中、クリスチャントゥデイは極右の問題牧師を擁護した。このタイミングで取材し、チョン牧師から発信されるメッセージが世論に肯定的に作用するはずがない。にもかかわらずインタビュー動画を公開したクリスチャントゥデイの意図はどこにあるのか? 多くの異端、カルトがこのような制御不能で大衆を煽動する人物を利用してきたが、今回のインタビュー報道でその一端が露見したといえよう。

 

追加情報(21日午前)

韓国聯合ニュースを含む現地メディアの報道によると「サラン(愛)第一教会の信者少なくとも30人が立ち入りを規制されている教会周辺で夜通し、大声で賛美歌を歌い、大声で路上祈祷会を行なうなど迷惑行為を行なった。「主よー!主よー!」と叫ぶ集団は次々と教会周辺に集まり出した。これは21日、未明まで続けられた。

この日の午後、防疫当局が現場調査のため教会に立ち入ろうとしたところ、チョン牧師のメッセージをYouTubeで見て集まったという保守系のグループと教会員が合流し調査を妨害しようとした。「令状のない不法調査を強行している」「警察が強制執行を試みている」など事実ではない情報に影響を受けたものと思われる。深夜0時をすぎると泥酔した教会員が「教会弾圧」と叫びながら大暴れし、合流した教会員、保守系グループで大騒ぎになった。深夜1時には通行人の帰宅を妨害した罪で逮捕者まで出た。クラスターが発生しているサラン(愛)第一教会の信者感染者数は21日午前までに676人となった。