指輪特別セール、日本人は250万円の献金? 被害者家族「実態を知ってほしい」

文鮮明死去後、妻である韓鶴子氏はみずからを「再臨のメシヤ」と宣言。統一教会の最高権力者の座に君臨した。(写真:統一教会公式サイトの画像を被害者家族の会より提供)

世界平和家庭連合(旧統一教会)は故・文鮮明氏(ムン・ソンミョン)生誕100周年を祝う大型イベント「ワールドサミット2020」を2月2日から7日の日程で開催する。会場は韓国一山KINTEX(キンテックス)と統一教会の聖地「清平(チョンピョン)」で予定されている。統一教会は「VISION2020」という目標を掲げ、故・文鮮明氏が指定したとされる「2020年2月6日地上天国完成」を祝うために準備を続けてきた。

統一教会はこのサミットで“共生・共栄・共義”のための世界平和カンファレンスを掲げ、世界中の信者が集う模様だ。現職の国家首脳、政治家、財界人、宗教家、ジャーナリストも参加するという。外部参加枠は6千人を超える模様。キリスト教、イスラム教、ヒンズー教など様々な宗教家も多く招待され、共に世界平和を共に提唱するという。韓国メディア各社もこのイベントついて一斉に報じている。

去年、日本国内で行われたイベントには自民党の現職議員らが多数来賓として出席。韓鶴子氏を称賛する祝辞を送った愛知県知事に多くの批判が集中した。ツイッターでは本紙の記事が広くシェアされ「日本の政治と統一教会の癒着ぶり」を危惧する声が多数あがった。現職議員が合同結婚をあげる様子も確認された。韓国紙は各国議員の参加について報じており、日本からも韓国入りする議員らがいる可能性は十分に考えられる。

会場になるKINTEX(写真:被害者家族提供)

イベント当日はのべ3万人が参加する合同結婚式が予定されている。本紙は被害者家族から統一教会の実態を少しでも知ってほしいと情報提供を受けた。今回の合同結婚は二世といわれる信者グループも多く参加するという。合同結婚とは、信者の男女が再臨のメシヤ文鮮明(現在は妻、韓鶴子)によってマッチングで結び合わされ、見ず知らずの者同士が合同結婚式に参加するというもの。夫婦はこの結婚を通じて「原罪」を赦され救いにあずかると教えている。

統一教会の公式サイト“祝福結婚への招待”によれば①統一原理を学ぶ。②文鮮明師ご夫妻をメシヤ・真の父母として受け入れる。③礼拝参加、十分の一献金(収入の十分の一を献金する)。④飲酒、喫煙をしない。⑤純潔の重要性を理解する。と教えている。

この夫婦から生まれた子どもは二世と呼ばれ、罪がない人間から生まれたので子も“罪がない状態”と認められる。今回は二世が日本国内からも大勢韓国へ渡り、合同結婚に参加するという情報を得た。「式に参加するにあたり、韓国人信者は大体250万ウォン(約25万円)献金が求められます。日本人はその10倍(約250万円)捧げる必要があります」こう語るのは被害者家族Bさん。特別な事情があり詳細は明かせないが「自分の愛する子が望まない合同結婚に参加しなければならない悲痛な思いをなんとか知ってほしい」と胸のうちを明かした。信仰心という言葉一括りでは済まない大変難しい事情があるようだ。

前回の記事でも紹介したように信者には暗号で「金」に関する細かい指示がくだるという。脱会者某氏は「早く献金はHK、早く返済しなさいはHS、経費はKHと略されます。他にもいろいろあります」と明かした。都内某所にある株式会社V某社は統一教会の関連企業だ。もちろんその実態は隠されている。サイトを確認するとシャンプーが280mlで税別5,300円。他も高額で販売されていた。こうした売り上げの多くは信者(経営者)を介して統一教会に上納されていく仕組みだ。

今回の合同結婚式用に特別価格で販売される祝福リングのチラシ(被害者家族の会提供)

本紙は、今回の合同結婚式に参加する二世信者向けの誓約書を入手した。「保護者」にあてて配布されたものだ。統一教会は日本で霊感商法事件など資金を得るために違法な販売、勧誘を行い社会的に大きな問題になった。現在も相変わらず実態を隠してオンラインショップ、SNSによる販売、勧誘や印鑑、宝石の販売は続いている。信者の月額献金ノルマは尋常ではない額だという。「違法行為による摘発」「社会問題化」を恐れ、合同結婚もあくまで自主的に参加していることを誓約というかたちで示そうとしていた。被害者家族の某氏は「内容に同意させサインすることで、裁判になっても統一教会が有利になります」と語る。世界平和を提唱しながら二代目再臨主宣言をした妻、韓鶴子氏のもとこの団体はどこまで走り続けるだろうか。

本紙は、被害者家族、家族会と共に今後も情報発信を続けたい。

以下は本紙が入手した誓約書だ。日本語訳で紹介する。

以下 日本語訳

未婚二世 保護者用 〈誓約書〉

創造主の神様が人間を創造した究極の目的は、真の愛を中心とした理想家庭の実現にあります。 理想家庭とは、祝福という関門を通じて男と女が夫婦の縁を結び、互いに助け合う真の愛を中心にした家庭を指します。 つまり、夫婦は相互信頼と愛を分かち合い、親と子の間には愛と尊敬の関係になり、兄弟姉妹の間にはお互いに信じて頼り合って一つになる生活が理想家庭だというのです。  このような理想家庭の中心にはまさに人類の親なる神さまがいらっしゃいます。神様を中心とした夫婦関係、親子関係、兄弟姉妹関係になるとき、神様は人間創造の喜びを感じられますが、それが神様が人間を創り出した究極の目的なのです。

神様はこのような理想家庭を築こうと、アダムとエバを創造し、人類の最初の祖先とされました。 しかし、アダムとエバの性的堕落により、最も根本的な関係であった神様との親子の関係が断絶し、サタンから偽りの血統を受け継ぐようになりました。従って、神様を仕えることができる理想家庭は具現できなくなったのです。

これに世界平和統一家庭連合は救世主、再臨主、メシヤとして来られた生みの親を通じて神様の根本的な血統に復帰していく意識で祝福を受けます。 祝福は単なる結婚儀式ではなく、サタンの偽りの血統から神様の子供へと生まれ変わる重生儀式であり、長い神様の創造目的を実現するための貴重な儀式です。  祝福を通じて神様を父として生きていく父と子の関係を回復し、神様の喜びを聞かせることができたのです。

このような祝福は私たちの努力への代価として受け取れるものではありません。 ひたすら真の父母様の犠牲と権威を通して、神様と真の父母様の恵みとして受けることができる大事な儀式です。 結婚は、町中の結婚相談所などでの結婚とは本質的に異なる、世界平和統一家庭連合の聖なる儀式なので、祝福費用もまたサービス利用料ではなく、神様と真の父母様から祝福を賜る、感謝の献金です。 従って、祝福結婚式のための婚約が成立した後、その費用は一切返金されず、祝福式後の夫婦間に発生した民事刑事上の責任も当事者にあります。

祝福結婚は以下の段階の通りに行われます。

書類受付→婚約実現(マッチング)→婚約式→祝福式→40日精誠期間→家庭出発

本人は上記の内容を十分に理解、同意し、署名します。

20 年 月 日

姓名 (印)(サイン)

世界平和統一家庭連合 総会長殿